二畳庵庵主の戯れ言

一輪の桜に従い野に。ついに2015年、人生の第三ステージの場・高知に立つ。仁淀川に魅せられたオヤジの戯れ言日記。

オナガ

2013-07-31 19:30:51 | 徒然に想う
オナガの勇敢さは、カラスへの威嚇で話したことがある。彼らのそれは、想像以上かもしれない。

今朝のことだ。家にあと五分も歩けば着くところにあるお宅の塀際に、棕櫚の様であるが何だかわからない木がある。どうも、そこにオナガの巣がある。よりによって、その塀に今年生まれただろう猫がちょこんと飛び乗った。それが逆鱗に触れ、二羽のオナガが代わる代わる威嚇しだした。

彼らの武器は、その声もあるが、あの長い尾羽。相手すれすれまで急降下。反転し、尾羽をムチのように打ちつける。笑えるのは、そんな彼らでも近寄るのは怖い。なんとか尾羽が相手に届きそうになるが、空を切るばかり。つまり、声と相まって初めて効果を上げる。今回は猫が相手。百獣の王と同じ仲間。気合いが入っているんだが…。

子猫、何度となく首をすくめる。それだけオナガたちの攻撃も繰り返し、精度が上がる。ついに、カラス同様、その子猫、逃げ出した。背後から、興奮覚めやらぬオナガたちの声。まるで、「俺たち、やったな! やったな!」と。





今日の一枚:ベランダのアサガオ、6時半頃。

一唱三嘆

2013-07-30 21:03:22 | 徒然に想う
遊水池に下って行くと、朝靄が涼しげに漂って。草の先、蜘蛛の巣が、ポチポチと水滴で飾り立てられている。イイねぇ…

《朝靄を 捉えし蜘蛛の巣 風に揺れ》

いや、待て、待て。朝靄じゃない。涼しげってことだよな。

《涼しさを 捉えて蜘蛛の巣 風に揺れ》


「涼し」は夏の季語。「蜘蛛の巣」も同じ夏。これでは季語が重なっちまう。

帰って、も一度「涼し」を調べると、打ち水や夕立に、風が流れ暑さを忘れさす安らぎとして捉えられる。夏の一瞬の貴重な瞬間の「涼しい」ということらしい。すると、今朝の情景の涼しさ、は、全く違う。

どうしよう…、このままでは、季重なり。「涼しい」という形容詞以上の意味はいらない。微かに流れる風か…。そっか、何か演じてくれてる。


《朝靄を 捉えて蜘蛛の巣 ユラユラと》

ナルほど、こんな感じか…。しかし、どこかワンパターン。

蜘蛛の巣も「囲」「網」などと言い方がある。


《朝靄を 捉えて蜘蛛の囲 ユラユラと》

どこかどっしり落ち着いてしまう。静的だ。


《朝靄を 捉えて蜘蛛の網 ユラユラと》

「網」では、動的に靄を捉えにいってしまってる…なぁ。


など、など考え、考え歩く、カワセミの川の土手の上。が、突如、対岸から秋が、つくづく恋しい、つくづく恋しい、と…。

《蝉時雨 制して一唱 初法師》


立秋までまだ十日ばかり。それでも、密やかに秋が忍び寄る。





今日の一枚:遊水池、5時頃。

夏バテですか、ね

2013-07-26 19:44:37 | 徒然に想う
ニラの花が咲いてます。ツバメの第何陣でしょうか、公民館の軒先、巣籠もり始めた番がいます。まだ一羽老鶯が残っています。百日紅が今が盛りと咲き誇っています。


夏バテですかね、調子が出ません。





今日の一枚:JRの跨線橋を越え間もなく、畑と車道の境。5時半頃。

神秘な教え

2013-07-24 22:03:20 | 徒然に想う
空って、どんなところだろ。木の汁はどんな味? 土の中から長年思い描いてきた世界。ワクワクする、なんてことを薄れてゆく意識の中で思ったに違いない。

ちょっと胴体の様子がおかしい。殻からぬける際、殻自体に引っかけた…。細菌類に感染していた…。これでは仮に羽根がきれいに伸びても、空を飛べやしない…。

よく見るとコイツ。すでに殻に手足を使って殻にしがみついている。つまり、このまま胴体が抜けたら、羽根を伸ばせた。ところが…。抜けなかったにもかかわらず、羽根を伸ばす体制に入った。何故? 以前、地上を歩いていたのが突然ひっくり返ったのを見たことがある。脱皮は逆さま、ないしはそれに近い体勢で進む。つまり、その時の個体の状況に応じ脱皮のプログラムのスィッチが入るのでない。例えば、地上に出た時をゼロとし、秒単位で時間に依存したプログラムとして自動的に起動する、と言うことか。

もし、「時間」に依存するなら…。蝉に時間の観念はないとしても、「時」に追われるのは、人間だけじゃない…ってこと。野菜とて同じ、直播きしてもなかなか育たぬ。蒔く「時」を逸してはならないってこと。つまり「時」の重大さを忘れるな、との啓示、だ。





今日の一枚:カワセミの川の岸、雑木林の中。5時ちょっと前。

大暑に願う

2013-07-23 18:48:43 | 徒然に想う
大暑である。『暦便覧』には「暑気いたりつまりたるゆえんなればなり」と記されているそうだ。至り詰まる、とは実にわかりやすい。

