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Eテレ売却論は消費者にとって得か損か?

2020-12-18 07:13:00 | スマホ

 NHKの受信料が高いので安くするためには、視聴率の低いEテレの周波数帯域がプラチナバンドといって携帯電話に適した700MHZに近いので、これをオークションにかけて、その帯域を携帯電話用や税務署の確定申告用などの通信領域に振り分ける。そして、Eテレの放送の代替えはオンデマンドなどの方法でインターネット配信すれば経費節減になって受信料が下がるのではないか?という趣旨の提言が、某内閣官房参与の方によってNHK改革案として提言されたという報道がなされている。これについての私見を以下に述べたい。

Eテレの番組を従来通り踏襲してネット配信するならば却って高くつく

 この提言は、結論から言って、荷物=Eテレの番組をそのままにして、トラック=放送電波をインターネットに変えるという趣旨のようですが、結局のところ経費節減や受信料値下げには直接結びつかないでしょう。つまり番組製作費が従来通りにかかるので、売却時だけは収入が増えても、いずれは経費が累積して元の木阿弥で、値下げは出来ないのではないかと思われます。それに、オンデマンド放送の受信には、固定回線か使い放題のモバイル回線を別途契約する必要があり、これはNHKの受信料金以上に毎月の通信料金がかかります。なので、某氏の提言を生かすとすれば、Eテレの番組や時間を大幅に削減する以外に受信料値下げの方法が無いことになります。しかし、これでは子育て世代にとって幼児番組が無くなるので困るし、義務教育の教科番組も大幅に削減されるとなると、公共放送の観点から学校現場からの反発が予想されます。

Eテレを停波してその電波領域を売却すると云っても各都道府県で周波数はバラバラですが・・・

 また、他方でEテレの電波領域を売却して有効利用するメリットがあるのかというと、そうでもないでしょう。Eテレが占有している周波数帯域は都道府県によってバラバラです。たとえば大阪では2チャンネルですが、他府県では違います。なので、通信で使いやすいかどうかは各都道府県でかなりの差が出ます。一概にプラチナバンドと云っても700MHZ付近ではよくつながって切れないが、400MHZ付近では周波数が低すぎて切れやすいのじゃないかと考えられます。素人になぜそんな事が言えるのかというと、実際、自分は楽天モバイルを契約していますが、反対に1.7GHZと周波数が高過ぎてつながりにくいからです。つながりやすいプラチナバンドの700MHZから300MHZも低い周波数=400MHZ付近の帯域を買い取る携帯電話会社なんてあるのかどうか?あったとしても、誰が好んで契約するのかな?と思います。

 使い勝手の悪い低周波帯域の売却のお話は、建前や理屈としてはありえても、実際に売れなければ、最終的には政府やその外郭団体が買い取ることになるでしょうが、結局、そうなると税金で賄うわけです。某氏の説明では確定申告などに使うと云いますが、これは専用のURLを開設したらいいだけの話で、Eテレ売却で空いた周波数帯域の有効活用の話とは別問題で無関係です。

結 論

 実現可能な方法としては、Eテレのバラバラな周波数帯域を停波して下の周波数へ詰めるような大々的な地デジ再編を行い、携帯電話に最適な700MHz以上の周波数帯域を空けて確保することです。再編後は、各家庭でチャンネル設定を全部やり直せば、出来ない事もないでしょう。ただし、実際は、全国規模ですからそう簡単には出来なくて、再編に伴うトラブル対策やコスト、手間は膨大にならざるを得ないでしょう。具体には、ケーブルテレビ会社がパススルーじゃなくて地デジの周波数変換をして各家庭でSTBで元の周波数に戻している場合も結構ありますから、その費用と手間はどうなるのか?とか、確保した700MHZ付近の携帯電話の電波と放送電波は干渉しないか?といった新たな電波障害の解決には、相当な時間と費用がかかるものと予想されます。

 いずれにしても、国が大幅に介入してテレビ電波の再編成を断行しないと、実用的なプラチナバンドの有効利用はできません。ですから、現時点では、Eテレだけをあれこれといじくりまわしても、消費者にとって何の利益にもならないと考えます。

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