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もやもや日記

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『アポリネール傑作短篇集』

2005年03月06日 | 読書日記ーフランス
窪田般彌訳(福武文庫)



《内容》

比類なき
反逆精神で既成芸術を否定し、
アヴァンギャルドの旗手として活躍
した、夭折の詩人・小説家アポリネール
の傑作短篇集。現実と空想が奇妙に交錯
し、不思議な味わいを醸し出す23篇を収録。


《この一文》

” --シモン・ペテロよ、私はおまえと何ら異なるものではない。われわれの名も同じ。私はおまえが采配をふるう教会と同じだけ長く生きるだろう。おまえが教会の善良なる牧人である限り、私は永遠に悪の旗頭となるのだ。おまえが天の慈悲をみせつける教会で、私は地獄の悪意になりきって、もし気がむくならば、悪魔の軍団と無数の天使たちをも、ゆさぶり動かしてみせよう。 
         --「魔術師シモン」より ”



読み返すのは3度目くらいになると思うのですが、「オノレ・シュブラックの失踪」以外、すっかりさっぱり忘れていました。
はじめの方に収められている「プラーグで行き逢った男」「ラテン系のユダヤ人」「魔術師シモン」などは、こんなに面白いのにどうして忘れていたのか、もはや自分が信じられません。
全体的な感想としては、どの物語を読んでも、なんだか気分がすっきりしません。
物語が皮肉な結末に至るものが多いせいでしょう。
まあ、私はハッピーエンドを求めるほうではないので、すっきりしなくて構わないのですが。
今回は、少なくとも5、6篇の物語についてはしっかりと記憶していられそうです。
よく読めばかなり面白かったのでした。