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「国に裏切られた」 計画避難に住民ら怒り

2011年04月11日 23時34分34秒 | 時事スクラップブック(論評は短め)

「国に裏切られた」 計画避難に住民ら怒り

産経新聞 4月11日(月)20時53分配信

「国に裏切られた」 計画避難に住民ら怒り
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「計画的避難区域」の設定を発表した枝野幸男官房長官の会見後、村役場での会議中に大きな余震が襲い、厳しい表情を見せた飯舘村の菅野典雄村長=11日午後、福島県飯舘村役場(大山文兄)(写真:産経新聞)

 「何で今さら」。福島第1原発事故で11日、政府が新たに「計画的避難区域」の対象にすると発表した福島県の飯舘村や葛尾村、浪江町の全域と川俣町と南相馬市の一部。住民らはこれまで高い放射線量の中で不安な生活を続けていた。

【フォト】飯舘村飯樋幼稚園の校庭で放射線計測を行う県担当者

 避難の指示もなく「安全」と言い続けた政府が、事故から1カ月もたって出した、あいまいな指示。「国に裏切られた気分だ」。怒りと悲痛な声が上がった。

 1カ月をめどに避難するように求める計画的避難区域に指定された飯舘村。11日午後、村役場で開かれた説明会では住民から強い訴えが飛んだ。「補償はどうなるのか」「いつ戻ってこられるのか」

 経営者の一人は「地域に密着してやってきた。退去すれば信頼を失い、廃業になってしまう。逃げることはできない」と涙を浮かべた。自治会長の細山利文さ ん(62)は「自主避難とは違い、長期的になる可能性が高い。何百頭も牛を飼っている人もいる。生活の基盤をどうするのか、住民には村からちゃんと説明し てほしい」と訴えた。

 菅野典雄村長は「大変残念な状況だ。国などと交渉し、できるだけ村に基盤を残していけるように努力したい」と説明した。

 妻と2人でプラスチック製品の製造業をしている坂本徳さん(60)は「これから工場を見つけて再開したとしても何千万円もかかる。避難するつもりはな い」ときっぱり。一方、自動車関係製造業の庄司正良さん(68)は「風評被害で取引先から『大丈夫か』といわれていた。(放射線量の)数値が高くなってい るのを見て、避難した方がいいのか考えていたところだった」と頭を抱えた。

 村内で働く女性(52)は「『大丈夫、大丈夫』と言いながら結局避難させるのか。これだけの地域が避難対象になったら、福島県はなくなってしまうのではないか」と政府の対応への不満を口にした。

 「計画的避難区域」と、屋内退避や自主的避難を求める「緊急時避難準備区域」の両方に一部が指定された福島県南相馬市は「情報を収集しているところ」と対応に追われた。

 南相馬市で避難生活を送る男性(60)は疲れた様子で、「計画避難とか緊急避難とかいわれても内容がよく分からない。避難所生活にも慣れてきたのに、またドタバタするのは勘弁してほしい」と話した。


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・枝野長官「計画避難は1カ月で実行して」


東京・高円寺で反原発デモ ネット通じ1万5千人

2011年04月11日 03時58分24秒 | 時事スクラップブック(論評は短め)

 「原発はもういらない」と訴えながらデモ行進する参加者=10日午後、東京都杉並区

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 東日本大震災による原発事故を受け、東京のJR高円寺駅周辺で10日、反原発を訴えるデ モ行進が行われた。高円寺でリサイクルショップなどを営むグループ「素人の乱」が呼び掛け、ツイッターなどで情報が広がり、約1万5千人(主催者発表)が 参加。思い思いのスタイルで「原発はもういらない」と訴えた。デモ行進は高円寺中央公園からスタート、ロック、レゲエ、ちんどん屋などの生演奏とともに、 駅前などを練り歩いた。


メガバンク1.9兆円緊急融資 東電を金融業界支える裏事情

2011年04月11日 03時54分35秒 | 時事スクラップブック(論評は短め)

メガバンク1.9兆円緊急融資 東電を金融業界支える裏事情

2011年4月10日 12時30分 (2011年4月10日 20時03分 更新)

   福島第1原発事故の復旧作業が長期化している東京電力に対し、メガバンクなどが約 1.9兆円の緊急融資に応じた。巨額の廃炉費用や損害賠償を背負うとみられる東電を金融業界が支える裏には、電力供給という公益事業を独占的に担う東電を 「国はつぶせない」という暗黙の保証がある。

   もし東電が破綻し、株主責任を問われたり、債務カットなどが行われたりする事態になれば、幅広い投資家や金融機関に大打撃を与えるだけに、政府は東電の今後の経営について、慎重に対応を探ることになりそうだ。

「融資の要請を断る選択肢はあり得ない」「日本が生きるか死ぬかの瀬戸際。原発事故処理や代替電力確保が現在進行形で行われている中、融資の要請を断る選択肢はあり得ない」

   メ ガバンク首脳は、東日本大震災の発生から間もなく大手行などが実行した東電への緊急融資についてこう説明する。緊急融資の内訳は、三井住友銀行が6000 億円、みずほコーポレート銀行5000億円、三菱東京UFJ銀行が3000億円のほか、住友信託銀行など信託各行も参加し、日本政策投資銀行も危機対応融 資を実行する。日本生命保険など東電の主要株主である生保も融資を検討中だ。

   金融業界挙げての支援態勢を示した形だが、メガバンクなどが慌てる一幕もあった。玄葉光一郎国家戦略担当相が2011年3月29日の会見で「東電のあり方はさまざまな議論がありうる」と国有化も選択肢の一つであることを示唆したからだ。

   市 場では「公的資金が投入されれば、株主責任を問われ、東電債の債務不履行(デフォルト)や金融機関の債権放棄も避けられない」との警戒感が広がり、東電株 の暴落や東電債の国債に対する上乗せ金利(スプレッド)拡大に拍車がかかった。東電株などに投資する生保や銀行の株価が下落する場面もあり、金融業界から は「市場が壊れかねない」(大手行幹部)と悲鳴が上がった。

減資や社債の再編行われれば金融危機に発展?

   東電の株式や社債は従来、「安定銘柄」として生保や銀行、年金基金、地方自治体、個人投資家などが幅広く保有。「国債より安全」とまで言われていた東電債の発行残高は5兆1747億円(2010年12月末現在)と国内最大だ。

東電の経営体制の見直しをめぐり、減資や社債の再編が行われれば、「金融危機に発展する」(アナリスト)との見方さえある。

   このため、政府・与党内でも、国が東電を支援する代わりに株主や債券投資家にも責任を負わせるという枠組みには「経済への影響が大きすぎて、かえってコストがかさむ」(民主党議員)と慎重論が根強い。

   そ もそも原子力損害賠償法は、原発事故による被害の賠償について電力会社が無限責任を負うことを原則とする一方、「原発が国策である以上、損害賠償は国も最 後まで面倒をみることが法の趣旨」(政府関係者)。菅直人首相も4月1日の会見で「東電の一義的な責任を超える場合は、政府としても責任を持って対応しな ければならないが、基本的には民間事業者として頑張ってほしい」と述べた。

   政府は被害者に対する賠償金支払いを支えつつ、金融市場へ の打撃を避けながら、電力を安定供給できる新たな経営の枠組みを模索しなければならない。ただ、原発事故の収束の見通しがたたない中、損害賠償額の試算さ え難しく、政府と東電の負担割合も不透明。東電の経営体制の行方は見通しづらく、金融業界や市場がやきもきする状況が続きそうだ。