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政治から経済へ、拡大するロシアと中国の協力

2010-09-27 | ラジオ
ロシアのメドヴェージェフ大統領は26日から中国を訪問。27日には北京で胡錦濤国家主席と今年5度目となる首脳会談を行う。両者は政治、経済の各分野で互いの意見を摺り合わせることになる。
会談では国際舞台における協力と、長期的な経済協力をテーマに話し合われ、複数の契約も締結される予定だ。政治と経済、果たして主要なテーマとなるのはどちらなのか。

ロシア科学アカデミー極東研究所所長は、両国の信頼関係の基礎となっているのは政治における協力だと指摘している。
「露中の信頼関係は経済面における要素だけに支えられているわけではない。もちろん貿易や投資面での協力は、アメリカと中国との関係の比ではない。またロシアと中国の首脳同士の個人的な交流を見れば、両者が互いを信頼していることは明らかだ。しかし中国とロシアとの関係をより近いものにしているのは地域問題だ」
所長はこのように話している。

イラン問題、アフガン情勢、北朝鮮の問題といったた国際問題においても、ロシアと中国には共通した戦略行動がある。両者の間にこうした信頼関係があるのは、ロシア、中国が共に情勢不安定な地域と隣り合っているためだ。
アフガンで製造される麻薬はロシアと中国を通過して運ばれているる。またアフガンで活動するタリバン勢力や、イスラム戦士モジャヘドの軍事抵抗はロシアと中国を含む、地域の安定を揺るがす深刻な脅威となっている。

一方両国にとっては、経済的な利益も無視することは出来ない。
現在、二国間関係の主軸となっているのは燃料エネルギー協力だ。メドヴェージェフ大統領は今回の中国訪問の枠内で、胡錦濤国家主席と共に、最近完成したスコヴォルディノと大慶を繋ぐ、石油パイプラインの開通セレモニーに出席する。
また会談では露中共同で進められている、田湾原子力発電所の第3号、第4号発電ユニットの建設に関する契約が締結される見通しだ。

さらに人道部門の協力も無視出来ない。中国におけるロシア年となっている2010年、北京ではロシア文化センターが開設された。教育、文化、科学、スポーツ分野での協力促進に大きな注意が払われる。
メドヴェージェフ大統領の中国訪問は、かつてのロシア領で、多くのロシア人兵士が眠る旅順からスタートすることになっている。

9月25日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル