まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

そんなジェヒョンに堕とされて

2006-11-15 | 韓国映画
 深夜にTVをつけると、必ずやってる通信販売の番組。
 楽々お掃除スイブルスイーパーと、美容と健康にゴマの力セサミンに、強く購買欲をかきたてられてる、冬の真夜中です。
 
 お松の独り韓国映画祭⑤
 「悪い男」
 「うつせみ」に続いて、キム・キドク監督の作品を観ました。
 街で一目惚れした女子大生に、いきなりブチュ~!と無理やりキスするヤクザ。当然、女子大生は激怒して彼を面罵する。ヤクザは、卑劣な罠を仕掛けて、女子大生を売春婦に堕とす。そして、彼女が客をとる様子を、マジックミラーで観察...
 ううむ。これも、何とも不可解で不思議な映画だよなあ。
 バカにされた腹いせで、女子大生をメチャクチャにするってのなら、ひどいけど解らないでもない。でも、このヤクザはそんな感じじゃないし。明らかに、女子大生を愛してるみたいなのに、何でこんな歪んだ病的な仕打ちを...こんな愛を理解できるほうが、変だと思うので、さっぱりワケワカメで安心。
 まさに、病んだ狂犬に噛まれてしまったかのような、不運すぎるヒロイン。清楚な女子大生から、悲惨な娼婦へ転落してゆく姿が、哀れ...なんだけど、なぜだろう?あんまり同情できないのは。気が強すぎるからか?ハメられた罠も、かなり自業自得っぽいし。清楚な女子大生は、サイフをネコババなどしません。だんだん娼婦業に慣れて、それに順応していく姿が、たくましいというか...
 説明的な演出や台詞やシーンは排除し、ひたすら不思議なムードやシーン、登場人物のキャラで魅せるキドク監督の作風、好きかも...
 しかし何といっても、主人公のヤクザ役、チョ・ジェヒョンがスゴい!
  
 こーいう役を、怯まず演じきる役者魂が、素晴らしい。他の人気韓流スターは、ユルい仕事してるよなあ、と思えてしまう。
 異常なまでに嗜虐的な男で、ホント悪い男、というより、最悪に許せないキモい男なんだけど、気持ち悪さ、不愉快さより、哀しい魅力を感じてしまう。ヒロインが、最後には本当に彼を愛してしまうのが、解らないでもないような...
 でもそれは、チョ・ジェヒョンだから!客を取らされるのはイヤだけど、ジェヒョンだけに囚われの身になるのなら...私がヒロインなら、初めてブチュ~!された時、びっくり仰天するけど、相手がジェヒョンなら、いつの間にか自分から舌使ってるかも~ヒロインもそうしてたら、あんな悲惨なことにはならなかったかもね...
 ジェヒョン、見るからにヤバそうな、街を歩いてるだけで警戒されそうなヤーさんぶり。「うつせみ」のジェヒ同様、台詞がない!まさに、沈黙の狂犬!でも、言葉以上に、その面構え、その肉体が、饒舌なまでに感情を表現していて、目が離せません。怖いけど、すっごいセクシーな男前だし!野獣の雄フェロモンぷんぷん。フツーのヤーさんなら、さぞやモテモテだろうに。
 ラストは、衝撃というか、やっぱ不思議な結末です。
 ゴキブリのようなジェヒョンの生命力の強さにも、彼と共に旅立つヒロインの生き方にも、唖然となってしまう。まさに、歪んだハッピーエンドです。あんたたち、ホントにそれでいいのか~!?

 独り韓国映画祭は、ひとまず終了。来週からは、独りフランス映画祭開催予定♪
 
コメント (2)
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