先日から「第48回京の冬の旅 非公開文化財特別公開」がはじまっています。普段見学できない庭園、建築、襖絵、仏像などの様々な文化財が、期間限定で特別公開されます。まずは織田信長の眠る「寺町 阿弥陀寺」【前ぶろぐ】続いて黒田長政ゆかりの「報恩寺」【前ぶろぐ】をご紹介しました。続いて報恩寺から徒歩1分、尾形光琳ゆかりの妙顕寺です。京の冬の旅での公開は21年ぶりです。
妙顕寺は、正式名称を「四海唱導 妙顕寺」といいます。鎌倉時代、元亨3年(げんこう:1321)、京都に初めて日像上人が創建した大本山で、門下唯一の勅願寺です。(後醍醐天皇の命により建立されました。)日像上人は、日蓮の孫弟子にあたります。
妙顕寺はとっても大きなお寺です。観光寺ではなくあくまでも檀家さんのためのお寺で、以前、ご朱印を頂きにいった知人の付添で訪ねたことはあったのですが・・・。(通常は参拝・ご朱印は社務所にお願いすればいただけます。女性向けの宿坊もあります。)
社務所入口で受付を済ませ本堂へ入ります。(スリッパがあります)最初に見るのは本堂です。間口28m、奥行き25mのどしっと重厚感のある総欅造りのお堂です。中心内部の天井には、以前は龍が描かれていましたが鳥害のため取り外し、現在は信徒さんの家紋があしらわれています。須弥壇には釈迦如来像、多宝如来像、日蓮上人像、日像上人像が安置されています。他宗派からの攻撃や都を追われる数々の法難などの解説を伺った後に、須弥壇の真下で仰ぐ日像上人は迫力があって力強いです。右下写真:看板の写真です(本堂内)
本堂参拝の後は、お庭を見ます。客殿前の庭は枯山水の「龍華飛翔の庭(四海唱導の庭)」です。*午前中は日が射していて逆光です。書院へ続く途中に、孟宗竹の坪庭があります。
書院前庭は「光琳曲水の庭」です。尾形光琳の屏風絵を元にして作られたと伝えられています。天明の大火で焼失していますが、樹齢400年を超える赤松の枝ぶりや白砂の川の流れが、往事を忍ばせます。
ここのお庭には、坪庭の竹、書院前庭の赤松、そして梅・・・松竹梅が揃っていて尾形光琳の世界を思わせます。梅の蕾は丸く膨らんで、暖かい日が続けば、じきに咲きそうな感じでした。このお庭は、梅が咲いた時に訪ねるといいかもしれないですね。
お庭の後は、寺宝を見ました。信徒だったと伝わる尾形光琳が晩年に描いた「寿老松竹梅三幅対」・・・晩年の作品だけあって、光琳といえば思い浮かぶ迫力は感じませんが味わい深い絵です。
他に日像上人筆の「極細字法華経」があります。ネズミのひげで文字を書いたと伝わるもので、肉眼では読む事ができない驚くほど小さな文字で書かれています。どうやって書いたのでしょう。不思議です。
四海唱導妙顕寺 http://shikaishodo.com/index.html
参拝者用駐車場有 *宝鏡寺【前ぶろぐ】の前(寺之内通)を東に進むとすぐ案内板が見えますので、その角を南へ進むと先に紹介した報恩寺、まっすぐ(東)へ進むと、妙顕寺があります。
第48回京の冬の旅 非公開文化財特別公開【こちら】
京都市観光協会 http://www.kyokanko.or.jp/
3月18日(火)まで。公開場所によっては、拝観休止日が多数ありますのでご注意ください。 拝観料:1ヶ所600円(場所によって違う場合もあります)所要時間は公開場所によって違いますが各所約30分~。専門ガイドによる説明があります。