近年、TV放送局主催のチャリテイーマラソンが流行りである。
芸能人やタレント、女子アナなどをランナーとして参加させ実況中継しながらスタジオの有名人・タレントが声援を送って絡み番組を盛り上げていくのである。
多少の体力はあっても不規則な生活をしている”ランナー”たちは完走するのがやっとである。
しかし、そこがTV社の狙いだ。5時間でも6時間でも掛けて、くたばりそうになりながら走ってくれた方が放送時間を保てるし、社名売らんかなのスポンサーも気前よく、その間はコマーシャル料を払ってくれるから。
視聴者も、ヒーヒー言って走っている有名人の姿を見て意外性や新鮮さを感じつつ、ついつい見入ってしまったりするのである。
少し独善的で少し自己陶酔的なスタジオのアナウンサーやタレントがそんな視聴者の心理に上手く入り込み面白おかしく且つ感傷的に語り掛け、放映するのである。
アメリカの女優オードリー・ヘプバーンは銀幕の世界を華麗に飾り、世界中の映画フアンを魅了した人だった。
アサノヴィッチはバート・ランカスター共演の「許されざる者」とジョージ・ペパード共演の「テイファニーで朝食を」が彼女の作品の中で好きだった。
それはさておき、ヘプバーンは晩年、幾度もアフリカに赴き飢餓に苦しむ瀕死のこども達を見舞っていた。
忌み嫌う風もなく、やせ衰えたアフリカ人の赤ちゃんを抱くヘプバーンの皺だらけのオバアチャンの写真を見た人も多いと思う。
さすが大女優、幾つになっても綺麗だと思った。
それに引き替え日本のチャリテイーマラソンはあんまり…好きでない。
そんなことを言いながら、ゴールしたランナーの表情や言葉を聞いているうちに、アサノヴィッチのポケットのハンカチが涙と鼻水でグシャグシャになってしまうのが好きでないもう一つの理由だ。