まじくんママのぷち旅ぶろぐ

トミーズツアー旅の編集人がつづる「四季の京都」周辺とたまに帰る「ふるさと富山」のお出かけぶろぐです。

奈良を視て楽しんできました(9)依水園

2008年09月13日 | 奈良

先日(6日)、まじくんと再び奈良へ行ってきました。まずは、金堂(大仏殿)と大仏さま戒壇院の様子を前ブログでお伝えしました。

P1150182戒壇院を出る頃に、空が暗くなり雨が降り始めました。周辺は、公園整備の工事をしていて、雨宿りするような大きな木も場所もありません。仕方なく案内板の細い屋根の下で、立ったまま20分ほど雨宿りをしました。

雨が小ぶりになったので、もう帰ろうと南大門そばの駐車場まで歩き始めました。やがて雨は上がり、太陽が見え始めました。途中、依水園(いすいえん)の前を通りました。せっかく前まで来たんだからと、帰りたがるまじくんを説き伏せ、中に入りました。(拝観料:大人650円)

依水園は、国の名勝指定された総面積約4千坪におよぶ奈良市内唯一の池泉回遊式庭園です。西側の前園と、東側の後園からできていて、創始を全く異にする2つの池回遊式庭園を組み合わせたものです。前園は、興福寺の塔頭の摩尼珠院(まにしゅいん)の別業(別荘)があった所とされています。江戸期の延宝年間(1670年代)に、奈良の晒業者、清須美道清が別邸を設け、庭の趣向を整え、萱葦の建物を造り、その披露に招いた、黄蘗山前ブログ】の木庵禅師によって、この建物は「三秀亭」と名付けらました。庭園を鑑賞しながら「麦めしとろろ」や「うなとろ御膳」が頂けます。

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後園は、明治32年、奈良の晒業者の関藤次郎の気宇を汲んで、裏千家の12世が完成させたと伝えられています。池を堀り、小山を築き、清流を導き、数個の伽藍石や、幾多の銘木、珍木を配り、巧みに周囲との調和が計られています。

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深山に入ったような不思議な気分でした。一体どれだけの広さなのか、どこへ行けば戻れるのか?少し不安になるほどでした。

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庭園内には建物が点在しています。柳生堂、氷心亭、挺秀軒、清秀庵など、数奇をこらした萱葦や、檜皮葦の建物です。広い池の向こうに建物が見えた頃(写真左下)、再び雨が降り始めました。

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軒先に座って、庭を眺めながら雨宿りすることにしました。【ここで、先の携帯ブログを入れました】他に観光客もなく、この素晴らしい景色をまじくんと2人で貸切でした。(*^0^*)庭の遠景には、左から若草山、春日山、御蓋山(写真では見にくいです)、中景には、東大寺南大門の瓦と、参道の並木などを借景としてとりいれています。

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P1150179現在の依水園は、昭和14年に、神戸で財をなした中村準策氏が、収集した美術品を展示する美術館を創設するにあたり「美術品を鑑賞する環境」として依水園を購入し、第2次世界大戦を経て、ようやく孫の代に公開されることになりました。

庭園受付手前の「寧楽(ねいらく)美術館」(写真左)では、東洋の古美術や中国古代の青銅器、高麗からの陶磁器等が展示されています。拝観料は依水園拝観料に含まれています。好きな人ならいくらでも、さっと見るときは20分もあれば大丈夫です。

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このお庭は、紅葉がとてもきれいだそうです。現在は、色づいた葉がちらほら見れます。紅葉が盛りの頃に再び訪ねてみたいです。

なお、同じく興福寺の塔頭の摩尼珠院の跡地にある吉城園(よしきえん)先ブログ】は、すぐ隣にあります。こちらは、木が茂り苔が美しい庭だそうです。

依水園 http://www.isuien.or.jp/