二畳庵庵主の戯れ言

一輪の桜に従い野に。ついに2015年、人生の第三ステージの場・高知に立つ。仁淀川に魅せられたオヤジの戯れ言日記。

伝え残したいこと

2015-12-03 17:59:17 | 徒然に想う

先日、取水口の点検を兼ねて掃除をしてきた。で、水の通りはよくなったものの、昨夜の雨によって、予期しなかったことが起きてしまった。今朝巡回してて分水槽にたどり着くと、勢いよく水が溢れてる。三本の放水口から順調に流れ出ていたにもかかわらずだ。分水槽、落ち葉を蒔いている段にある。そこが水浸しなっては元も子もない。

黒パイを繋ぐ場所はもうない。そこで思いついたのが、サイフォンの原理。ビニールホースを使って新たに放水口を作ってやればどうか。早速、持ってきた長いホースを、コナツの根元に届くくらいに切る。取水口の向きを調整しながら水を入れてゆく。先からちょとちょろ、指で押さえて…。満タンかという頃合いに。取水口を分水槽に沈め、指を放した。いい、実にいい。勢いよく流れ出す。一気に水が溢れなくなった。おぉ、しかも低からず高からず。

コンクリのスロープに穴が開いてしまった。作業小屋から分水槽のある段に上がる大切な場所。これでは、落ち葉を持ち上げができなくなる。急遽、応急手当をほどこすことに。何が原因かとスロープの下を覗くと、空洞。草をどければ、その部分、ごっそり石垣が崩れてる。これは、何も今日昨日話ではない…。だからか、コンクリでの修復が二度ほどやられた形跡がスロープにある。仕方ない、付け焼刃だが、「応急」ならなんとかなるだろ。ちょうど勉強してたことを実施で復習だ。もちろん、今まで石垣修復なんてやったことない。しかも、頼りのK兄も教えてくれる人もいない。一人で大丈夫だろうか。で、こんな感じに仕上げた。今夜も雨の予報、明日上がったらボロボロだったりして…。

(斜めの茶色い直線部分、鉄のL字鋼。これによって、スロープの形が出ている。ちょうど上の先端辺りが空洞になっていた。)

サイフォンの原理に、石垣の修復ときたか。こうしていると無駄なことばかりじゃないんだと自画自賛。いや、いやいや、そうじゃない、だろ。水はすぐ結論が出るが、石垣は違う。昔から石工さんたちがいらして、その技術を磨いてきたんだから、付け焼刃でできるわけがない。何年持つか、いや何か月? 明日かも…。きっとそんな失敗を繰り返し、学んで、出来上がっていった技術。昔の人たちの時間と英知が注ぎ込まれているこの技術、石垣の風景と共に、廃れていってしまうんだろな。昔の人たちにあった時、どう言い訳をしよう。せめて、庵主一代分は引き延ばせましたと言いたい。

 

 

今日の一枚:分水槽の様子。真ん中にある茶色いのが錆びた直管パイプ。そこをクロスしているのがサイフォンの原理で水を逃がしている青いホース。9時半頃。