ひとりで湯舟につかっていると、外の脱衣所で気配がある。
女とは、洗面台の前でなにかしらと無駄な作業をやりたがるもんなんである。
ちょうどよい、と思い、風呂場から声をかける。
「おい、石鹸がないぞ」
「はっ。申し訳ございません」
よめはんが、シンクの下の棚をがさごそと探しだす。
「用意いたしました。失礼します」
風呂場に入ってきて、石鹸受けにセットする。
「ちょっと待て。ちゃんとオレ好みのやつだろうな」
「はっ。もちろん、三個ナンボの牛乳石鹸的な安もんでございます」
「タオルも用意せよ」
「御意」
「わかっておろうな」
「はっ。もちろん、ごわごわパッサパサのやつでございます」
「下がってよろしい」
よめはんはむやみにラグジュアリーな石鹸やタオルを買ってくるのだが、サムライの肌には合わないんであった。
やはりわたしには、昭和的なものが似合う。
東京都練馬区・陶芸教室/森魚工房 in 大泉学園
女とは、洗面台の前でなにかしらと無駄な作業をやりたがるもんなんである。
ちょうどよい、と思い、風呂場から声をかける。
「おい、石鹸がないぞ」
「はっ。申し訳ございません」
よめはんが、シンクの下の棚をがさごそと探しだす。
「用意いたしました。失礼します」
風呂場に入ってきて、石鹸受けにセットする。
「ちょっと待て。ちゃんとオレ好みのやつだろうな」
「はっ。もちろん、三個ナンボの牛乳石鹸的な安もんでございます」
「タオルも用意せよ」
「御意」
「わかっておろうな」
「はっ。もちろん、ごわごわパッサパサのやつでございます」
「下がってよろしい」
よめはんはむやみにラグジュアリーな石鹸やタオルを買ってくるのだが、サムライの肌には合わないんであった。
やはりわたしには、昭和的なものが似合う。
東京都練馬区・陶芸教室/森魚工房 in 大泉学園