Mr.トレイルのオーディオ回り道

「音質アップ」を目的として、
システム全体の「基礎的項目の見直し」に、
重点を置いて試行錯誤や実験をしています。

JBL#4343や#4344は名器か?

2017年03月10日 | ピュアオーディオ
JBLの43シリーズの「モニターSP」が出始めたのが1972年頃、#4311辺りからだったと思う。その後、#4320や4331、4341等が出て、1976年に#4343が販売され始めた。

当時#4343は¥56万円/1台=ペア¥112万円の高級機であった。当時の大卒の初任給は13万円程度ですので、約1年分の給料に匹敵します。

高価であるにもかかわらず、このSPは10000セット以上/年も売れたベストセラーSPで有る。デザイン的にシンメトリーで38㎝ウーハーを使った4ウェイ機として非常に人気の高かったSPで有る。各雑誌でもモニターSPに採用され、知名度が非常に高かった。当時のマニアはこぞって「終のSP」として捉えていたのではないかと思う。

かく云う私もSP遍歴を繰り返し、泥沼からの脱出をする為に「終のSP」として、無理をして購入した。26歳の時であった。

それから27年程所有していた。その間にアンプ類のグレードアップや新しく登場したCDに対応させるためにCDPを購入して来た。ウーハーエッジも2回交換した。これが結構な価格で、JBLではりコーンしか受け付けなかった。コーン紙は奇麗な状態だったのに、交換されて帰って来たコーン紙は汚かった。

20年近く#4343を鳴らし続けて来たが、「ヴォーカル」(女性の声)が非常に気になっていた。帯域の低い方は「ミッドバス」(コーン紙)から出て、帯域の高い方は「ミッドハイ」(#2420ホーン型)から出て、上と下を行ったり来たりする。この時の「質感」が全く違うのである。#2420の方からで出て来る時の音の質感の方がグレードがはるかに高いのである。

この事から、#4343に対しての評価が私の中で変わって行った。その後、#4343よりももっと古いオリンパスを購入して、3ウェイで鳴らして中域を500~7000Hzを#375ドライバーで受け持たせるようになって初めて安心して聴ける様になったと思った。

#4343は非常にコンパクトに作ってある。その分、手を入れる事が難しい作りになっている。ネットワークと内部配線は最悪の状況と認識するようになった。「ふん詰まった」音しか出てこないと感じる様になってしまった。これで名器と云えるだろうか?自分の中では「シスコン型SP」とレッテルを張った。