まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

dehumanization

2006-11-01 | 北米映画 60s~70s
 早いもので、今日で11月。また、あっちゅー間に、年末&お正月だなあ。
 劇場映画鑑賞、下半期になってペースがガタ落ち。年間目標30本(こころざし低っ)には、遠く及ばず...
 今月の自室DVD鑑賞は、テーマを決めて楽しもうかな、と計画してます。
 ①独りフランス映画祭 「マドモアゼル」など予定
 ②独り呉彦祖映画祭 「潜入黒社会」など予定
 ③独りハリウッド名画祭 キャサリン・ヘプバーン作品など予定
 ④独りキム・キドク監督映画祭 「悪い男」など予定
 ぜんぶ独りっちゅーのが、悲しいポイントです...

 「冷血」
 「カポーティ」を観る前に、予習がてらの鑑賞。
 トルーマン・カポーティ渾身のノンフィクションの映画化。実際にアメリカで起きた一家皆殺し事件の経緯と、犯人たちの人物像とは...
 こんなことで無残に命が奪われなければいけないなんて...死んでも死にきれないよなあ。短絡&行き当たりばったり的な動機と、残酷冷酷な殺人のコントラストが、やりきれない思いにさせます。白黒映像が、虚無的で荒涼感があって、寒気がします。
 犯人の若者二人。あまりにも子供っぽすぎる。あれで捕まらないと本気で信じてたなんて、やっぱ頭がおかしいとしか思えない。何か奥深い怨恨でも被害者一家にあるのならいざしらず、ぜんぜん面識もない赤の他人を、あんな風に惨殺できるなんて、異常です。本人たちにも理解できてないような殺人の動機。その不可解さに、戦慄せざるをえません。何が人間性を失わせて、ここまでの凶行に駆り立てたのか。それは誰にも分からないし、それはこうだ!と勝手な憶測で描くべきではない。大した理由もなく、人間でなくなることができる者が、ひょっとしたら周囲にいるかもしれない、いや、もしかしたら自分も...?
 恵まれない不幸な生い立ちのせいで、こうなった!というのは、永山則夫など死刑囚たちの常套句だけど...そんなの、何の罪もない人たちを、虫けらのように惨殺したことの言い訳になるでしょうか。
  現在、全国の拘置所には、100人近い死刑確定囚がいるとか。その何人かが、死刑反対を訴えています。殺しちゃったことは悪いけど、私らまで死んでも何の解決にならない。死にたくない!という生への執着にも、犯した罪同様、彼らの“冷血”を感じてしまいます。
 一家皆殺しの再現や、ラストの死刑執行シーンが、リアルで怖いです。ああ~寝る前には、絶対戸締りを厳重に!
 この事件の犯人&犯行って、上野消火器商一家殺人事件を思い出させます。こっちのほうが、より陰惨地獄絵図って感じですが...
コメント
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