MOONIE'S TEA ROOM

大好きな読書や言葉、料理のコトなど。

「燃費が倍」反対の意味もある?!

2016年08月29日 | 一考察
 「燃費が倍に」と聞いたら、皆さんどちらの意味に取りますか?
 「燃費が良くなった」or「燃費が悪くなった」。
 ちょっと気になって調べてみました。

燃費 (1) 機械がある仕事をするのに必要な燃料の量
    「燃料消費率」の略。原動機の単位時間、単位出力当りの燃料消費量。
     ふつう1時間、1馬力あたりのグラム数で表す。単位は「g/PS・h」や「g/kW・h」。
   (2) 自動車における一定の燃料あたりの走行距離
     日本では、「km/L」=「1リットルの燃料で何キロメートル走れるか」を示す「燃料消費率」。
   (3) あることに使用する燃料の費用。燃料費。 
    <使用例>「燃費がかさむ」

(2)の意味だと、「燃費が倍に」は「1リットル当りの走行距離が倍に=燃費が良くなった」
(1)(3)の意味だと、「燃費が倍に」は「燃料の量が倍に・燃料費が倍に=燃費が悪くなった」
 両方の意味に取れるわけです。一つの単語で、意味が矛盾してますよね。

 もともとは(1)の意味で使っていた単語を、自動車が一般的になって(2)の意味・使い方が主流になったからこその矛盾でしょうか。
 
 わが家にある辞書6冊を調べたところ、(1)と(2)の意味での「燃料消費率」を載せている辞書が多かったです。
( (3)の意味を載せていたのは『大辞泉』のみ)
 「燃料の量」と「走行距離」では文章の意味合いが大きく変わってしまう可能性があるにもかかわらず、(1)と(2)の意味は分けられずまとめて書かれている辞書が多く、機械音痴の私としては混乱してしまいました。
 車のニュースで「燃費が倍に」と言ったら「燃費が良くなった」ってことなんでしょうけれど、なんだか不親切な気もします。

 私の場合、(3)の意味でとらえることが多かったのですけれど、普段の生活で「低燃費」という言葉の意味を「燃料費が低い・燃料費を低く安くおさえられる」だと思って使っているからなんじゃないかと思います。
( 本来は(1)の意味で「燃料の量が節約できる」という意味かもしれません。「低燃費車」は(1)でも(3)でも矛盾しないですよね)

 「燃費が良くなった」という言葉の意味も、(1)(2)(3)それぞれで少しずつ意味合いが変わります。
(1)燃料の量が少なくて済むようになった
(2)走行距離が長くなった
(3)燃料費が安く済むようになった
 (1)(2)は「(性能の向上で)燃料消費の効率がよくなった」ということですし、(3)は「(性能の向上で)経済的メリットが増えた」ということになるでしょうか。 (1)と(2)の意味の違いもまるごと受け止めてしまう「良い」って便利な言葉ですねぇ。

 今日テレビで見たニュースは「燃費を倍に 新しい仕組みのエンジン 燃焼実験に成功」というニュース。
 少しの燃料でたくさん走れる環境に優しい車が、早く実現するといいですね。


<追記>
 和英の辞書で「燃費」を調べてみたら、(3)の意味で「fuel expenses(燃料代・燃料費)」が一番に載っていました。
 (1)の意味だったら、「fuel consumption(燃料消費)」
 (2)の意味だったら、「fuel economy(燃費節約)」や「fuel-efficiency(燃費効率の良さ)」になるでしょうか。

 例文で、「この車は燃費が良い = This car gets good mileage.」とありました。
 カタカナ語でいうところの「マイレージ」、英語の「mileage(milage)」は「1ガロン(1リッター)の石油で走れるマイル数」を表すんだそうです。これも (2)の意味の「燃費」ですね。
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