しろみ茂平の話

郷土史を中心にした雑記

フラフープ

2023年09月28日 | 失われた仕事

フラフープというものが東京や大阪では子どもに大人気、というのは知っていたが
見たことも、したこともなかった。

やがて体に悪い(胃腸を圧迫する)という噂が流れ、
東京や大阪ではすたれてきた、という頃

茂平のような田舎でもフラフープを見ることができた。
(たぶん生産過剰の売れ残りや、投げ売り品が地方に回ってきたのだろう)
フラフープは男子よりも女子に人気があったようだ。
二三度、借りてぐるぐる回してみたが、
男の子にとっては、そう面白いおもちゃではなかった。

茂平で見る頃には既に、
身体に悪いのは噂でなく事実であることが日本中に知れわたっていて、
子どものフラフープ遊びは短い期間で消えて行った。

 

 

・・・

「失われゆく娯楽の図鑑」  藤木TDC グラフィック社 2022年発行


フラフープ

アメリカでの大ヒットを受け、日本に上陸。
美容や健康への効果もうたわれ、
子どもから大人まで人気を集め
一か月で110万本を売り上げた。

だが、フラフープのやりすぎから、
もともと病弱だった子供の胃に穴が開いたり、
内臓疾患で倒れる子が相次ぎ、
輪のつなぎ目が外れて目を突く事故や、
路上でのフラフープが原因とする交通事故も起きるなど、
急激に社会問題化、
千葉県の小学校が禁止令を出すと、全国の小学校も禁止措置をとった。

その後、
ロックコンサートでのパフォーマンスや大道芸、
サーカスの出し物、
フラフープ競技会、
ダイエット用品など、さまざまなジャンルで取り入れられている。

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ダフ屋

2023年09月28日 | 失われた仕事

広島市民球場が原爆ドームの向かい側、基町にある頃
広島カープの試合を年に1~2度見に行っていた。

球場に入ろうとすると、見知らぬ男性から声がかかる。
その男はぼそぼそ話すので、
自分に言っているのか?それとも他の人へなのか?
聞いてほしいような、聞かれては困るような話し方なので、
何をいいたいのか?何を言っているのか?意味不明。
目立たぬ、地味な服装で、灯りが一番届かぬ場所に立っていて、
まさに”裏”という言葉が似合う男だった。

そういう男が試合が始まる前、試合が始まってからも立っていた。
「あれはダフ屋だよ」と同僚が言った。
ダフ屋のことは知っていたので、
あああれか、と男の仕事はすぐに理解できた。

それからは、
市民球場のダフ屋は、その場所へあたりまえにいる者、として普通に素通りするようにした。

 

・・・

 

「失われゆく仕事の図鑑」  永井良和他 グラフィック社 2020年発行


ダフ屋

「チケットあるよ、あるよ。」
1980年代の大阪球場周辺でよくダフ屋を見かけた。

開門2時間前に到着する客には「兄ちゃん、券余ってないか」
そう、そう仕入れの時間帯なのだ。
ゲーム開始直前、開始後に来場する客に、格安で売る。

 

堅気でない方々の影がちらつき、警察も監視を強めた。
ダフ屋は物陰に隠れた。

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