イワン・アサノヴィッチの一日  畑と映画の好きな卒サラ男。

政官業癒着体質の某公共事業職場を定年退職。鞍馬天狗・鉄腕アトムの人類愛に未だに影響を受けっ放し。孫には目がない。(笑い)

”貧困”社長

2010-06-03 00:18:39 | 社会・経済

 リーマンショックから始まった金融不況は100年に1度の世界的な大不況を招来した。日本経済もデフレ不況となりその例外ではなかった。

そしてこの大不況は国民生活にも多大な被害をもたらしている。”小泉改革”という中途半端な経済政策は日本の社会に必要以上の格差を国民生活に持ち込んだ。

真面目に働いていても喰って行くのがやっとという、所謂ワーキングプアーを大量に生みだした。勤労者の3分の1が非正規の労働者だというから暗い気持ちになる。

イワン・アサノヴィッチは去年まで公務員として勤めていた。朝晩の電車や通勤経路ですれ違う勤め人の3人に1人が不安定な雇用を強いられている労働者だと思うと居たたまれない気持ちだった。

小泉構造改革に加えて”リーマン不況”であるから事態は深刻である。東京に流れ着いた野宿者の中にはトヨタ自動車を解雇された人が少なからず居ると言う。真面目に働いていても企業のリストラや病気などに拠って一挙に転落せざるを得ない”社会構造”になってしまったのである。

小泉改革は「格差はあって当然」と嘯(うそぶ)き、強く・悪賢い資本の側を支援した。そして野宿者にいかがわしいNPOが生活保護の手続きを取らせて、生活保護費をピンハネする”貧困ビジネス”が横行している。

「格差社会」は転落した労働者の骨までしゃぶるのである。「名ばかり店長」で悪名を馳せた、洋服のコナカや外食チエーン店に今度は日本海庄や(日本料理飲み屋チェーン店)が加わった。

朝日新聞(H22年5月25日付け、夕刊1面)によれば、4ヶ月平均100時間を超える時間外労働をさせて急死した男性社員(24歳)に対して、裁判では自己管理が悪いからとして企業責任を認めなかった。

しかし京都地裁は過労死と認め社長に賠償責任を判決した。こんな”貧困”社長が一流企業のトップに居ることが勤労者の困苦に輪を掛けている。

一流企業の社長さんはセレブでも構わないが、社会的責任が貧困では困る。