1010 Radio

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リーマンショックから2年

2010-09-20 | ラジオ
国際経済危機の発端となった、アメリカ投資銀行リーマンブラザーズの破綻申請から、15日で丸2年を迎えた。
現在専門家は今回の金融危機の被害、影響の評価が確定するには10年以上を要すと語っている。
少なくともこの2年間の国際経済には甚大な影響があった。金融システムの多額の損失、相次ぐ企業倒産、製造業の落ち込みなどだ。証券市場は失ったものを、未だ取り戻せずにいる。
リーマン・ショック・コンフィデンシャル(上) 
追いつめられた金融エリートたち


アンドリュー・ロス・ソーキン
早川書房


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ただ複数のアナリストは、金融経済危機の最も厳しい局面は過ぎ去ったとの見方で一致している。そこで分析検証する時期に入った訳だ。
先ず挙げられるのが不良債権に悩まされた金融機関だ。この2年間で銀行は融資提供に際して、顧客の支払い能力を注意深く検討するようになった。また製造業でも企業は資金の配分を効率化した。自動車大手のゼネラル・モーターズのような大手企業も新たに節約の術を学んでいる。

リーマン・ショック・コンフィデンシャル(下) 
倒れゆくウォール街の巨人


アンドリュー・ロス・ソーキン
早川書房


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ただ上手くいっていない国もある。ヨーロッパでは多額の債務を抱えているポルトガル、スペイン、ギリシャ、アイルランドの頭文字をとってPIGSという言葉が生まれた。
一方で世界全体がほぼ共通して抱えている問題もある。それは失業者の増大だ。IMFのストロスカーン専務理事は、失業率が高い内は危機の終結は宣言できないと強調した。
アナリストたちも金融危機が、2年間で雇用の危機に姿を変えたと指摘する。
IMFの統計によると、世界には2億1000万人に上る失業者がいるとのことだ。

ロシアでも雇用問題の深刻さは早期に認識されており、そのため働き口の維持や創出に向けた措置が講じられてきた。
特に重要なのは政府が社会保障費用を増額したことだ。金融危機の1年で社会保障費を47%も増やした国は欧州地域でロシアを除いてない。
銀行セクターや製造業でも様々な行動を展開し、投資環境も維持(声が出ていないので聴き取れず)

国家戦略評議会会長は、一連の政策が成果を生んでいると語る。
「失業率は、それほど大きなテンポではないにしろ低下した。大型投資事業への資金が戻り始めているので、今年第4四半期にはさらなる成長が期待できると思う。GDPが今年末までには5%、鉱工業生産も7%成長するという専門家の予測も現実的なものだと考えている」
会長はこのように話している。

全体として金融危機は国際経済の再編を促した。現在の主役はロシア、ブラジル、インド、中国からなるBRICsと呼ばれる大型新興国だ。
経済指標の面でも投資誘致の面でも、高い数字を記録している。
ただ専門家は、より強い経済を持つ先進国は、特に責任を持って今後の政策を決めていかなくてはいけないと主張した。世界全体がアメリカの経済政策の犠牲となった2008年の危機を繰り返してはいけない。

経済のこと よくわからないまま社会人になってしまった人へ―
ひとめでわかる図解入り


池上 彰
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9月15日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル