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股関節痛は怖くない!~変形性股関節症の新しい考え方

変形性股関節症の常識には間違いが多く、怖さを抱えている人が多い。
常識の間違いを理解して人生を楽しみましょう!

手術療法 手術の時期

2019-12-19 15:20:50 | 股関節の基礎

🍓今まで説明した股関節痛に対する対策として手術療法は含んでいませんでしたが、最後に手術療法にも触れておきます。

 

私は手術をすることには反対ではありません。

しかし、レントゲンだけの診断で軟部組織に対する治療がなされないまま手術に踏み切ることには大反対です。

軟部組織、特に筋肉への治療のみで手術を避けられた方々と多くお会いしてきたていますので、まずは筋肉を正常化してみることにトライするべきだと考えています。

それでも、満足がいかない時には手術を受ければいいと思います。

股関節痛の程度には個人差が大きく、自分の我慢の限界を超える股関節痛を感じる方もいます。

そのような方は、手術の適応と考えますが、自分の我慢の限界を迎える前に股関節痛が改善に向かう方も意外と多いのです。

 

 

『手術の時期は患者さん自身が決めるもの。』という考え方が一般的です。

しかし、そう言いながら整形外科の先生が手術を勧めることが多いように感じます。

 

私は手術療法の利点も理解していますので、実際に私の担当する患者さんの25%は何らかの手術療法を受けています。

しかし、私は『手術した方がいいですよ。』と話すことはありません。

 

皆さんの中で、手術療法を受けようかどうか悩んでいる方も多いと思います。

多くの方は、股関節痛が強く出ていると『手術療法を受けようかな』と考え、股関節痛が治まると『やっぱりやめた。』と考え心が揺れています。

 

私は、『手術を受ける時期を逃して手術が困難になる』ことはないと考えていますし、私が名医と思う先生もそのように患者に説明しています。

経験が豊富で腕に自信のある整形外科医は『手術を受ける時期を逃して手術が困難になる』という言葉は使わないと私は考えています。

 

手術を受ける時期は、皆さんが『手術をしたい』と思うときだけです。

 

「先生、私手術をしようと思います。」

私は担当患者からこう言われた瞬間から手術に向かう考え方を話し、患者の満足のいく手術が受けられるよう病院や先生を紹介し、手術前後の経過を良くするための深圧を行います。

 

 

 

 

 

 

 

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雑誌やテレビ等の情報を冷静に分析してみる

2019-12-12 22:58:00 | 股関節の基礎

🍓雑誌やテレビ等の『股関節に良い運動』といった情報が取り上げられると、その翌日などに股関節を痛くして通院される方が多いです。


私はテレビに出ることはありませんが、雑誌に寄稿するときはそのことに配慮して股関節に痛みが出るような運動は載せないことにしています。

運動をしないと不安という方には、実に物足りない記事になりますね。

かといって、雑誌やテレビ等の情報が嘘ばっかりなのかというと、そうでもありません。

その雑誌やテレビ等の情報が、誰を対象に情報を流しているのかということを冷静に分析してください。


特に、変形性股関節症という言葉が出ていなければ、股関節自体には問題のない方々を対象にしていると考えた方が安全です。

ただ、まだまだ変形性股関節症に筋トレを指導する専門の先生がいますので、私は注意が必要だと感じています。

私なりの雑誌やテレビ等からの情報の見分け方を書きましょう。

筋トレならやらない、ストレッチなら検討しても良い、道具を使ったほぐしの話なら行っても良い。

個人差が大きな患者さんに、筋トレを指導することは非常に難しいです。

個人差が大きな患者さんに、一般的な関節を動かしたストレッチも指導することは非常に難しいです。

とりあえずやってみて、だめなら止めればよいと考える方もいるかもしれませんが、状態が悪い時には筋肉がつって歩けなくなり、なかなか改善しないこともあるのです。


どうか、情報の選択に注意して、安全に過ごしてください。


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良肢位を意識してみる

2019-12-07 20:08:15 | 股関節の基礎

🍓全ての関節には楽な角度があります。

少し曲がった角度です。

膝関節や、股関節が悪い時、なている時にはこの少し曲がった角度を意識してみてはいかがでしょうか?

