裏日記「B面」

工房しはんが日々、ふと感じたり、しみじみとふけったり、ぴんとひらめいたり、つくづくと考えたりしてること。

めぐり会い、空の下

2012年07月16日 09時40分42秒 | Weblog
吉祥寺の井の頭公園・アートマーケッツに出店した。
野天市は、いろんなお客さんとの出会いがあって面白い。
昨日は、こんなことがあった。
のちに聞くと「横浜から、緑が見たくて井の頭公園まできてみました」という20代の女の子。
その子が、通りすがりにじっとこちらを見てるわけ。
そのうちに意を決したように、「あのう、その本・・・」と、ブースの脇にチョコンと立てかけられた自著「ろくろのツボ」を指差す。
そのときおそらく彼女は、拙著と、わが輩のモヒカン頭を、交互にためつすがめつしてたのであろうか。
「ああ、ぼくが書いたの。ほら、アタマ、一緒でしょ」と言うと、仰天して、「それ、めちゃめちゃ熟読してます。それで電動ろくろも買ったんです。あなたのブログも、訓練校日記「陶芸みち」も読んでます。瀬戸の訓練校も受験しようと思ってるんです!」と言いだすではないの。
もう自分のアイドルを見つけた感じでドッキドキ興奮状態の彼女の姿にうれしくなって、しばし話し込んだ。
だけどサインもいらないらしいし、作品もいっこも買ってはくれなかった。
そういうやつはべつに必要ないらしい。
そうして彼女は、スキップを踏みながら横浜方面へ消えてった。
ちゃんちゃん。

もういっこ、今度はクソムカつく話を。
隣の隣のブースに、ミニスカートの女の子がポストカードのお店を出してたの。
だけど風が強い日で、突風が吹くたびにカードが飛んでったり、ボードが倒れたりして、難儀してたのだ。
それを直すためにしゃがみ込むと、スカートの裾が危うい感じになるのだな。
が、ふと、そのブースの真後ろのベンチを見ると、そんな彼女に向けて一心に携帯を向けてる男がいるわけ。
30代の下ぶくれの小太りの、見るからに風采の上がらないオタクっぽい男。
もうそれはどう見たって「カメラ小僧」なんで、常にトラブルを求めてるこの心に火がつく。
この野郎、シッポをつかんでやれ、と思って背後に回り、確認しようと試みたよ。
だけどその数分はちょうど具合の悪いタイミングだった(つまり風が吹かなかった)ので、獲物を諦めたのか、男はチャリで去ってっちゃった。
ちー、取り逃がしたり、と思ってると、なんとこのマヌケ野郎、数分後に再びノコノコと現れたではないの。
しかも、ミニスカ女子の店の真正面に。
野郎、ポストカードを見てんのか女子のナマ足を見てんのか、あまりに気持ちわりーんで、声をかけてみる。
「あのさあ」と、スゴミを効かせた声色で。
「はい?」男、ドキッとして振り向く。
「あんた、撮影してないよね?」こわい声。
「えっ、してませんよ」と間髪入れずの回答。
おい、それはないわ、この会話は。
いつ、とも、どこで、とも、何を、とも言ってないんだよ、オレ。
白状したようなもんじゃんね。
めちゃめちゃにらみつづけてやったら、汗だらだらかきながら、足ぷるぷるさせながら、それでも知らんふりしてポストカードをそそくさと選び、さっさと金を置いて遁走してった。
くそ、ぶっ飛ばしてやりゃよかったな。

という一日でありました。
冒険してまーす。

東京都練馬区・陶芸教室/森魚工房 in 大泉学園