梟の独り言

色々考える、しかし直ぐ忘れてしまう、書き留めておくには重過ぎる、徒然に思い付きを書いて置こうとはじめる

鉄腕アトムとアストロボーイ

2011-11-05 07:40:29 | 雑記
鉄腕アトムと言えば手塚治虫が書いた日本の漫画史を変えたと言える名作だろう、
アトムと言う名前はギリシャ語を語源とする「原子」と言う英語である、アトムは天才天馬博士が交通事故で亡くなった小学生の子供「トビオ」を偲んで作り上げた子供形のロボット、正確にいえばアンドロイドだった、
動力源は超小型の原子炉(途中から核分裂エネルギーと表現が替わったらしい)で10万馬力となって居た、
当初はこの力を持った子供だったので手に負えない悪戯が問題なロボットだったが生みの親の天馬博士が突然いなくなりその後アトムを預かったお茶の水博士が電子頭脳を書き変えてあのアトムが出来上がった、
弟はコバルト、妹はウランと言う名前も核物質その物のネーミングになっている
アトムが生まれたのは昭和27年、その後テレビアニメになって暫くするとアメリカや諸外国で「鉄腕アトム」は大人気になるのだが此の時「アトム」の名は「アストロボーイ」になる、
手塚治虫は終戦後10年も経たない時期、未だ原爆の恐怖が覚めて居ない時期にあのヒーローに何故「アトム、原子」と言う名前を付けたのか、昭和35年から日本も原子力発電所を商用運転が始まりアメリカ主導で「核の平和利用」が喧伝され始めている、作者はそのまま核エネルギーを夢のエネルギーだと考えていたのかも知れない、私が小学校の図書館で見た本にも「わずか1gの核燃料で貨車数台の石炭に値するエネルギーが生まれ人類は数千年のエネルギーを手に入れたと言う趣旨の本が殆どだった、その頃ビキニ環礁の水爆実験が第5福竜丸事件を起こし井伏鱒二の「黒い雨」等が読まれ、「放射能汚染」と言う言葉も広がって来た、
この時期にアトムはアメリカの子供向けのアニメとして放送されるのだがその名前は「アトム」から「アストロ(天空と言う様な意味らしい)」に変わって放送される、「アトム」とは単純には物理学でいう「原子」なのだが東西冷戦時代では「アトミックボム」と言う印象が強かったのか被爆国で「原子」と名付けられたヒーローの名前は「天空」と言う憧れの名前に変わって放送された、
無論英語でアトミックボムと言う事は日本では無い、いわゆる「原爆」でアトムが「原子」と言う名前だったら反応は違ったのかもしれないが兎に角その頃のアメリカでは既に「核」に関して「平和の為のヒーロー」には相応しくないと言う認識が有ったのではないだろうか、国民の意識下に「核の平和利用」は欺瞞だと言う認識か或いはそのリスクは承認できないレベルだと言う国民感情に有ったのではないだろうか、そして其れはマスコミ、放送界ですら広く共有された認識だったのではないだろうか。
それでも日米の政府組織は核利用を加速させて行き今回の被災に有ってしまう、ギリシャ語の語源は「此れ以上分ける事の出来ない物」と言う意味だと言う、其れを分裂させると言うのは既に自然摂理に反しているのではないか、核の連鎖反応が止められないのが暴走と言うなら原子核の破壊こそ地球生物の一種でしかない人類の暴走と言えるだろう