1988年3月。まだ肌寒い土曜日の夜9時過ぎ。
雑踏の渋谷のセンター街を抜け、宇田川町交番の脇の道、たんたんと歩みを進め、
ハンズを通り過ぎNHK方面へ少し歩くと、左側のビルにはタワーレコードが現れる。そこで、右に曲がると、小道が現れ、階段の途中に隠れ家のような佇まい(たたずまい)のちょっとビルに入っていくと、洩れ聞こえるジャズ。
ジャズ喫茶『Swing』
重たいドアを開けると、ランプの灯りは暗く、向かいに座っているお客の表情はわからない。その為か、タバコの白い煙の動きがわかる。
『ボン、ボン、ボン、ボン』という4ビートのウッド・ベース。
『ツーチャッカ、ツーチャッカ』というドラムのシンバル・レガート。
名手エルビン・ジョーンズの額からは、大粒の汗。。。
時折音を紡ぐ(つむぐ)ようなピアノのブロック・コード。
マッコイ・タイナーのスイングも気持ちいい。
最後に、静かに加わる、ジョン・コルトレーンのテナー。
バランス良い音のインタープレイ。決してしゃべりすぎる者は無く、適度な音空間が心地よい。
マスターに、『いつもの・・・』と注文したコーヒーが出てくる前に、そっとメンソールのタバコに火をつけた・・・。
ちょっと妄想してしまいました・・・(笑)いや、正確には、回想です。私の二十歳頃の大切な1ページ。麻雀とジャズに明け暮れた毎日でした。
今はなき(涙)渋谷のジャズ喫茶『Swing』で、出てきていたかどうかは定かでないけれど、きっとお店の雰囲気とピッタリとマッチしそうなコーヒーカップ。
北欧はフィンランドのArabiaアラビア社よる1960年代製のヴィンテージKosmosコスモスシリーズです。状態は、グー!!
アラビアは、1873年より130年以上続く、北欧フィンランドの名窯で、現在は、Alvar Aaltoアルバー・アアルトの花瓶や無鉛のグラスで有名な同じく北欧をベースとするIittalaイッタラグループの傘下に属しています。
デザイナーは、Ulla Procopeウラ・プロコッペ(1921-1968)。1921年フィンランド生まれ。1948年、Arabia社に入社。
代表作にRuska、Kosmosシリーズなどがあり、Ruskaシリーズはフィンランドの短い夏から長い冬がはじまるひとときの紅葉を表現してるような日本的な色、デザイン、フォルムを持ち懐かしい感じがします。
ウラ・プロコッペはアラビア社のデザイナーとしては1968年までの約20年間しか活動はしてませんでしたが、現在でも色褪せない素朴な暖かみのある数々のヒット作を残しました。ウラ・プロコッペの作品はセールスにおいても成功し多くのシリーズは長い間製造されることとなります。
今回入荷したコスモスシリーズは、1960年代に生産されましたCup & Saucerで、ウラ・プロコッペがデザインしたSモデルにGunvor Olin-Gronqvistが絵付けしたシリーズです。
Sモデルはアラビア社のアンティークの定番として人気で、通常のコーヒーC&Sより一回り大きいので紅茶やカフェオレにも適しています。深いグリーン地に茶色と黒の細い線が手描きされており、カップの裏には絵付けを担当したGOGのサインが入っています。
情報が多すぎる。慌しくストレスの多い現代社会。
そんな時、テレビを消して、少し照明を落として、ジャズをかける。
そんな、ゆったりとした『大人の時間』のコーヒー・タイム・・・。いかがでしょう?
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