福田の雑記帖

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本 ヘレン ケラー 関連書籍3冊

2021年10月03日 05時49分34秒 | 書評
 今回、原田マハ著「奇跡の人」を読むにあたって原本にあたるとされるヘレンケラー関連書籍3冊も購入して併読した。ヘレンケラーの伝記は幼少の時に読んだ記憶があるがもうすでに本はない。
 ヘレン・ケラー(1880~1968)は、米アラバマ州で生まれた。彼女の障害は2歳のころに患った熱性疾患による。6歳のヘレンに家庭教師として雇われたのが視力障害を持つアン・サリバン。両人は生涯を通じ付き合う。

 教育は困難と思われたが、散歩中に見つけた井戸の水をヘレンの手に注ぎながら手のひらに指で「water」と何度もつづるとヘレンはそれを理解した。このような指導によって、その日のうちに30語を理解できた。翌月には点字の本を読めるようになり、さらに1ヶ月後には簡単な手紙を書けるようになった。その後、盲学校に移り、口語法などをマスターし、ヘレンはこれらのことを通じて社会問題にも興味を持つようになった。

 その後は、16歳でボストンのケンブリッジ女学校に、20歳でラドクリフ女子大学に進んで様々な知識を吸収した。卒業後、ヘレンは「盲人のために尽くすこと」を使命として、盲人の社会進出を訴える活動を開始。講演や著述を通じて公民権運動や人権運動、反戦運動などの社会運動も積極的に行っていった。

 並々ならぬ才能と性格を兼添えていたのだ、と思う。

(1)ヘレン・ケラー(著)「奇跡の人 ヘレン・ケラー自伝」 新潮文庫 2004年 小倉 慶郎 (訳)
 本書はヘレン自身が残した自伝『奇跡の人 ヘレン・ケラー自伝』。三重苦を乗り越えてラドクリフ女子大学に合格するまでの軌跡や、心情をつづっている。
 光も音も言葉もない中で、どのような思考をめぐらすかについて、当事者の立場から書いている。その三重の障害を何とかしようと奮闘した部分、負けず嫌いの性格なところも随所に出ている。


 そのほかに、漫画による伝記シリーズの中から以下を購入し、参照した。

(2)奥良もと 「サリバン先生ヘレン・ケラーとともに歩んだ教育者」 学習漫画世界の伝記NEXT
 三重苦を克服する過程については、サリバン先生の力が重要な要素として描かれている。彼女なしでは障害を克服することも、世界的な社会運動家としての活動もありえなかった。

(3)關 宏之 「ヘレン・ケラー 三重苦の軌跡の人」 角川まんが学習シリーズ 


 これらの資料からヘレンの性格や、活動状況の一部を抽出した。
 ■負けず嫌いの性格。
 ■花の色の違いが触っただけでわかった。
 ■足音から誰がきたのかわかった。
 ■文学の学位を取得した初めての視聴覚障害者となった。ヘレンは点字を用いて仏語や独語、ギリシャ語、ラテン語などを読むことが出来たという。
 ■世界盲人会議に参加など障害者福祉に貢献。
 ■ミイラが苦手。
 ■日本酒が好き。
 ■盲目の江戸時代の学者、塙保己一を尊敬し目標とした。
 ■被爆都市をおとづれた。
 ■秋田犬をアメリカに紹介していた。
 1930年代にヘレン・ケラーが来日した際、秋田県を訪問、秋田犬を贈り受けた。この犬は短命であったが日本政府は同じ血筋の犬を贈った。秋田犬を米国に持ち込んだ最初の人となった。
 ■日本の障害者福祉法、雇用支援などに影響を与えた。
 講演で、その手のランプをもっと高く掲げてください。見えない方の行手を照らすため、と述べた。
 盲目であることは悲しいことです。しかし、見えるのに見ようとしないのはもっと悲しいことです・・・とも。
 ■戦争反対運動、人権運動など、戦傷による障害者の福祉改善運動に積極的に参加、これらの活動のため、ヘレンはFBIの要調査人物に挙げられている。最初の訪日の際には特別高等警察の監視対象になっていた、という。

 今回、幼少の時に読んだヘレンケラーの伝記を思い出しながら、その業績を改めて偲んだ。すごい方だと思う。









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2 コメント

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発達障害の娘のサリバン業を貫徹できた!と信じる身として。 (原左都子)
2021-10-07 10:43:09
福田先生の「ヘレン・ケラー」特集を興味深く読ませて頂いております。
ヘレン・ケラー氏のサリバン先生の下での三重苦克服劇は実に感動ものです。 
ヘレン・ケラー氏の場合は三重苦こそあれ、元々天才肌だったようにも見受けられます。 負けず嫌いの資質も、彼女の人生に於いて大いにプラスになったことでしょう。
我が娘の現在を語らせていただきますと、大学を卒業して、自ら選んだIT関連中小企業での正社員生活が既に5年半に及んでいます。 明日は首か?、明後日は首か??と日々冷や汗もののサリバンですが、どうやら娘なりの存在感を職場で築き上げている様子で、首は繋がっています。 
どうも生来的に恋愛感情が欠落している様子ですが、そんな娘を肯定しつつ、今後もサリバンとしてのフォローを続けたく思っております。 
何より、ずっと自宅で暮らしてくれそうなのが一番の親孝行と、嬉しくもあります。
私事で失礼致しました。
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Unknown (FUKUDA)
2021-11-08 04:02:29
 「ヘレン・ケラー」関連書籍は子育てを経験し、孫もいるこの歳になりますと感慨深く再読しました。子育てや教育は実に大変な作業と今になって思います。
 ところで、こんなところでの話題にはふさわしくないと思われますが、私は小学生4−5年頃に伝書鳩を飼い始めたのですが、同時に猫も飼っておりました。鳩は運動後鳩舎の前の畑で暫く遊ばせるのですが、この3歳ほどの飼いネコを鳩を襲わないよう訓練しました。鳩舎の金網のところにネコを抱っこして座り、ネコが鳩に興味を持つ行動が見られた際に「ダメっ」と軽く声をかけ頭を軽くたたくことを一日何度か、約一月ほども繰り返しました。何度もなんども・・・。
 結果的にそのネコは鳩舎の周りであそぶ鳩たちを遠くから見ているだけで一切襲うことはありませんでした。私はこの訓練が、実を結ぶなどとはそれほど期待していなかったので驚きました。ネコが何を考えていたのかわかりませんが、初代のネコに関しての大きな思い出として残っています。いまいるネコどもには到底通用しないと思います。

 くだらないエピソード、私事で失礼致しました。
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