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アメリカの新国防戦略が意味するもの(1)

2012-01-18 | ラジオ
アメリカが軍事予算を削減する。アメリカにはもはや二つの戦争を続ける予算がない。
アメリカ国防総省は、ヨーロッパ、アフリカ、南米に展開していたアメリカ軍部隊を減らし、アジア太平洋地域そしてび中東での軍事プレゼンスを拡大。
いま申し上げたようなことが、5日にオバマ大統領そしてパネッタ国防長官が発表したアメリカの新しい軍事戦略の鍵となる立場だ。
オバマ大統領は国防予算は2013年から、今後10年間ほぼ5千億ドルカットされると述べたが、これはアメリカ軍の本質的な削減を意味している。

ロシア戦略評価研究所のオズノヴィシチェフ所長に、その見解を聞いてみた。
「削減される予算は膨大なものだ。主としてアフガニスタンやイラクでのものなど、アメリカがもはや真剣に取り組むことはできない軍事作戦を縮小することによって、それはなされる。アメリカの新しい軍事戦略の中では、一つだけ勝利が約束されている戦争だけをすることができると述べられているのだ」
所長は、このように述べている。

新しいプランの中では特に、一連の巨大プログラムの実現が数年先延ばしにされている。
例えば新しいクラスの二隻目の空母とか次世代の戦略潜水艇の建造だ。高くつく第五世代の戦闘爆撃機F35の買い付けも遅れる。また57万人を要するアメリカ陸軍の将兵は、少なくともその1割10%削減が提案されている。
その一方でオバマ大統領は、アメリカはアジア太平洋地域での軍事プレゼンスを拡大させると指摘し、アメリカは中東での警戒も緩めはしないと強調した。

ロシア政治情勢研究所のズージン副所長は、これに付いて次のように見ている。
「この二つの地域が選ばれたことは十分理解できることだ。中東は伝統的にホットポイントであり、アメリカはここに大きな注意を割いてきた。
最近では北アフリカでの出来事に関連して、この地域の持つ意義は増大する一方だ。またアジア、中東、北アフリカがアメリカと中国の鬩ぎ合いの場になりつつあるとの声が、最近ますます強まっている。
今回のアメリカの新戦略では、軍隊が中東とアジア太平洋地域に集中されるが、これはまさにそれらの地域での、中国の拡大と強大化に対抗するためのものといってよいと思う」
副所長は、このように指摘した。

アメリカの新国防戦略が意味するもの(2)へ続く

1月7日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル