行雲流水

仏教をテーマとした記事を掲載しています。

平成7年

2010年03月05日 | 禅の心
今の日本の社会が大きく変わったのは、平成5年(1993年)~7年(1995年)にかけてかなと思います。

平成5年には、55年体制が崩壊して細川内閣が誕生しました。

昨年も政権交代の年でしたが、平成5年の場合、自民党と社会党による55年体制が崩壊したことが大きなポイントです。

そして、翌年の平成6年には、松本サリン事件が、

さらに平成7年には、阪神淡路大震災が起こり、地下鉄サリン事件が発生しています。

オウム真理教の一連の事件は、人々の心に大きな影響を与えました。

「宗教は恐い、宗教は悪だ」という考え方が一部で強くなりました。

日本人は、お天道様にいつも見られている。

お地蔵様にいつも見られている。

悪いことをすれば閻魔様に舌を抜かれる。

といったようなことを背景にした倫理観がありました。

もちろん、合理的なことがらではないのですが、それらが日本人の倫理観を支えてきたのは確かです。

しかし、オウムの事件の前後から、合理的でないことは悪だとする風潮が出てきました。

物理学による超常現象の解明ブームが平成4年(1990年)頃から出てきました。

ニーチェの言うニヒリズム的な世の中になってきました。

非合理的な事の中に見いだす倫理観が崩壊して、日本人は傲慢になってきました。

自分さえよければ、結果さえよければ何をしてもいいという風潮です。

また、他人を平気で傷つけ、他人に厳しく、自分に甘い人が多くなってきました。

お天道様、お地蔵様、閻魔様などの存在がなくなり、

ある意味、恐いものなしになってきたのです。

そのはじまりが、平成7年だったと思うのですが。

かつて持っていた、日本人の優しさや、寛容さを取り戻せないものかと思います。

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