この意識だけで股関節痛が改善する方もいます。

少し曲がった角度を良肢位(りょうしい)と言います。

 

例えば、骨折などをしてギプス固定するときにも良肢位での固定を意識します。

そうすると、ギプスを外した後の治りが速いのです。

 

じゃぁ、実際どうするのか?

 

特に夜寝る時に膝の下に枕を入れて膝関節と股関節を軽く曲げてあげるのです。

そうすることで、朝起きた時の股関節の状態が楽になることがあります。

そして、股関節痛が徐々に楽になる方もいます。

 

専用の膝下に入れる半円まくらもありますが、股関節が軽く曲がるのであれば座布団を丸めるのも良いでしょう。

 半円まくら(特大)

 

良肢位、なかなか耳にしない言葉ですが、良肢位を意識してみるのも価値があると思います。

 

 

 

 

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温めてみる

2019-12-05 08:22:48 | 股関節の基礎

🍓股関節痛に対しては温めるのが良いのか?冷やすのが良いのか?

 

答えは単純で、温めてみることが重要です。

 

一般的に非常に強い炎症に対しては、冷やすこともありますが、股関節の様に非常に深い部部になる股関節に限局した炎症に対しては冷やすよりも温めた方が良いでしょう。

筋肉の病気に対しては温める方が効果的です。

 

温めることは、血流を良くして治癒力をあげることになります。

 

使い捨てカイロを使うと簡単に血流を改善することができます。

使い捨てカイロを使ってみるとわかりますが、カイロをあてた部位だけでなく全身的に温まる感じがあるものです。

 

まずは、痛みを感じる部位を温めてみましょう。

そして、反応を見ます。

股関節痛が悪化する感じがある時だけはやめても良いと思いますが、基本的に治癒力を向上させますので、温めることを続けても支障はないと考えます。

 

夏は、皮膚の状態を確認する必要が高くなるでしょうが、できれば冷房からの冷え予防のためにも夏でも温めて方が良いでしょう。


痛みが出ている場所を温めても、効果を感じないときは、股の内側に貼ったり、ももの裏側に貼ったり腰骨の裏側に貼ったりと場所を変えてみて、効果を感じる場所が無いか試してみるのが良いと思います。

これは、筋肉の病気、筋筋膜症候群の特徴である関連痛を考慮した方法になります。


私達が行っている深圧も、目的は血流改善です。


是非、治癒力改善の目的で温めてみて下さい。

もちろん、お風呂や温泉で温まることも良いことです。



 

 

 

 

 

 

 

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炎症を抑えてみる

2019-11-30 17:58:48 | 股関節の基礎

🍓股関節痛が出始めた頃の股関節痛は炎症が原因のことが考えられます。

股関節痛がピークに達するまでの期間です。

この時期には炎症を抑えることも試して良いと考えています。

 

2015年、私はステロイド薬の他に天然の食材で炎症を抑える方法が無いかと調べていて、アガロオリゴ糖の研究を知りました。

寒天を材料にしたアガロオリゴ糖には、炎症を抑える作用があることが分かったのです。

さっそく、研究元のタカラバイオ株式会社に連絡を取りスタッフにお会いして、アガロオリゴ糖に関する研究結果を学びました。

 

まずは、軟骨破壊のメカニズムを学びました。

軟骨は体重をかけた時の摩擦のみで擦り減るのではありません。

軟骨はⅡ型コラーゲンと水分を含むコンドロイチン硫酸やヒアルロン酸という成分で構成されています。

股関節関節包内に炎症が起こり関節炎になると痛みの原因物質や炎症成分、軟骨成分分解酵素などが過剰に産生され、この物質によって軟骨細胞の数が減ってしまうことがわかりました。

 

 

アガロオリゴ糖には、この関節炎に対する抑制作用があることが分かったのです。

下の3つの図は、培養細胞を用いてアガロオリゴ糖の関節炎抑制作用の仕組み『痛み』『炎症』『軟骨破壊』について調べた結果です。

1、痛み

 PGE2は痛み成分

痛みの成分は約20%減少しました。

 

2、炎症

 KL-1βは炎症成分

炎症成分は約95%減少しました

 

3、軟骨破壊

MMP‐1は軟骨成分分解酵素

軟骨成分分解酵素が約80%減少しました。

 

 

更に、動物実験では関節炎の予防にも効果があることがわかりました。


 

 

また、関節炎モデルマウスにアガロオリゴ糖にグルコサミンを加えることで関節炎抑制効果が強められることがわかりました。





アガロオリゴ糖にグルコサミンが含まれるサプリメントには、関節炎を予防、改善する可能性がありますので、試してみる価値は有ると考えています。

 

 

※本には商品名は書きませんが、かつて私が紹介した商品はこちらです➡シオノギヘルスケア

 

 

 

 

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股関節痛に対する対策  

2019-11-26 13:04:36 | 股関節の基礎

🍓皆さんには個人差が大きいので、股関節痛に対する対策はひとり一人異なることを前提として、誰にも共通する安全な対策について考えてみます。


皆さんの股関節痛に対して行える、誰にも共通する安全な対策は以下になります。


対策1、変形性股関節症の新しい考え方の理解する。

対策2、自分の経過を知る

  私は今どの段階にいるのだろうか?

対策3、筋トレをやめてみる

対策4、筋肉をほぐして脚に体重をかける

対策5、炎症を抑えてみる

対策6、温めてみる

対策7、良肢位を意識してみる

対策8、雑誌やテレビ等の情報を冷静に分析してみる


以上のうち、対策1~4までは繰り返し説明してきましたので、次の記事からは対策5~対策8について説明します。


私達が行っている深圧は対策4に該当します。

歩き方も含めて深圧については後の章で説明します。


 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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重力とバランス反応

2019-11-19 09:54:53 | 股関節の基礎

🍓皆さんには地球上に重力があること、そして、その重力に対して無意識にバランスをとっているという真実を少しでもいいのでご理解いただきたいと思います。

 

皆さんが力を抜いたリラックスした状態で立っているのを想像してみて下さい。

この状態で、脚の筋力を完全に抜いたらどうなると思いますか?

おそらくへなへなと地面に倒れてしまうでしょう。

皆さんは筋力をほとんど使っていないと感じているかもしれませんが、重力のある地球上では普通に立っているだけでも無意識に全身の筋力を使って身体を支えているのです。

 

 

次に、マネキンが立っているのを想像してみて下さい。

マネキンは、ほんの少しの力を加えるだけで、身体が真っすぐのまま倒れてしまいます。

ところが、皆さんが立っていても、ちょっとした外力ではそう簡単に倒れるものではありません。

皆さんの身体は、もっと強い外力でもそう簡単に倒れないようにできているのです。

これは、皆さんの身体には無意識に脳脊髄が働いてバランスを保つというバランス反応が備わっているからです。

皆さんは普通の生活の中で筋力をほとんど使っていないと感じているかもしれませんが、どのような時でもバランス反応によって結構筋力を使ってバランスを保っているのです。

 

 

筋肉を使わないと筋力は低下します。

これは使わないことによる筋力低下で、一般的には廃用性筋力低下(はいようせいきんりょくていか)と呼ばれていますが、これは主に寝たきり状態のことを意味します。

トイレも寝たきり、食事も寝たきり、もちろん、他の時間も寝たきり。

この状態では、重力に対して抵抗していないので使わない筋力低下として筋力は低下します。

『何もしないから筋力が落ちる』とは、このような寝たきり状態を指す言葉です。

 

しかし、トイレまで移動できて、食事も椅子に座って食べることができて、少しでも外に出ることができる場合、どれだけ重力に抵抗して身体を支えどれだけバランス反応を発揮してバランスを保っていることでしょう。

この重力に抵抗して身体を支えバランスを保つことは、皆さんが共に無意識に行っていることですので『筋力を使っている』という意識はないと思いますが結構筋力は使われているのです。

 

意識的に運動することだけが筋力を使うことではありません。

毎日、重力に抵抗して筋肉を多く使って普通の生活をしていることにもっと自信を持ってください!

