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「魔女」が送る宅急便 「焼米」

2007年01月19日 | 食べ物、飲み物
私にとって、もう「絶滅寸前」の食べ物があります。
(冷蔵庫の片隅に残りを食べずに保存しています。手のひらにのる程度ですが、最後の一杯です。)

「焼米」です。

作っているエリアによって、多少その作り方や呼び名が異なります。
関東の南房総では「やんごめ」、中国地方の広島北部・岡山では「やっこめ」、その他では
何と呼ぶか情報が少ない為定かではありません。「やきごめ」がなまったのでしょう。
熊本でも室町から続くとありました。もち米を使う地方もあるそうです。

その作り方が、異常に手間がかかるのです。

青刈りの籾(もみ)を水につけ、ふやかし、釜で炒って、精米です。
平べったい、米のフレーク状にします。
(ところによっては、たね籾の残りを使うところもあるらしく、その土地では貴重なものらしいです。)

通常の食べ方は、熱いお湯を注ぎしばらく置いて、膨らませ柔らかくします。味付けは塩です。
厳しい肉体労働の間のぜいたくな「間食」だったのでしょう。(塩分の補給も兼ねていたのかも知れません。)

最近の食べ方は、炒めたり、油であげたり、バターで炒めて熱い牛乳をかける調理方法もあるそうです。

「干し飯(ほしいい)」は、炊いたご飯を乾燥させ、携行した戦国以来の足軽の食べ物です。これと比較し、「焼米」はなま米の加工ですから米が本来もっているうまみがあります。

母親が多くの人の協力で、これを作り、わずかづつですが、お世話になった人に贈っています。体力のないシニアが個人でこれを作るのは大変です。大釜が必要で汗だくです。
母親がコーディネイト役で力仕事は若い人、精米は専門家に頼みます。
何十年ぶりに食べたという人もいるらしく、多くの年配者の人に喜んでもらっているそうです。


NHKの支局から取材依頼があったそうですが、各行程を取材するには日数がかかるため
諦めたそうです。
広島では中国新聞の取材記事が載っています。(広島県北の焼米紹介)

保存食とは言いながら、鮮度が落ちると味も悪くなります。

母親が送ってくれる「魔女の宅急便」のなかの貴重な一品です。
何時まで作れるか「魔女の気力」次第です。
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