…この情景。蒸し暑さが吹き飛んだ。いつもなら正面から見るばかりだが、裏側みたら全く違う雰囲気。なんというか淡い紺色の浴衣を着た美人の襟足…。ほつれた髪をそっと直す…。花に色気なんてそぐわない、か。なかなかどうして、妖しく涼やかだ。

やはり隠していた。汚染水が海に漏れている。それでも原発は動かす、海外に輸出する。選挙前に何故知らされないなどとは聞くまい。こんな隠蔽体質の企業と政治屋ばかり。呆れ果て、怒りからくる暑さなど沸いてきやしない。

忘れたいことが多い、多過ぎる。少なくとも、この暑さだけでも忘れさせてもらえないだろうか。

《朝顔の 襟足乱る ユラユラと》





今日の一枚:6時半過ぎ、ベランダにて。

報告

2013-07-22 08:25:30 | 徒然に想う
遊水池にいたカルガモ、以前9羽の雛と書いた。それが10羽だったのは書いたろか。ここ最近、川を遡っていて、ずっと見かけなかったが、戻ってきた。ずいぶん大きくなって、羽根の色合いはすっかり成鳥とかわらない。幾分体が小さいくらいだ。では、何羽か。数えて見れば、7羽。やはり、10羽全ては帰って来れなかった。

蝉が日に日に多くなる。今朝は二匹(目視した)、増えたのが確かめられた。写真はアブラゼミ、だいぶ乾き色もはっきり。殻からも離れていて、飛ぶのもあと数時間だろう。ロープが見えるが、7から8ミリの太さ。頭の先から羽根の先端まで4から5センチというところだ。もう一匹は殻から体が抜けきっていない。よく見ればまだ自分の力でぶるさがってもない。羽根なんか、ヒスイ色のしわくちゃ。まだまだ、脱皮の初期。きちんと飛べるまでいけばいい。




今日の一枚:カワセミの川岸、雑木林の中。4時50分頃。
 
 
 
で、二匹目。

散歩道

2013-07-19 19:24:16 | 徒然に想う

土の中が騒がしくなってきた。蝉の抜け殻が目につきだす。

雑木林が騒がしい。カブトムシやカナブンが羽音を立てる。

カラスたちは静かに。以前のように近づいても大声で威嚇することはない。公園なんかじゃ、近づき過ぎて、お互いにハッと静かに見つめあったり、なんてことも…。

遊水池を入り口から見下ろせば、薄い靄の蓋。ゆっくり木道へと下ると、足下からひんやり。そこは確実に秋めいてて別世界。虫たちが歌い、蜘蛛の巣や草の葉にはスワロフスキーが輝く。あぁ、全く別の泡沫な世界…。


《涼しさに 外寝の続きか 夢うつつ》





今日の一枚:カワセミの川の土手、5時過ぎ。黄色の時間。青の、赤の時間に続く時間。

追加、その1:
アブラゼミ?の抜け殻。ぶら下がっているロープは直径7、8ミリ。

追加、その2:
これはヒグラシ? ロープは、その1と同じ太さ。


朝の思い

2013-07-18 18:43:36 | 徒然に想う
散歩道に飛び出せば、南から心地よい風。

大暑にも至ってないのに、秋めいてきたなどといったら怒られる。ただ、このところの涼しさは一気に夏を通り越してしまったような気になる。いや、それまでが暑すぎた、と言うべきか。

ぉお、鳴き始めたな。



《風の間に 初ヒグラシぞ 烏兎匆々》





今日の一枚:ネコジャラシはまだ青々している。神社を出て間もなく、5時20分頃。

キャッチ アンド リリース

2013-07-16 19:21:54 | 徒然に想う
なにやらガサゴソ音がする。通り抜ければ、すぐ音はなくな…。な、なくならない。気になり、ちょっと戻り、その音のする枯れかかった枝をよく見る。カブトムシ! この夏、初の雄姿。

散歩師さんのどなたかにあったら、お孫さんか近くの子ども達に渡してもらおう。手を伸ばせば、必死に指先にしがみついたと思いきや、指、手の甲、指先、手のひらへともぞもぞ。そう言えば、去年はそんな機会なかった。久しぶりの感触。

散歩コースが定まって五年近く、圧倒的にクワガタよりカブトムシを見つける。その一方、車で3、40分走ったところにある実家付近ではクワガタだった。栗林に入って幹を蹴飛ばしては、落ちてきたクワガタを捕まえてた。持ち方をいい加減にしてると、バチッとやられる。足の爪の比じゃない。

こそばゆい。痛がゆい。落ち着けよと言ったところで、始まらない。やたらに動き回る。わかった、わかった。お帰り、やっぱり人間の肌は居心地悪いよな。指先を木につけると、様子を探る素振りも見せず、サッサと乗り移りサッサと高みに消えてった。手に腕に痛がゆさだけ残して。

《痛がゆき カブトの爪の 寂しけり》



今日の一枚:遊水池の手前の公園内、カワセミの川の雑木林にて、4時45分頃。
ちょっと暗いが、もう一枚。