昨日「第43回非公開文化財特別公開」が行われている妙心寺へ行ってきました。
妙心寺(みょうしんじ)は、臨済宗妙心寺派の大本山で、46の塔頭(たっちゅう)をもつ京都最大の禅寺です。建武4年(1337)、花園法皇が離宮を禅刹に改め、関山慧玄(かんざんえげん)を開山に迎えたのが始まりです。今年、開山659年遠諱(おんき)を迎えます。
近世の禅宗伽藍の典型的な配置をしていて、妙心寺道(下立売通)に面する勅使門から方生池をへて、北に向かって三門(写真左下)、仏殿、法堂、寝堂、大方丈、小方丈、大庫裏などの伽藍が一直線に並んでいます。南総門から入ると、広い山内に伽藍が立ち並ぶ景観に圧倒されます。
たくさんの伽藍のなかで唯一朱塗りの建物の三門は、東福寺の三門【前ブログ】、大徳寺の三門に次いで古く、慶長4年(1599)に造営されたものです。今回の拝観では、狭い階段を上り楼上へ上がり、内部を見ることができます。通常は非公開で、1年に1度、6月18日の午前中の法要の際に公開されるのみだそうです。
三門から外を眺めることができます。高さは18メートル、昨年の特別公開の際に訪ねたことのある知恩院の三門【前ブログ】(高さ24メートル)に比べると、低いし網が張ってあるので、眺めはそれほどよくありませんが、境内を一望できます。
楼上の内部には、他の三門と同じように、極彩色の世界が広がっています。中央に観音菩薩像、善財童子、月蓋長者(げつがいちょうじゃ)や十六羅漢が祀られています。それぞれ個性豊かな表情で、おひとりおひとり見ていると飽きません。天井や柱には、龍や鳥など極楽浄土が描かれています。作者は不明ですが、狩野派の絵師によるものだそうです。
通常公開していなく、1年に1度、6月18日の午前中の法要時に公開されるのみなので、保存状態がとてもよく、過去に見た三門内部の中では一番鮮やかだと思います。
ただ、個人的な意見ですが、鮮やかなのもいいですが、多少色あせているものを当時はどんなだったんだろう?と想像をめぐらすのも楽しいです。写真撮影はできないので、看板でお許しください。
妙心寺は、私の好きなお寺の一つで、年に何度か訪ねています。前回は、塔頭のひとつである「大法院の露地庭園特別公開」を紹介しています。【前ブログ】
妙心寺 http://www.myoshinji.or.jp/ 参拝用駐車場あります。
「第43回非公開文化財特別公開」は3月18日(水)まで 大人(中学生以上)600円 小学生:300円 10:00~16:00
京都市観光協会 http://www.kyokanko.or.jp/
この後は、同じく特別公開中の妙心寺塔頭「衡梅院(こうばいいん)」をご紹介します。次のブログにて。