1010 Radio

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世界が注目する北朝鮮の行方(2)

2012-01-15 | ラジオ
多くの分析専門家達は,かつて金正恩氏がスイスで学んだ事があり、恐らく西側に好意を持っているのではないかと期待している。しかし北朝鮮では、例えばアラブの春を準備するベースとなった、西側的な価値感を共有できるような反体制層は存在しないし、西側にシンパシーを感じる失業中の若者もいない。
きっと金正恩氏は西側とは何かを、また自分が国内でどう見られているのかをよく分かっている人間だろう。

時代はさかのぼるが、あのカンボジアでの大虐殺の際、政権の座にあったクメール・ルージュの指導者ポル・ポトもパリに留学した経験の持ち主だったが、民主主義的な価値観を支持する人物とはならなかったことも、忘れてはならない。

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北朝鮮当局は30日、国の指導者・金正日氏死去の後も、我が国の行動には如何なる変化も生じないと明言している。
首都ピョンヤンで発表された国防委員会声明の中ではまた、全世界の愚かな政治家達は、変化など期待すべきではないと述べられている。
尚、この国防委員会ですが、事実上、北朝鮮における最高権力機関の機能を果たしている。さらに(電波が弱くなり聴き取れず)の中では、我々は南のイ・ミョンバク政権とは、如何なる関係も持たないと強調されている。

南北朝鮮関係についてアスモロフ主任研究員は、次のように予測している。
「何らかの前進はあるとは思うが、それは極めて小さなもので、大変注意深く、また入念に考え抜かれてなされるだろう。外からの圧力もあると思う。
新しい指導者の基盤が、どれだけ堅固、堅いのかが試されるだろう。韓国の保守政治家や、主として共和党選出のアメリカの政治家達の中に、公然と、北朝鮮に対し体制が変わるまで、強い圧力を掛け続けるべきだと主張する人々が存在する事に、注意を向ける必要があると思う」
主任研究員は、このように指摘している。
北朝鮮の今後について様々な予測が、いま飛び交っているが、専門家の間では、指導者交代に伴う状況は、後継者である金正恩氏の性格的な、いってみれば強靭さにかかっているという点では、意見の一致を見ているのだ。

ピョンヤンの夏休み――わたしが見た「北朝鮮」
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2011年12月30日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル