みに・ミーの【みにスケール模型日記】

ミニスケールAFVを中心とした模型日記です。

超音波カッター その5

2007年10月09日 21時54分57秒 | 工具・材料
 さて、超音波カッターの使用レポートです。まずヒートペンと同じようにランナーを切ってみましょう。写真の写りが悪いのですが、室内灯だけで撮ったのでご勘弁を。
 毎秒40,000回の高速だと、刃の振動は目に見えません。通電した瞬間や対象物に触れた瞬間に、かすかにプウンと音がするだけです。しかし切りカスはさかんに細かくはねています。確かに高速振動しています。
 この超音波カッター使用時の注意点は、摩擦熱で予想以上に対象物が発熱することです。びっくりするくらい熱くなる。メーカのサイトにも書いてありますが、プラスチックだと切断面の回りはかなり溶けてしまいます。もちろん切った後はどっちみちヤスリがけをするからいいようなものですが、少し大きめに切りしろを取らねばならないでしょう。
 写真をご覧下さい。ランナーを切断したところです。刃は写真の左から右へ貫通しています。切断面の回りがかなり溶けてはみ出していることが分かるでしょう。さらに溶けたプラがカッターの刃にまといついて、糸を引くように伸びてしまいました。ヒートペンだとこういうことはありません。もう一つ、切断した直後のランナーはまだ熱を持っていて、やわらかい切断面同士がまたくっついてしました。もちろん指ですぐにポキンと外れる程度ではありますが、すぱりと両断されるわけではありません。
 結論としては、こういう作業には超音波カッターよりもヒートペンの方が適しているということです。すでにレポートしたように、ヒートペンは好みの場所で刃を止めることができますし、刃を止めた部分がずぶずぶと溶けてゆくということもありません。切断部分がまたくっつくこともありませんし、糸を引くこともありません。もちろん超音波カッターならばノコで切るよりもずっと楽なのは言うまでもありませんが、もしも超音波カッターとヒートペンの両方があるならば、こういう作業はヒートペンに任せるべきでしょう。
 では超音波カッターが得意とする対象物はというと、熱であまり溶けないもの、他の工具では細かな細工が難しいものです。模型の分野では、まさにレジンパーツですね。それからプラパーツの場合でも、非常に細く細かいパーツをランナーから慎重に外す時は便利です。部品の湯口に刃を一瞬当てるだけでポロリと取れますから、熱もそれほど問題になりません。むしろニッパーより安全。そして紙も、軽くなぞるだけですぱりと切れますので、ペーパークラフトに便利でしょう。


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