二畳庵庵主の戯れ言

一輪の桜に従い野に。ついに2015年、人生の第三ステージの場・高知に立つ。仁淀川に魅せられたオヤジの戯れ言日記。

思い出すこと

2010-10-30 17:32:29 | 徒然に想う
自分がおかしい? どっか変わった。一年前と全く同じ時期、全く同じところにいる。もちろん一年間という時の流れがあって、目にするもの・感ずるものが違うのだから、同じってことは有り得ない。つまり、そういうこと以上に何かが変わってる。そう、何か、なにか違う、ハッキリ違う。

そんなこと思いながら庭で棒立ちになっていた。石垣の向こうでドイツからのウーファー、タアルケがそんな僕を見つけ、「どうしたの」と。「えっ、ああ、何か変わったんだ。そう、変わったんだよ」。彼女、説明を求めようと足を僕のほうに向けたが、結局首を微かにふって、まぁいいやなんて気配を残してどこかいってしまった。それでも、棒立ちのまま、風の音や木の揺れる様を見続けてる。

変わったなぁー、なんかやさしい。


村では、土曜日の正午から公民館の前に市が立つ。いろいろなものを持ってきてお金を介さず交換したり、近況を報告しあったりしている。とても楽しい行事。もちろんみんなに会いに出かける。懐かしい顔や初めての人、できるだけ「こんにちは。」「今度はどれくらいいるの? 二週間?二週間なんて二日間位なもの、もっと長くなさいよ。」 いろいろ起きてる。子供たちが遊ぶ多目的のコートを作る。去年まで居た人がどこかへ行ってしまった。子供が生まれた、新たに入って来た人も。こんなところでも変化が激しいんだ。かえって小さなところだからこそ、こんな旅行者の目にもハッキリわかる、か。

なにかギスギスしたような空気…。あの道の件でいろいろあった?


帰らなければならない二日前の夕飯前のこと、「いつも来るとすぐ帰る…。いい、なんかあったら必ずかえって来んのよ」と突然ティーカップをテーブルにコトンとおいて僕を見ながら言う。キョトンとしていると、同じことを言う。「なんかあったら戻って来るのよ。あなただけでなく、家族たちも歓迎するんだから」。そして「Please let me give you a big hug.」 いつもより何倍も何倍も強かった。そして、夕飯のメインは大切に育てていたウサギ。

食後、寝泊まりしてる部屋に戻る道すがら、森の木と木の間にサーチライトのような強い強い輝きを見た。何だ? 月だ…、信じられない。青白き光が森や牧場、牛たちにわけ隔てなく注がれてる。無垢な輝きに万物が包まれている。冷え冷えした感など一切、微塵もない。なんというやさしさ、なんというあたたかさなんだろう。

変わったのは「自分」、だったのか…。






今日の一枚:その時の月、ちょうで牧場に入る手前の道で撮った。

行ってきまーす

2010-10-09 18:36:40 | 徒然に想う
待ちに待った休暇。もちろん向かうはタスマニア。

雨の一日、間隙をぬって傘を持たず最寄り駅。新しいスカイライナーに乗って、驚きの四十分弱で成田。一歩でも近づきたいと、出国手続き。82番ゲートへ。

今年、診察だなんだと遅れたり半休はあったが、フルで休んだ記憶がない。毎日が仕事におわれ、体力的に疲れる。そこに何もしない人たちが休む。バックアップは…、しわ寄せが…。それで仕事が遅いと指摘され。精神的にも疲労困ぱい。いい加減ブチ切れる寸前、一人になると悪態をつきまくる。だから、ほんと、ほんとに待ちに待っていた。

今、第二ターミナルのサテライト。正直、仕事を辞めてでもいくつもりだったと思えば何とかなるもんだと感心する。いやいや。今朝荷物を点検してて、つい思う、「もういいでしょう。早く私のオリジン、マザーランドをみつけなきゃ」。それを確かめる、旅になりそうだ。

ゆっくり考えてきまぁす。




今日の一枚:シドニー行きの機材がやってきた。

トコトコ

2010-10-07 22:15:02 | 徒然に想う
メープルリーフの蜜、ちょっと焦がしてしまったキャラメルソース…? 玄関を開いて。大きく息を吸い込んで、今日の一歩、Dan!


