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大統領選に向け公約を準備するプーチン氏

2012-01-29 | ラジオ
3月4日の大統領選挙に向けて、ロシアでは選挙戦活発化に向けた準備が動き出した。
本命と見られるプーチン現首相は現在、自身の手で選挙公約をまとめている。 公約の基礎に置かれているものは、いわゆる人民プログラムと言われるもので、昨年12月の下院選挙の際、統一ロシア党と全ロシア人民戦線が有権者に示したものだ。

ペスコフ首相報道官によると、プーチン首相は新年とクリスマスの休暇中、自身の選挙公約をまとめる作業に時間を費やしたとのことだ。
公約文書は3部からなり、それぞれ経済、社会、対外政策に捧げられる。基本的なテーゼは、下院選挙前に専門家や政治学者達らが書いた、人民プログラムと似通っているものだが、プーチン氏のものにはプーチン氏の個人的な見解や世界観などが反映するものになる(語尾は声が出ていないため聴こえない)。

ロシアを代表する政治学者の一人で、ポリチカ基金の総裁を務めるニーコノフ氏にマイクを向け意見を聞いてみた。
「プーチン氏の選挙公約の基本的輪郭は、プーチン氏個人によって決められることだろう。
人民プログラムの準備に向けた作業は、なるほど大変なものだった。しかしプーチン氏は大統領候補として、国に関する最も完全な情報を持つ人物であり、私の目から見れば、誰よりも国を肌で感じ、我々のこの国がどんな国なのか知っている人物だ。
ロシアという国は民族的、社会的、その他の関係において大変複雑な国家だ。
それゆえプーチン氏自身が人民プログラムの中にある主要なものを選び出し、それに個人的な考えを加えながら、自分の将来のプログラムの基本的輪郭を準備している訳だ。
このプログラムが有権者の側から支持を得られるようにする事、さらにこのプログラムが現実のものとなるようにすること、それらに対する責任が、まさにプーチン氏の肩にかかっている」
総裁は、このようにコメントしている。

VORの取材に応じた専門家達が述べているように、社会および経済政策における基本的課題は、原則的に理解できるものだ。
一方でロシアの政治システム改革や、対外政策変更に関するプーチン氏の考えは、ずっと大きな関心を呼び起こしている。
特に対外政策について、欧米諸国の分析専門家達は不安を持っているようだ。

政治情報センターのムーヒン所長の予想は、次のようになっている。
「国内的な政治要素は政治改革も含め改革を示唆している。この改革はプーチン氏を頂点とする垂直型権力を支え、釣り合いを取る新しいシステムを構築するためものだ。
一方で社会が自由に自分達の意見を表明できるよう、政治体制が緩和されることだろう。また他方では社会の個々の要素の、自分達の行動に対する責任が高まることになる。 
また対外的な政治要素は何よりもまず、ポスト・ソビエト空間における統合や中国およびベネズエラやシリアを含めた、その他の国々との集中的な協同行動に向けた路線、さらにはNATOやアメリカとの競争のレベル引き上げに向けた路線を示唆することだろう。
実際これらは、旧ロシア帝国枠内での効果的な政治的、経済的要素の再現を目指す野心的なプランとなると思われる」
所長は、このようにコメントしている。

大統領選挙に向けたプーチン氏の公約の最終バージョンは、2月12日までに公表される予定だ。その後、プーチン陣営の選挙本部の代表者達は,一般市民への説明のため地方に向け出発することになる。

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