さいとうたかお著「ゴルゴ13」シリーズの単行本201巻が本年7月に発売され、「最も発行巻数が多い単一漫画シリーズ」として長寿漫画でギネス世界記録に認定された。「ゴルゴ13」シリーズはまだ連載は続いている。
それまでの記録は、1916年に最終巻となった秋本治作「こちら葛飾区亀有公園前派出所(こち亀)」で200巻であった。
両者とも大変な業績を成し遂げた、と思う。私はどんな方法で集めたか失念したが、「こち亀」は145巻までライブラリーに入っている。子供たちと分担して適宜買い集めていたのだったろう。私が好きな作品の一つであった。
ギネスに登録されたこの2作品を読み続けてきたことに、私は改めて満足感を得ている。
「こち亀」は、1976~2016年、「週刊少年ジャンプ」に一度の休載もなく連載された。一貫して庶民の目線で、飾ることなくその時代の空気を描き続けた。昭和から平成の日本社会を追う力作だ。
「こち亀」は、主人公として、体力だけは人の5倍ほど、おっちょこちょいでありながら人情にもろい型破りな警官・両津勘吉が東京の下町を舞台に繰り広げるドタバタ喜劇であり、世相や流行を貪欲に取り込んだ情報漫画でもあった。40年にわたって時代と並走し続けた末の全200巻。作品は、日本の風俗を伝える史料にもなっている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/67/11/c1312ed653e83953dfdbfc353c9c9fde.jpg)
(表紙)
連載開始当初の劇画タッチで粗暴な両津勘吉は、時代とともに性格が丸くなり、最集巻近くでは、小型無人飛行機ドローン、歌声合成ソフトのボーカロイド「初音ミク」、コンパクト電気自動車、最新技術をネタに、両津勘吉がうんちくを語る知的な面を覗かせる。
「呑む・打つ・エッチ」な生態は終始変わらないが、どんな分野にも一家言ある。こち亀が長期連載になったのは、早い段階でうんちく話が作品の大きな柱になったことが大きい。
連載初期では、ベーゴマやメンコといった、一昔前の遊びや話題について語ることが多かった。カラオケ、スニーカーなどのはやりものから、1993年の米不足によるタイ米輸入、2011年東日本大震災後のコンビニ商品の買い占めといった時事ネタまで取り込んでいった。
100巻前後からは、とりわけパソコンやケータイなどのIT機器を巡る話題が増え来ていく。だが、単に新しいものを追っているだけではない。シルバー世代向きのカセットなどのアナログの話題も織り込む。新旧が不思議な形で同居する日本社会の描写がおもしろい。過去と現在の混在は、結果的に幅広い読者層をひきつけた。
全巻を通読している人は意外と少なくとも、子供の頃に読んだ「こち亀」で世の中の仕組みを学んだ人、私もそうであるが、にとって一は、意識しない精神的なインフラになっている。
豊富な話題を支えたのは、両津勘吉と上司の大原部長、大金持ちの美男一美女である中川と麗子ら派出所メンパーの周りに現れる癖のある脇役たちで、時に主役格を与えて広範な話題に迫っていく。
それまでの記録は、1916年に最終巻となった秋本治作「こちら葛飾区亀有公園前派出所(こち亀)」で200巻であった。
両者とも大変な業績を成し遂げた、と思う。私はどんな方法で集めたか失念したが、「こち亀」は145巻までライブラリーに入っている。子供たちと分担して適宜買い集めていたのだったろう。私が好きな作品の一つであった。
ギネスに登録されたこの2作品を読み続けてきたことに、私は改めて満足感を得ている。
「こち亀」は、1976~2016年、「週刊少年ジャンプ」に一度の休載もなく連載された。一貫して庶民の目線で、飾ることなくその時代の空気を描き続けた。昭和から平成の日本社会を追う力作だ。
「こち亀」は、主人公として、体力だけは人の5倍ほど、おっちょこちょいでありながら人情にもろい型破りな警官・両津勘吉が東京の下町を舞台に繰り広げるドタバタ喜劇であり、世相や流行を貪欲に取り込んだ情報漫画でもあった。40年にわたって時代と並走し続けた末の全200巻。作品は、日本の風俗を伝える史料にもなっている。
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(表紙)
連載開始当初の劇画タッチで粗暴な両津勘吉は、時代とともに性格が丸くなり、最集巻近くでは、小型無人飛行機ドローン、歌声合成ソフトのボーカロイド「初音ミク」、コンパクト電気自動車、最新技術をネタに、両津勘吉がうんちくを語る知的な面を覗かせる。
「呑む・打つ・エッチ」な生態は終始変わらないが、どんな分野にも一家言ある。こち亀が長期連載になったのは、早い段階でうんちく話が作品の大きな柱になったことが大きい。
連載初期では、ベーゴマやメンコといった、一昔前の遊びや話題について語ることが多かった。カラオケ、スニーカーなどのはやりものから、1993年の米不足によるタイ米輸入、2011年東日本大震災後のコンビニ商品の買い占めといった時事ネタまで取り込んでいった。
100巻前後からは、とりわけパソコンやケータイなどのIT機器を巡る話題が増え来ていく。だが、単に新しいものを追っているだけではない。シルバー世代向きのカセットなどのアナログの話題も織り込む。新旧が不思議な形で同居する日本社会の描写がおもしろい。過去と現在の混在は、結果的に幅広い読者層をひきつけた。
全巻を通読している人は意外と少なくとも、子供の頃に読んだ「こち亀」で世の中の仕組みを学んだ人、私もそうであるが、にとって一は、意識しない精神的なインフラになっている。
豊富な話題を支えたのは、両津勘吉と上司の大原部長、大金持ちの美男一美女である中川と麗子ら派出所メンパーの周りに現れる癖のある脇役たちで、時に主役格を与えて広範な話題に迫っていく。
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