先日、「第48回京の冬の旅 非公開文化財特別公開」で公開中の妙心寺の塔頭の「大法院」へ行ってきました。現在妙心寺では、3ヶ所が京の冬の旅で公開されています。先に聖澤院【前ぶろぐ】、龍泉菴【前ぶろぐ】をご紹介しています。
妙心寺は、臨済宗妙心寺派の大本山で、46の塔頭(たっちゅう)をもつ京都最大の禅寺です。建武4年(1337)、花園法皇が離宮を禅刹に改め、関山慧玄(かんざんえげん)を開山に迎えたのが始まりです。
南総門(左上写真)をくぐって、左へ(西)・・・鐘楼の先・・・石畳の道をまっすぐ北へ歩くと看板が見えます。石畳と松並木は禅寺らしい風景で、すきっとした潔さを感じて、私の好きな眺めです。
大法院は信州の松代藩主だった真田信之(真田幸村の兄)の菩提寺です。信之の遺命で、孫娘の長姫(おさひめ)が寛永2年(1625)に創建されました。信之の法名に因んで寺名が付けられ、開祖は淡道宗廉(たんどうそうれん)です。門をくぐり、受付をして中へ入ります。境内には、松代藩士で幕末の思想家であり兵学者だった佐久間象山の墓もあります。(誰でもお参りできます)
入ってすぐ、庫裏の一室には、鳥取藩に仕えた江戸時代の絵師で、妙心寺山内塔頭寺院に多くの絵を残した土方稲嶺(ひじかたとうれい)が描いた「叭叭鳥図(ははちょうず)」があります。8面にわたって100羽に及ぶ鳥が描かれています。
叭叭鳥とは、ムクドリの仲間で、ハッカチョウという外来種の鳥だそうです。中国では、人によく懐き、人のモノマネが上手だという事で親しまれ、花鳥図にもよく描かれるそうです。写真は看板のものです。
客殿には、真田信之や長姫を描いた軸がかけられ、幕には真田家の家紋「六文銭」が施されています。客殿で、まとめてすべての説明がありますので、先に聞いてから見て回るとわかりやすいです。
ここは、普段は非公開ですが、新緑の季節と、紅葉の季節のみ公開しています。なお、京の冬の旅では初公開です。特に紅葉の季節は、露地庭園と呼ばれる客殿を囲むように広がる庭園の紅葉は見事です。
庭園は、外露地、中露地、内露地に分かれ、客殿から飛び石を渡り、苔の庭、待合をへてお茶室「有隣軒(ゆうりんけん)」へと続きます。庭に出ることはできません。お茶室は庫裏から渡ることができますが、中には入れません。室内写真撮影NG。
ところで、この大法院は、禅寺の雲水(修行僧)との純愛ドラマ「ピュアラブ」のロケ地だったんです。10年ぐらい前の人気のドラマで、以前訪ねた時【前ぶろぐ】は写真パネルなどが飾られていましたが、今回はありませんでした。そのことを訪ねると、お寺の奥様が、こっそり雲水の陽春さんのパネルを出して下さり、ロケの様子なども教えていただきました。うれしかったです。ありがとうございました。(^^)
第48回京の冬の旅 非公開文化財特別公開【こちら】
京都市観光協会 http://www.kyokanko.or.jp/
3月18日(火)まで。公開場所によっては、拝観休止日や期間が大きく違いますのでご注意ください。 拝観料:1ヶ所600円(場所によって違う場合もあります)所要時間は公開場所によって違いますが各所約30分~。専門ガイドによる説明があります。「寺町 阿弥陀寺」【前ぶろぐ】「報恩寺」【前ぶろぐ】妙顕寺【前ぶろぐ】スタンプラリー【前ぶろぐ】妙心寺聖澤院【前ぶろぐ】龍泉菴【前ぶろぐ】建仁寺開山堂【前ぶろぐ】建仁寺正伝永源院【前ぶろぐ】
妙心寺 http://www.myoshinji.or.jp/index.html 参拝者用駐車場有
妙心寺は以前もご紹介しています。 龍泉菴 聖澤院 大庫裏・経蔵・東海庵 三門 衡梅院 大法院(紅葉) 退蔵院 東林院 小豆粥で初春を祝う会 沙羅の花を愛でる会
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