梟の独り言

色々考える、しかし直ぐ忘れてしまう、書き留めておくには重過ぎる、徒然に思い付きを書いて置こうとはじめる

映画の話

2011-11-11 22:20:33 | 雑記
テレビ番組で久しぶりにアランドロンを見た、75歳だそうだが未だ俳優として活躍していると言う、私達の中では彼はスーパースターだった、玄人筋には「大根」とは言われていたが作品は全てヒットしていた、
デビュー作は知らないのだが太陽三部作は(日本で勝手にそうしたらしいが)その音楽と共に彼の甘いマスクと雰囲気が女性だけでなく映画ファンを魅了していた、
あの頃の映画は華やかで且つ見応えがあった、舞台がリアルな芝居か、ジャンルを変えた小説の様な趣が有って作品一つ々にしっかりした評論が付く様な大げさでは無く映像芸術と言う趣が有った、
無論映像娯楽と言う面も大きなファクターを持っていて其れが魅力の部分もある、
しかし其れが「娯楽」に偏り過ぎてしまい今では映像芸術と評価するのは提灯記事しかない、
その頃日本の映画界は日本・アメリカ・イタリア・フランスが覇を競ていたが、その小説の様な雰囲気の映画はやはりイタリアが一歩先を行き、フランスが続いていた感じがする、
アメリカは殆どが娯楽と言う印象が強いがそれでもストーリーで見せる物と夢のある所謂「アメリカンドリーム」物が多かった、西部劇もミュージカルも意欲的だった。
アランドロンの頃の男優として私がひいきにしているのはジャンポールベルモンドだった、喜劇、アクション、恋愛、シリアスと何をやっても絵になる鼻のでかい役者で名優と言うか怪優だった、
その頃日本ではモノクロからカラーに変わって来た時で黒沢監督がカラーを取り出した頃だった、
しかし黒沢明監督は自分の中ではモノクロームからカラーに変わってその魅力は半減した気がする、
確かに「地獄変」の桜、「影武者」の夕日の丘から出てくるシルエットの騎馬軍は秀逸な映像だが「蜘蛛の巣城」の舞台を映像化した様な場面、「どん底」の書き割の様な画面はモノクロームだから出る美しさだろう、「生きる」の公園の場面も色が有ったらあの悲しさはでないのでは無かったか、
「7人の侍」は黒沢映画の娯楽の面が最高に出た映画でジョージルーカスやスピルバーグが心酔したと言うが映画娯楽をおとぎ話にしてしまった「スターウォーズ」は黒沢監督の表現部分しか表せなかったし其れが今の映画の衰退に一役買ってしまったと思う、
「7人の侍」をリメイクしたと言われる「荒野の7人」は娯楽であっても俳優の個性を生き生きと映し出していたが最近の映画では特殊映像と派手な場面構成が主でゲームの「ポケモン」と余り変わらない、我々の年代の映画ファンからすれば「ハリーポッタ-」等は絵本の映像化としか思えないストーリーを見せる為の仕掛けが独り歩きしただけにしか見えないのだ、あの頃の様な映画が見たいと思っているのは私だけではない様に思う