音の伝わり方は「球面波」(水面に石を投げ込んだ時の波紋の様な)が理想と思います。自然界ではこの球面波ばかりでは有りませんが・・・。
オーディオでは楽器の音を伝える訳ですが、楽器によってその音波の形・伝わり方は違うと思います。しかし自然界で最も多く感じるのは「球面波」ではないだろうか?
JBLやALTEC等の高級SPでは低域にコーン型、中高域にホーン型が使われています。ユニットの方式が大きく違いますので、1台のアンプで低域~中高域までを鳴らし切るにはチョッと無理が有ると云うのが私の結論です。
音変換効率やユニットの能率が2倍以上違えば音圧を合わせるのは非常に難しいと思う。それをネットワークで対応しようとすれば中高域の音質や音数を犠牲にしなければ合わせられないと思います。
私の使っている自宅のシステム(SP-707Jシステム)では、低域にD130(能率101db)に対し、中音の#375は118db有ります。3dbで能率は2倍になりますので同じ音圧を得るのにD130:1Wに対し#375は1/32W以下(0.03W以下)で済みます。
オリンパスシステムをマルチに戻した理由はこの点に有ります。低域も中高域も中途半端なドライブになってしまい、肝心の音数や音の表現力が削がれてしまっているからでした。
JBLやALTEC等の低域にコーン型、中高域にコンプレッションドライバー+ホーン型を使っているなら、それぞれ別のアンプでドライブした方が良いと云うのが私の結論です。別のアンプと云っても同じ出力では音圧は合いません。出力が大幅に違うアンプの方がより合い易いでしょう。
アンプの出力は絶対的な「音圧」を伴っています。ホーン型で球面波は低い出力の方が出やすい様です。コーン型は元々動作が鈍いですので、スピード感を上げる為にハイパワーアンプが似合う様だと思います。
ハイパワーアンプをホーン型に使えば「尖塔型」の波形で飛んでくるでしょう。110db近く有るホーン型SPユニットには2Wの出力でも十分でしょう。2Wや10WのTr型アンプは殆ど無いのが実情で、これがホーン型を「難しいユニット」にしているのかも知れません。