トコトコ、トコトコ

冬の大三角。カシオペヤ。


トコトコ、ジャシジャシ、ジャシジャシ

金木犀。

コーヒー。

ごめん、また巣を破ってしまった。

ジャ、トコ、トコ、トコトコ



トコーン、トコーン

土臭い遊水池。

僕の歩くことで細波が立つ。静かな朝。土手。

トッコ、トッコ、トッコ。
トコトコトコトコトコトコ

土手の草たちの匂い。

やっぱり蜘蛛は飛ぶ。畑と川の土手の間の広い道なのに、鼻先に一筋の糸。

トコトコトコトコトコトコ。



ギュィ、ギュィ、

階段の向こうから、ガラガラと二拍。東の向こう、青白き闇に赤味さす。
ふぃー



トコトコトコトコトコトコ


誰かが背中押すと振り返る、やっと太陽の気配。今朝は出遅れてた!


タッ、タッ、タッ、タッ、

玄関に、ご飯の炊き上がった香り。

ウーン!! キュルキュルッ、だよな。






今日の一枚:日の出まで三十分、神社にて

行く手、南の空

2010-10-06 21:50:39 | 徒然に想う
自分の進んでいく南の空にオリオン、冬の大三角。ちょうどその辺り、雲がぽっかり抜けて、ハッキリ見える。何だろう、ちょうど頭の上で強く輝く星。西や北の空は…、雲っている。

月は確か27か28。今にも閉じてしまいそうな細い細い天のまなこ。東南東の空で輝てた。ふむ、月明かり、期待しちゃまずいな。


そうだ。冬の大三角あたりには天の川が見えるはず。もちろん、無い物ねだり。あと数日すれば、南へ南へ。さらに南へ。そこではじっくり楽しめる。月明かりだって。星座のこと知っていたらもっと楽しいだろうな。





今日の一枚:神社から東の空。五時頃。

邪な気持ち

2010-10-05 00:03:02 | 徒然に想う
神社に上がり参拝をすますと、境内の端に佇む御神木のコナラに左手の平を合わせ、頭上にひろがる梢を眺める。

何かを語ってくれるのじゃないかと思ってのこと。それに、あの桜の花のように何か啓示してくれそうな気がする。だが、庵主が心を閉ざしているのか、何も語ってくれない。

もちろん、会話出来るわけじゃない。ただ一回だけ木が語ってくれたことがある。去年の今頃、やはりタスマニアにいた。その時ジェラルディンとウーファーたちと大きなユーカリに登った。ジェラルディンは感じないのとしきりに言う。その時は解らなかった。ただ日本に帰る日、一人で登って何も考えず体を委ねてみた。ゆったり体を揺すりながら歌っている!

風に梢がそよぐ。それだけのこと。大きな幹だってその影響を受け動く。木は生きているから、動きを伝え合う、伝播させる。しごく当たり前のことなんだけど、そんなことがわかっていなかった。神社のコナラは庵主邪心を見抜き何も語ってくれない…のか。





今日の一枚:ヘッドランプを照らし梢を見上げた。太陽の光とは違う表情の御神木。

金木犀

2010-10-03 10:11:24 | 徒然に想う
遊水池の周りに出ると、ほのかに金木犀の香りが漂ってくる。土手の植え込みに何本も植えられていて、そこから来るのはずなのだが、あの黄色みがかったオレンジの花が見当たらない。花はまだでも蕾のころから漂うものらしい。お淑やかでいいかもしれぬ。

そういえば、3年前散歩を始めたころ、あたり一面包まれ花が咲き誇っていたことを思い出した。あの時は、何もかにも敏感になってたかもしれぬが、花の香りが辺りを支配していた。例えは悪いかもしれないが、トイレの芳香剤の中を歩いているように感じたことを記憶している。

今年ももうしばらくするとそうなるのだろう。来週の土曜日にまたタスマニアに行ってくる。帰ってくるころには盛りは済んで、和むように漂っているか…。





今日の一枚:川面が朝陽にキラキラ。それがクモの巣を通して見ると七色に輝いている。カワセミの川で土手にちょうど上がろうとするところ。