Mr.トレイルのオーディオ回り道

「音質アップ」を目的として、
システム全体の「基礎的項目の見直し」に、
重点を置いて試行錯誤や実験をしています。

ライントランス遍歴

2016年01月16日 | ピュアオーディオ
1980年代、CDの登場でアナログプレーヤーをメインで使わなくなって来た。しかし、CD機にも弱点の様なものが有る。アナログプレーヤーで出るのに、CDで出難いのが「奥行き方向」の立体感だと思う。CDは二次元的な再生に対し、アナログプレーヤーは三次元の表現をしてくれる様だ。アナログプレーヤーをメインに使い続けている方は多分にこの辺が許せないのだと思う。

取り扱いや収納を考えるとやはりCDの便利さは捨てがたい。そこで何とか立体感や滑らかさを手に入れたくて、「ライントランス」を導入して見た。最初はタムラ製の小型の600Ω:600Ωの1:1のトランスを使って作って見た。タムラ製のラインすトランスだけでも5種類ぐらい作ったと記憶している。トランスの大きさによってサウンドのスケール感が比例するように感じる。

トランスを作る事に関して大事な点がある。それはケースの強度、プラグの作り、半田材、ケーブル材と云った「材料」と「作り」で可なり音質が変わってくる。基本的に自分の場合は、自分で作り上げたケーブル材と、フルテックの最高級のXLRソケットを特製の純木製ケースに収めて、ライントランスのみを入れ替えて試聴して来た。



タムラ製やタンゴ製のライントランスを試してから、UTCの#21番のトランスで作って見た。サイズ的には小さいが質感がすごく良い感じでした。立体感が出て好ましく感じました。しかし、スケール感が今一つ物足りない。トランスのサイズを出来るだけ大きくしたいと思う様になり、WE(ウエスタン)の111Cライントランスにたどり着いた。このトランスは2Kg/個の重量が有り、しっかりした作りで、L・Rで2個必要だ。今までのライントランスがせいぜい500g/個ぐらいの重量でしたから、そのサイズが判るだろう。


(WE 93F)

WE111cライントランスを使いだして、同じWEでも古いトランスはどうなのか?といつもの癖が出て、93F、93A、90Aと段々古い物へと試聴が進んで行った。


(WE 15A)

その結果、音質は、

111c<93F=93A<90A<63C<63A<50A<15A

と最初期型に向かうほど自分の好みの質感と表現力になって来た。50Aや15Aは他のトランスとは傾向の違うサウンドがする。キレと質感が全く違う。63Aや63Cも90A~93Fとは違う。私の試聴では111cは最下位にランクされてしまった。今では50Aや15Aはおろか63Aや63Cも手に入らない代物だと思う。もし見つけたなら即買いだろう。