昨日、妙心寺の塔頭の東林院(とうりいん)の「小豆粥で初春を祝う会」へ行ってきました。詳細は前日ぶろぐにて。その後「第48回京の冬の旅 非公開文化財特別公開」で公開されている塔頭を見てきました。
妙心寺は、臨済宗妙心寺派の大本山で、46の塔頭(たっちゅう)をもつ京都最大の禅寺です。建武4年(1337)、花園法皇が離宮を禅刹に改め、関山慧玄(かんざんえげん)を開山に迎えたのが始まりです。近世の禅宗伽藍の典型的な配置をしていて、妙心寺道(下立売通)に面する勅使門から方生池をへて、北に向かって三門、仏殿、法堂、寝堂、大方丈、小方丈、大庫裏などの伽藍が一直線に並んでいます。
ただ今、山内をあちこち工事中です。なかには「遺跡発掘中」の看板もありました。地下工事のつもりが、昔の遺構を掘り当てちゃうのでしょうね。ちょっと興味深い・・・。(^^;)
まずは、法堂の西側にある「聖澤院(しょうたくいん)」です。京の冬の旅では初公開の場所です。妙心寺の塔頭寺院の中でも、由緒ある妙心寺四派の一つ「聖澤派」の本庵で、大永3年(1523)に、「才は英朝」と称えられた東陽英朝(とうようえいちょう)を勧請開祖に迎えて創建されました。
四派とは「東海派」「霊雲派」「龍泉派」「聖澤派」です。妙心寺の中興開山である雪江宗深(せっこうそうしん)には、優れた4人の弟子があり、それぞれが「四派」の開祖として妙心寺の礎になったそうです。
受付を済ませ、まずは方丈(客殿)から拝観します。方丈は、慶長年間に建立、朝鮮国の通信使(外交使節団)によって書かれた扁額が掲げられています。活字みたいにしっかりとした文字です。また、方丈内は、七頭の獅子の勇姿を描いた「獅子図」、「十牛図」など84面もの襖絵があります。江戸前期から中期の狩野派の絵師で平戸藩(長崎)の御用絵師でもあった片山尚影が手掛けたものです。*写真は看板のものを使用。
方丈の前の庭にはもみじの木、石畳は、墓地へいくための道にもなっているそうです。苔の庭のよいアクセントになっていますね。
方丈の後は、数寄屋の趣を取り入れた書院です。ここにもたくさんの水墨画の襖絵や障壁画があります。狩野典信筆「麒麟図」「竹林七賢図」・・・ちなみに、麒麟は、形は鹿似、顔は龍似、牛の尾と馬の蹄をもち、雄は頭に角をもっているといわれています。また、近代の文人画家・富岡鉄斎(とみおかてっさい)の「巌栖谷飲図(がんせいこくいんず)」などが残っています。富岡鉄斎の障壁画は、60歳の時の作品で、雄大な山岳風景を鉄斎特有の力強いタッチで描いています。
第48回京の冬の旅 非公開文化財特別公開【こちら】
京都市観光協会 http://www.kyokanko.or.jp/
3月18日(火)まで。公開場所によっては、拝観休止日が多数ありますのでご注意ください。 拝観料:1ヶ所600円(場所によって違う場合もあります)所要時間は公開場所によって違いますが各所約30分~。専門ガイドによる説明があります。「寺町 阿弥陀寺」【前ぶろぐ】「報恩寺」【前ぶろぐ】妙顕寺【前ぶろぐ】
妙心寺 http://www.myoshinji.or.jp/index.html 参拝者用駐車場有
妙心寺は以前もご紹介しています。大庫裏・経蔵・東海庵 三門 衡梅院 大法院(紅葉) 退蔵院 東林院 小豆粥で初春を祝う会 沙羅の花を愛でる会