行雲流水

仏教をテーマとした記事を掲載しています。

正法眼蔵

2010年03月26日 | 禅の心
京都府伊根町

道元禅師が、正法眼蔵を端的に歌いあげています。

波も引き 風もつなかぬ 棄てをふね 月こそ 夜波の さかりなりけれ

静かな海岸に捨てられた小舟にただ月光で満ちている。

小舟は、何ものにもとらわれず、惑わされずただ、海面に浮いていますが、月光という真理で満たされているのです。

正しい仏法は、正しい智恵の眼で見、全ての真理で満たされています。

澤木興道老師は、正法眼蔵を一切の経の内容を一言で言ったものだとも定義しておられます。

私たちは、好むと好まざるにかかわらず、日常生活において物事を歪めて見てしまう癖をつけてしまっています。

それは、自分の都合という、波や風によって歪められるのです。

ですから、時によっては人殺しが戦争という形で正当化されたりもするのです。

誤解が生じやすいのですが、戦争が良いものとか悪いものとかということを越えると、絶対にあってはならないものだという真理が浮かび上がってくるような気がします。(観念的なことで難しいのですが・・・・・・)

この世は、善悪、正邪、美醜などを越えた真理の月光で満たされているのです。