まじくんママのぷち旅ぶろぐ

トミーズツアー旅の編集人がつづる「四季の京都」周辺とたまに帰る「ふるさと富山」のお出かけぶろぐです。

第48回京の冬の旅「非公開文化財特別公開」寺町阿弥陀寺

2014年01月10日 | 京都市上京区

今日から「第48回京の冬の旅 非公開文化財特別公開」がはじまりました。普段見学できない庭園、建築、襖絵、仏像などの様々な文化財が、期間限定で特別公開されます。まずは、京の冬の旅12年ぶりの公開の「寺町 阿弥陀寺」へ行ってきました。

正式名は「蓮臺山 捴見院(そうけんいん) 阿弥陀寺」といい浄土宗寺院で、現在は百万遍の手づくり市で知られる知恩寺の末寺です。天正13年(1585)頃、現在の地へ縮小移転されました。

開山は清玉(せいぎょく)上人です。清玉は、信長の庶兄(腹違いの兄)である織田信廣公の初陣「小豆坂の戦い」に於いて、実母は亡くなるものの奇跡的にお腹から取り上げられ、織田家にて幼少をすごし、6歳で仏門に入り、その後、織田信長や正親町天皇(おおぎまちてんのう)の帰依を受け東大寺勧進職を務めた人物です。

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天正10年(1582)の明智光秀が起こした「本能寺の変」の際、未明(朝6時頃)に清玉上人が本能寺に駆け付けると、すでに信長は自害 しており、遺骸をどうするか困惑する森蘭丸らに「ご存知の通り私と信長公の縁は深い。供養などは私に任せ、あなた方は精一杯敵と戦ってください・・・。」との旨を伝えたそうです。【おまけ】今どきの女学生は、本能寺の変の年号「1582年」・・・「イチゴパンツ」はいた明智光秀って覚えるらしい・・・。(^m^)

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清玉は信長の遺骸(おそらく頭部のみ)をすぐに火葬し、法衣に包んで帰寺し深く隠し置きました。また、当日の昼過ぎには、明智光秀に会い、自害・戦死した嫡子織田信忠はじめとする子息、森蘭丸・坊丸・力丸三兄弟など、織田家中百十余名の供養を申し出たそうです。これを光秀は快諾し、清玉は百十余名の遺骸を阿弥陀寺に運び、主君と共に丁重に供養・埋葬したと伝えられています。

P1070399特別公開では、本堂内に祀られている織田信長公位牌・木像や、本能寺の変でなくなった百余名の討死衆名を刻んだ合祀位牌を間近に見ることができます。他にも本能寺の変の際に、信長が使ったとされる手槍先や明智光秀、豊臣秀吉の書状などもあります。写真撮影NG。*掲載した信長公の写真は立看板のものです。信長公の木像は、信長の家臣だった人物が彫ったと伝わっているため、忠実に再現されているのでは?

境内にある織田信長公本廟所には、織田信長・信忠父子墓が、討死衆供養塔はじめ森蘭丸ら家臣の墓に護られるように祀られています。(お参りできます)

実は、信長の菩提寺とされる大徳寺の総見院にも、信長公の墓があります。あれ?お墓あるんだ?不思議でしたけど、これについて、阿弥陀寺に以下のような記録が残っています。

P1070404 信長の法事の執行を秀吉が、阿弥陀寺に3度も依頼しましたが、清玉は引受けなかったのだそうです。どうやら、織田家菩提寺として、織田家から頼まれて法事をするならともかく、たかが家来ごとき?の秀吉から頼まれるのが不本意だったようで・・・。

当然、秀吉は激怒し、諸方に阿弥陀寺の信長公墓所への参詣を差し止めを命じ、新たに、大徳寺境内に一院を建立、そこを「信長公菩提所」としたそうです。これが、総見院なんですね・・・。総見院での法要では信長の木像を荼毘に・・・との事でしたが、こういう事だったんだ・・・。総見院は以前ご紹介しています。【前ぶろぐ

本能寺の変は信長の遺骸が不明?などと謎のまま描かれることが多いですが・・・ここへ来ると、なんか理解することができます。織田家によって命を与えられ、共に育った清玉だからこそ、本能寺へいち早く駆けつけ、面識のあった明智光秀と話をつけ一族の遺骸を引き取り供養できたのかもしれないですね。それにしても、その日のうちに信長公の供養を快諾した明智光秀は“信長憎し”だけでは、なかったのでしょうね。現代では、なかなか理解できないサムライ魂なのかも?

阿弥陀寺 上京区寺町通今出川上ル鶴山町14 通常非公開 参拝者用駐車場有

第48回京の冬の旅 非公開文化財特別公開こちら】 

京都市観光協会 http://www.kyokanko.or.jp/

3月18日(火)まで。公開場所によっては、拝観休止日が多数ありますのでご注意ください。 拝観料:1ヶ所600円(場所によって違う場合もあります)所要時間は公開場所によって違いますが各所約30分~。専門ガイドによる説明があります。

富山発日帰りツアー:信長埋葬の寺と伝わる阿弥陀寺と北野天満宮梅花祭にて舞妓さんのお点前 2月25日(火)発 お1人様9,330円  好評受付中

http://www.enjoy-sks.co.jp/tommys/09-365/01.html#kyoto