 

 

 

 

  

 

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筋力低下は当たり前

2019-11-15 09:31:26 | 股関節の基礎

先日和歌山県の熊野に行ってきました。

熊野は『よみがえりの地』です。

新しい人生への出発の地。

人生の区切りや人生に区切りをつけたいときに訪れてはどうでしょう。

いま、何となくですが無意識に自分の変化を感じる時があります。



🍓多くの方の股関節痛は下の様な放物線状の経過を示します。

股関節痛がピークに向かいう時期は、使えないことによる筋力低下が起こります。

筋肉を使いたくても、無意識に脚をかばうので筋肉が使えないのです。

もちろん、この時期には炎症を抑えようとすることは必要ですが、なかなか炎症は抑えきれません。

もともと、炎症とは自己治癒力であり、本来必要な過程だからです。


従って、股関節痛がある時期、特に股関節痛がピークに向かう時期は筋力低下があって当たり前と考えた方が気持ち的には楽になるでしょう。

この時期に、『筋力が落ちてしまう。』という不安に駆られることが非常に多くて非常に危険です。

そういう不安があると、『筋トレしなきゃ。』と自分を追い込もうとして、結果的に股関節痛は悪化するのです。

そして、まるで進行性の様に股関節痛はどんどん悪化します。


 

炎症が強い時期にも温めて、早く炎症がおさまるように血液循環を改善するべきだという考え方もあります。

この考え方は実に理にかなっていると思いますが、炎症がある時期は痛いものです。

炎症を抑えること、炎症を冷やすことは自己治癒力を妨げていることになりますが、現在の私にはまだ「炎症をどんどん温めましょう。」と言える程の経験が不足しています。

今後は炎症を温めるという考え方になっていくように感じているところです。


炎症がピークを過ぎると股関節痛も改善傾向を示し、自然と活動量が増えます。

その時まで失っていた筋力を取り戻す時期です。

そのの為にも、炎症が強い時期から可能な範囲で悪い方の脚に体重をかけることを意識して、最小限の筋力低下にとどめることを考えた方が良いでしょう。


筋力低下の原因は、脚をかばい過ぎることですからね。



 

 

 

 

  

 

 

 

 

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股関節痛と筋力トレーニング

2019-11-13 09:55:12 | 股関節の基礎

 

🍓股関節痛の原因を関節包の炎症と筋・筋膜症候群と考えるなら筋力トレーニング(以下筋トレ)はどちらにも行ってはいけない事になります。

 

一流のプロスポーツ選手は、痛みが出る前の筋肉が張った状態でも筋トレを避けます。

それは、筋肉が張った状態で筋トレを行うとケガをして身体を傷めてしまう可能性があるからです。

ましてや、身体に痛みがある状態で筋トレをすることはありません。

これは、痛みのある部位周辺の筋力トレーニングをするとケガに直結するからです。

 

もともと、股関節に対する多くの筋トレ法には股関節の運動を伴います。

股関節が正常で、股関節を動かす筋肉が正常な時に筋力トレーニングは有効になります。

筋肉につて考えると、筋肉に張りが有ったり、痛みがある時は筋トレは行いません。

つまり、筋肉が疲労している時や、筋肉が病気の時は筋トレは行わないということです。

言い換えると、筋トレは筋肉が正常な時に行う事なのです。


 

この考え方は、筋トレの基本中の基本的な考え方ですが、なぜか病院では変形性股関節症で股関節痛のある方の股関節痛を取ろうとして筋トレが指導されています。


皆さん、筋力低下は股関節痛の原因ではありません。

筋トレは股関節痛が無くなってから行いましょう。

 

 

 

  

 

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筋肉の病気は強い疲労と考える

2019-11-09 13:20:01 | 股関節の基礎

🍓正常な筋肉は使っていると疲労して重くなります。

重くなった筋肉をさらに使い続けると筋・筋膜症候群の様な状態になり痛みを感じ限界を迎えます。

 

握力計を使っての握力検査を例に考えてみましょう。

最初50kgあった握力は握力検査を何回も続けているうちに腕が重くなってきて握力は40kgとか30kgに低下してくるでしょう。

更に続けていると、筋肉に痛みを感じ、ついに握力は0kgになり筋肉の痛みを感じるでしょう。

この握力0kgというのは、筋力が低下したわけではありません。

筋肉の疲労が強すぎて痛みとなり筋力が出せなくなった状態です。

 

筋肉の状態には正常、疲労、病気の3段階があると考えるとわかりやすいと思います。

 

変形性股関節症による股関節痛は、初期の頃から炎症による痛みと炎症の影響を受けた筋肉の病気の痛みの2種類の痛みが混在します。

その割合は、初期には炎症の方が高く、炎症が落ち着いてくると筋肉の割合が大きくなります。

 

皆さんの股関節痛における筋・筋膜症候群による痛みは、筋肉の強い疲労がある状態だと考えると理解しやすいと思います。

 

筋疲労が強い時に筋力トレーニングは行わないと思いますし、その筋肉を温めて休めようとするでしょう。

その時には、疲労が取れることを優先し筋力が低下するということはあまり考えないことでしょう。

 

これが変形性股関節症による股関節痛とうまく付き合う考え方です。

 

 

 

  

 

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筋力低下の原因

2019-11-07 09:17:50 | 股関節の基礎

🍓変形性股関節症は、筋肉がどんどん低下する病気ではありません。

まずはこの真実は理解して頂きたいと思います。

 

皆さんの足が細くなり筋力が出なくなる原因は股関節痛があるからです。

 

股関節痛があれば、十分体重がかけられなくなります。

十分体重がかけられないこと(足をかばうこと)が筋力低下の一番の原因です。

筋力低下には使わない筋力低下使えない筋力低下があるのですが、股関節痛がある時期は使えない筋力低下が主と考えるとわかりやすいと思います。

 

従って、筋力低下の原因が股関節痛ですので、まずは股関節痛を改善させるような治療が必要になります。

股関節痛を改善させるような治療とは、足をかばうことではありません。

足をかばうことは、意識的に使わないことによる筋力低下を起こす行為です。

また、股関節痛を改善させるような治療とは、筋力トレーニングではありません。

筋力低下は股関節痛の原因ではないし、筋力トレーニングで股関節痛は悪化します。

股関節痛を改善させるような治療とは、股関節関節包の炎症を抑える治療、筋・筋膜症候群を改善する治療のことです。

股関節関節包の炎症を抑える治療は、医師にしかできない治療です。

投薬による治療も含まれますが、注射による治療も行えると思います。

手術の前に検討するべき治療だと思います。

整形外科よりも、痛みを専門とするペインクリニック(麻酔科)の先生の方が股関節痛を改善できる可能性は高いのではないかと考えています。

 

股関節痛を可能な限り改善させて、悪い方の脚に体重をかけること。

使えないことによる筋力低下は、使えるように治療すればいいのです。

これが筋力低下を予防し改善できる唯一の方法です。

 

 

 

  

 

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ひざ痛と腰痛

2019-11-06 12:09:56 | 股関節の基礎

🍓静かなる犯人でも触れましたが、筋・筋膜症候群には関連痛があります。

股関節周囲の筋肉が、その筋肉から離れた股関節周囲に痛みを出すことも関連痛のひとつです。

股関節周囲の筋肉がひざ痛や腰痛という形で現れることもあり、それも関連痛のひとつになります。


筋・筋膜症候群による関連痛について見てみましょう。

 

股関節周囲の筋肉の多くは、膝関節の下まで延びている筋肉が多いので、それだけでもひざ痛を起こすことにつながります。

更に、股関節周囲の筋肉からの関連痛として、お尻の横にある小殿筋は膝の外側(すねの外側まで)の痛みになることがあるし、お尻の奥にある梨状筋はももの裏から膝の痛みになることがあるし、鼠径部にある大腿筋膜張筋や腸腰筋はももの前の痛みになることがあります。

 

 

腰痛に関しても同様で、大腰筋はももの付け根から出て腰にくっ付きますので、それだけでも腰痛に関連します。

また、中殿筋の関連痛は腰痛と非常に関連性が高いです。

中殿筋の関連痛を見てみましょう。

 

この表からは、お尻の横にある中殿筋が筋・筋膜症候群になると、お尻の痛みだけでなく腰、腰の横、腰の下(尾てい骨)に関連痛を起こすことがわかります。



さらに、股関節痛の原因である股関節関節包からの関連痛も筋・筋膜症候群による関連痛と同様に股関節以外の場所に関連痛を起こすことがあります。


変形性股関節症になると、股関節以外の場所に痛みが広がることが多いのですが、それには股関節関節包の炎症や筋・筋膜症候群という筋肉の病気による関連痛が深く関係しているのです。

この関連痛が変形性股関節症の症状を複雑化し、治療を困難にしている原因のひとつです。


皆さんの中で、腰痛やひざ痛で悩んでいる方がいましたら、是非股関節周辺の筋肉をほぐしてみて頂きたいと思います。


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



筋肉がつる

2019-10-29 09:52:20 | 股関節の基礎
※この記事は以前公開しました。
しかし、項目的にここに記載するべき記事でしたので、ここに移転し公開しました。

🍓変形性股関節症になると、筋肉がつることが多くなります。
 
皆さんもふくらはぎの筋肉がつる『こむらがえり』を経験したことがあるでしょう。
このこむらがえりの様に筋肉がつることは足の指にも起こりますし、脚の脛(すね)の筋肉にも起こることが多いです。

 
 
筋肉が筋・筋膜症候群になると「足が冷たくなった。」とか「足がつりやすい」といった症状を訴える方が多いです。
これは筋・筋膜症の特徴である血液循環が悪くなることが原因と考えられます。
こむらがえりのように筋肉がつる原因の1つがこの血流障害です。
 
私達が深圧で筋肉をほぐした結果、脚が暖かくなります。
実際にサーモグラフ上で皮膚温の上昇を確認できた方もいました。
私達が行っている深圧の究極の目的は血流改善なのです。

 
 
ところで、こむらがえりの様に筋肉がつるという現象は、人体のどの筋肉にも起こりえることです。
 
変形性股関節症の場合、股関節の動きに関する22本の筋肉にこむらがえりの様な症状が起こっても不思議ではありません。
 
 
股関節周囲の筋肉がつると、こむらがえりと同様に突然激痛が出ます。
急に歩けなくなることがあるということです。
しかし、そのつった筋肉がお尻の奥深くにあった場合など、筋肉がつっている実感はありません。
 
 
このような時、皆さんの多くは「骨が潰れたのかもしれない。」と考えるようです。
そこで、病院に駆け込んでレントゲンを撮っても「骨は以前と変化ありません。骨に変化が無いので大丈夫です。」と言われることが多いと思います。

 
こむらがえりの時に足を床に着くと激痛のため歩けなくなるのと同様に、股関節周囲の筋肉がつっている時も激痛のため足を床につけることはできません。
つまり、自力では歩けなくなっているのに「骨に変化が無いので大丈夫です。」と説明されても納得できるものではないでしょう。
 
骨しか写らないレントゲン写真中心の診察法の大きな問題点です。

股関節痛の初めの出方は、このように筋肉がつることによる突然の激痛から始まることが多いので覚えておいてください。



足を床に着けられない!

2019-10-27 22:23:00 | 股関節の基礎

※この記事は以前公開しました。

しかし、項目的にここに記載するべき記事でしたので、ここに移転し公開しました。



🍓皆さんの中には、股関節痛の強さが日によって異なったり(日差変動)、一日の中でも股関節痛の強さが異なったり(日内変動)する方が多いと思います。


仮に、骨と骨が当たって股関節痛が出ると考えるのであれば、股関節痛に日差変動や日内変動があることへの説明ができなくなります。


例えば、朝の歩き出しに強い股関節痛があっても、動き出せば股関節痛が和らいでいくというケースの場合、歩き出し時も歩き出した後も骨と骨が当たるような同じ力が加わっているのだから股関節痛も一定でなければ説明がつかないわけです。

朝起きた時は骨と骨が当たって痛いけど、歩いているうちに骨と骨が当たっても痛くなくなるのですか?

それとも、歩いているうちに骨と骨が当たらなくなるのですか?

矛盾だらけです。


皆さんの多くは、足を床に着けなかった経験をお持ちの方は多いでしょう。

レントゲン写真だけを見せられる診察を受けた経験のある方は、レントゲン写真に写っていた骨と骨が当たって股関節痛が出ているイメージを持たれることでしょう。

しかし、股関節痛は常に一定ではないのです。

さらに、股関節の隙間である軟骨には痛みを感じる神経は無いし、骨にも痛みを感じる神経は非常に少ないです。

では、皆さんはなぜ床に足を着けることができない時があるのでしょうか?


人が足を床に着いた時、脚の筋肉群は一斉に収縮します。

これは皆さんが無意識に行っている反射です。


もちろん、この時股関節に関する22本の筋肉も一斉に収縮します。

股関節に関する22本の筋肉のうち1本でも強い筋・筋膜症候群になっていると、足を床に着いた途端その筋肉も反射的に強い収縮が起こります。


病気の筋肉が強く収縮する時に強い痛みが出るわけです。

しかし、歩き出して血流が改善した時には一時的に筋肉の痛みが和らぐことがあるのです。

そして、歩き疲れると、筋・筋膜症候群になった筋肉は持久力も低下しているので、筋肉の限界を迎え再び股関節痛が出ることがあるのです。

また、歩き疲れた時、少し休むと血流も改善され、再び歩けることがあるのです。


このような股関節痛の変動は、骨や軟骨では説明がつかないのですが、筋肉で考えると説明がつきます。


足を床に着いた時に痛むようなら、その原因筋と思われる筋肉をほぐして正常化すると改善することがあります。

もしも、股関節に炎症がある時は、その効果は長続きしないかもしれませんが、股関節の炎症が無い時は劇的な長期的効果を示すでしょう。


股関節関節包内に強い炎症がある時期は、『足を床に着けられない!』時期は長く続きます。

しかし、その炎症もいずれは改善するのです。




静かなる犯人

2019-10-25 19:41:00 | 股関節の基礎
※この記事は以前公開しました。
しかし、項目的にここに記載するべき記事でしたので、ここに移転し公開しました。

🍓この筋肉は非常にずるがしこい筋肉です。
それはももの内側に存在する内転筋群と呼ばれている筋肉群です。
詳しくは、恥骨筋、短内転筋、長内転筋、大内転筋、薄筋です。

この筋肉の厄介なところは、この筋肉が筋・筋膜症候群になり股関節痛の原因となっているのに、痛みはこの筋肉に出るのではなくこの筋肉から離れた場所に出ることが多いということです。
この筋肉はももの内側にあるのに、痛みはももの外側に出たりお尻に出たりももの付け根の鼠径部(そけいぶ)に出たりするのです。
その痛みの出方があまりにも想像を絶するので、なかなかこの股関節痛の犯人を見つけにくいです。
ももの内側に存在する内転筋群は非常にほぐしにくく、股関節痛の犯人だとわかりにくいのでなかなか内転筋群をほぐしてくれる先生も少ないのです。
内転筋群を『静かなる犯人』と呼んでいることには、筋・筋膜症候群の特徴である『関連痛』が関係します。
この関連痛は股関節の動きに関連する22本の筋肉全てに起こりえる症状なのですが、内転筋群からの関連痛が非常に解決しづらいのです。
筋・筋膜症候群の場合、関連痛という症状があるので、痛む場所が股関節痛の原因とは限らないという現象があることは覚えてほしいと思います。
私達のスタッフから深圧を受ける時、痛む場所ではない部位をしつこく深圧することもあるのですが、それは関連痛を考慮した深圧なのです。

内転筋群は、『椅子に座ってももの間にボールを挟んで両ももでそのボールを押しつぶす』という方法で筋トレできるでしょう。
しかし、股関節痛がある時は内転筋群が筋・筋膜症候群の時が多いかもしれないので、この筋トレを行うことは静かなる犯人を元気にさせてしまう可能性が高くなるということです。

変形性股関節症=筋トレという考え方には非常に高い危険性が潜んでいるのです。