自分のことを好ましく思ってくれてたはずの人が、実はそうではなかった、と知るのって、悲しいですよねえ。何も気づかず、良い風に誤解したままでいたほうが、幸せだったのに。そういう面に関してだけは、鈍くいられない自分は不幸な人間だと欝になります。何も気づいてないフリをするが上手な自分も、何だかイヤです。
お松の独りイングマール・ベルイマン監督祭①


「鏡の中にある如く」
昨年他界したスウェーデンの巨匠イングマール・ベルイマン監督の作品は、どれも名作の誉れ高いけど、何だか暗くて難解そう、という先入観があったので、つい最近までは敬遠していました。いざ観てみると確かに、内容は冷たく重苦しく、感動!とか共感!な映画は一本もない。けど、これ以上は無理!な耐え難さはない。むしろ、え!何!?この人たち、いったいどーなっちゃうの?!な、深遠すぎて意味不明な台詞や登場人物の言動が異様で怖くて、目が離せなくなる奇妙な面白さが。アカデミー賞外国語映画賞を受賞したこの作品も、そんな冷たく静かな異様さで引きつけてくれました。
孤島の別荘で夏休みを過ごす作家、その娘と息子、娘の夫。精神病が再発し壊れていく娘の姿を、父親は冷徹に見つめようとする...
ベルイマン監督の作品で描かれる人間の苦悩って、キリスト教徒じゃないとピンとこない?神の沈黙とか、神の不在とか、無神論者の私にはよく理解できない。宗教的な面ではチンプンカンプンですが、深く考えずに心理ホラーとして観れば、楽しめる(楽しんじゃいけないんだろうけど...)。

精神病を患っている娘。はじめは、全然そんな風には見えず、すごく朗らかで健康的。そんな彼女が、静かにコワレていく。部屋の壁に入っていったの、とか、あの方(神?)が来る、とか、真顔で言ったかと思うと、いきなりヒステリックに狂乱、弟を誘惑したりと、完全にイっちゃってる言動が、心の病というより悪い霊に憑かれたみたい。あの方が来る~!と絶叫する彼女の元に降りてきたのは、彼女を精神病院へ運ぶヘリコプターってのが、笑っちゃいけないのに、何だか皮肉すぎてプっ。
狂った娘に心を痛めつつ、その過程を観察しようとする父親も、ある意味狂ってる。そんな二人に翻弄される娘の夫と弟が、可哀想。
愛が神。我々に愛されている彼女は、いつも神と一緒。だから彼女は幸せなのだ、と納得し合う父と弟。ええ~そうなの?そんな幸せ、いやだなあ。って首をかしげてしまうのは、やっぱキリスト教徒じゃないからでしょうか。
ヒロイン役のハリエット・アンデション、はじめは人妻役に違和感があるほど、少女っぽい。彼女のイタコちっくなコワレ演技が強烈です。
ヒロインの夫役は、マックス・フォン・シドー。若い頃のシドー爺、初めて見ました。斉藤洋介似?デカいですねえ。2mくらいありそう。
弟役の男の子が、結構かわいかった。寸劇するシーンでは、ちょっとだけオーランド・ブルームに似て見えたり。
舞台の孤島の風景が、夏なのに寒々としていて、登場人物たちの心象と重なります。
お松の独りイングマール・ベルイマン監督祭①



昨年他界したスウェーデンの巨匠イングマール・ベルイマン監督の作品は、どれも名作の誉れ高いけど、何だか暗くて難解そう、という先入観があったので、つい最近までは敬遠していました。いざ観てみると確かに、内容は冷たく重苦しく、感動!とか共感!な映画は一本もない。けど、これ以上は無理!な耐え難さはない。むしろ、え!何!?この人たち、いったいどーなっちゃうの?!な、深遠すぎて意味不明な台詞や登場人物の言動が異様で怖くて、目が離せなくなる奇妙な面白さが。アカデミー賞外国語映画賞を受賞したこの作品も、そんな冷たく静かな異様さで引きつけてくれました。
孤島の別荘で夏休みを過ごす作家、その娘と息子、娘の夫。精神病が再発し壊れていく娘の姿を、父親は冷徹に見つめようとする...
ベルイマン監督の作品で描かれる人間の苦悩って、キリスト教徒じゃないとピンとこない?神の沈黙とか、神の不在とか、無神論者の私にはよく理解できない。宗教的な面ではチンプンカンプンですが、深く考えずに心理ホラーとして観れば、楽しめる(楽しんじゃいけないんだろうけど...)。

精神病を患っている娘。はじめは、全然そんな風には見えず、すごく朗らかで健康的。そんな彼女が、静かにコワレていく。部屋の壁に入っていったの、とか、あの方(神?)が来る、とか、真顔で言ったかと思うと、いきなりヒステリックに狂乱、弟を誘惑したりと、完全にイっちゃってる言動が、心の病というより悪い霊に憑かれたみたい。あの方が来る~!と絶叫する彼女の元に降りてきたのは、彼女を精神病院へ運ぶヘリコプターってのが、笑っちゃいけないのに、何だか皮肉すぎてプっ。
狂った娘に心を痛めつつ、その過程を観察しようとする父親も、ある意味狂ってる。そんな二人に翻弄される娘の夫と弟が、可哀想。
愛が神。我々に愛されている彼女は、いつも神と一緒。だから彼女は幸せなのだ、と納得し合う父と弟。ええ~そうなの?そんな幸せ、いやだなあ。って首をかしげてしまうのは、やっぱキリスト教徒じゃないからでしょうか。
ヒロイン役のハリエット・アンデション、はじめは人妻役に違和感があるほど、少女っぽい。彼女のイタコちっくなコワレ演技が強烈です。
ヒロインの夫役は、マックス・フォン・シドー。若い頃のシドー爺、初めて見ました。斉藤洋介似?デカいですねえ。2mくらいありそう。
弟役の男の子が、結構かわいかった。寸劇するシーンでは、ちょっとだけオーランド・ブルームに似て見えたり。
舞台の孤島の風景が、夏なのに寒々としていて、登場人物たちの心象と重なります。