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アメリカの圧力に敷かれる日本

2012-01-16 | ラジオ
アメリカは各国がイラン産石油の輸入を削減することを主張しているが、日本政府は未だ最終決定を取るには至っていない。
日本政府は石油輸入の10%を占めるイラン産石油について、矛盾する声明を表している。イランの核問題を巡る緊張が高まっていることを背景として、日本は初め、イラン産石油の輸入を拒否することはないとしていた。
日本政府は自らの立場について国内での石油の不足が、東日本大震災の被災地域の復興作業に否定的な影響を及ぼすと説明していた。
しかしアメリカは日本側にイランの石油禁輸の必要性を納得させようとしており、アメリカの圧力の下、日本の安住財務相は、イラン産石油の輸入を削減すると発表した。

最終的に玄葉外相はイラン産石油についての決定に関しては、当面の間、結論を先延ばしにすると発表した。
それはイラン産石油の禁輸が日本企業にとって利益とはならない、ということを物語っている。
さらに政治情勢にとっても逆風となる。内閣改造を行った野田政権にとって、経済界に不人気となっている措置をとることはできないからだ。

玄葉外相の発言は恐らくイランが仲介役6者その6者というのはロシア、中国、アメリカ、フランス、イギリス、ドイツの6ヵ国を指すが、この仲介役6者との協議再開の用意があると声明を発表したこととも関連していると見られる。
EUはそれに対し、イラン産石油禁輸の実施を半年間延期することも可能だと述べている。
経済高等学院のフェシュン専門家は恐らくこのような状況のなかで、日本ではロシアからのガスおよび石油輸入の必要性をめぐる議論が高まるだろうと指摘している。
「日本は政治的にはアメリカの後追いをするしかなく、1945年以降それは変わっていない。今の野田政権もアメリカとの同盟強化の必要性を強調している。
しかし現在の状況に関しては、日本はエネルギー供給を多様化させる可能性を有している。
しかもロシア産ガスおよび石油は日本にとって、非常に有益なものとなる。それは先ず距離の近さということがある。
しかし日本のエリート層のなかには北方領土問題が存在していることから、ロシアからの輸入を抑える必要があると考えている向きもある。一方で状況は変化している。日本がオーストラリア、マレーシア、そしてロシアなどからの石油輸入を強化することも在り得る訳だ」
専門家は、このようにコメントしている。

専門家らはアメリカが一旦国際社会に対して、イランへの禁輸措置の必要性を理解させようと決心した現在、それはほとんど既成事実に近いと考えている。来週にはアメリカは日本と韓国に代表団を派遣する見通しだ。日本は強力なアメリカの圧力の下にあり、それによって自らのエネルギー供給先を多様化させるほかはないだろう。

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文藝春秋

1月13日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル