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決算特別委員会5歳児プログラムと午睡廃止問題

2014-10-10 23:18:32 | 教育・子ども

区議会の決算特別さ委員会で質問した保育と教育について私が質問した内容をお知らせします。

 

Q 公立保育園の午睡廃止について聞く。素朴な質問から入りたいと思う。

そもそも午睡は何のために必要だったのでしょうか。

午睡は保育指針にうたわれており子どもの成長にとって必要なもの

 A、午睡は休息することだったが平成20年度の保育指針の改正で午睡はなくなった。

 Q、なくなっていない。厚労省保育指針解説書 第3章「保育の内容」④子どもの発達に応じた休息の項でつぎのようにのべている。「休息は、心身の疲労を癒したり緊張を緩和したり、子どもが生き生きと過ごすためには大切なことです。一人一人の生活リズムに合わせて安心して適度な休息や午睡がとれるようにするとともに、静と動のバランスに配慮した保育の内容が求められます。」と書かれている。

こういうそもそも論を認識していないで午睡を廃止するというのは保育行政をすすめる態度としていかがなものか。

さらに「乳幼児の保育と教育」という放送大学の教材(岡崎友典・林信次郎―教授)では「保育所において午睡が必ず入っている意味は、一つにはその長い一日の生活の中で疲れを取り.動と静によるリズミカルな生活を考えている面ともう一つには、保育所において睡眠を取っておくことが、家庭での親子の接触の時間をより多くもてるようにしたいとの配慮も含まれているのである。

このことは、家庭生活との連続性をも配慮している一端であるが、一人一人の子どもの家庭での生活との連続性を保つことも大切なことであり、それは保護者との緻密な連絡によって可能になるものである。」と指摘している。

 なぜ足立区は午睡を廃止したかー江戸川大学福田一彦教授の理論をもとにしている。それは子どもは成長過程で4歳児以降は午睡を必要としないー午睡をするから夜更かしになり睡眠不足になるから午睡をやめる。ただし、希望者はその限りでない。こういう理解でいいか。

A、その通り。

Q、日本小児保健協会(会員数4200人余)が乳幼児の昼寝について1980年から調査しているが、福田教授とは違う。グラフをだして説明する。

0歳~2歳児までは議論の余地なく昼寝をしている。福田教授のデータは3歳児で70%、4歳児で80%、5歳児で90%でほとんど昼寝はしていないとしている。ところが2010年小児保健協会の調査では昼寝をしない割合は3歳児で26%、4歳児で45%、5歳児で64%となっており、4歳児で半数以上、5歳児でも半数近くの子どもが昼寝をしている。この違いをどうみるか。聞きたい。

 A 足立区が平成24年度2500名の子どもの調査で明らかになったもの。(午睡をやめてからの調査)

Q 問題があるから質問している。私は福田教授の仙台CATVのプレゼンを拝見しました。

 睡眠や最近はためしてガッテンで金縛りの研究で名をあげているが、午睡廃止問題で足立区の事例を報告している。たとえば、足立区で午睡を廃止した成果として、子どもが早く寝るようになったと答えている。これはいいことですが、どの程度早く寝るようになりましたか。

 

A 具体的に把握していないが「早く寝るようになった」と聞いている。

Q、グラフを示して実際はどうか。起床時間は一緒です。当然です。親が仕事に行くわけですから、 就寝時間は9時40分頃から9時20分ごろ約20分早くなっただけなんです。しかも、時間なのに10進法をつかって早くなった時間がわかりにくくしている。非常に意図的です。

ここにOECDが加盟国の労働時間を比較した表がある。日本の労働者は長時間労働を強いられている。週に50時間以上労働している労働者の比率では3割に達している。アメリカ20%、イギリス15%、フランスなどEUは平均5%程度です。親の就労実態をみないで保育園の午睡を廃止することは現実を見ていない机上の空論といわざるを得ない。

 厚生省が2014年3月 「健康づくりのため睡眠指針」

 日本の睡眠時間は先進国でも最低、健康づくりのための睡眠指針2014~睡眠12カ条

 毎日十分な睡眠をとることが基本ですが、仕事や生活上の都合で、夜間に必要な睡眠時間を確保できなかった場合、午後の眠気による仕事の問題を改善するのに昼寝が役に立ちます。午後の早い時刻に30 分以内の短い昼寝をすることが、眠気による作業能率の改善に効果的です。これについて、どう考えるか伺いたい。

 A それは大人のことで、こどもの保育園での生活リズムで午睡とは別問題と思っている。

 Q 子どもの生活リズムは親の就労実態、生活習慣とのかかわりで大きく変わるものであり、別問題ではない。わが国の労働環境、社会の矛盾とのかかわりなしに語れないことは明白である。ところで午睡問題を考える際に、必要なのはより根本的に子どもは成長過程でどのくらい睡眠が必要かということが問題となってくる。やはり小児保健協会の小児科医の神山潤医師はOECD加盟国で2歳から6歳までの子どもの眠り1日の睡眠時間を測定しているが、実はほとんど一緒で10時間から11時間間なんです。

 

グラフを示す。午睡の比率と国の気候と関係があって、暑い国ほど午睡時間が多く、寒い国ほど午睡がすくない。日本のように夏は高温多湿で最近は、地球温暖化の影響で異常気象が頻発しているところでは午睡は必要であることは明きらかです。

ところで23区中、午睡を廃止している区はどの程度あるか。

A 品川区と足立区です。

Q 他区が続かないのはこうした科学的根拠にとぼしいだからだ。午睡が中止されてどんな事態が起きているか、様々な方から意見を聞いてみた。

 区教委による午睡廃止は非常に強制性がつよいー5歳児部屋から布団を撤去、希望者は別室でこれ自体が差別やいじめの発言があり、その要因をつくっている。

午睡廃止の事例いくつか紹介する。・午睡できない子供が夕方いねむりして帰りの自転車から落下しそうになったとか・ある家庭では、「今日も○○ちゃんはお風呂に入れなかった」という子どもがいる。夜眠くてー夕食か風呂かの選択に迫られている。午睡廃止の弊害の一例だ。こうした現状は子どもの権利条約に反する行為であり、虐待といわれてもしかたないことだ。ただちに午睡廃止は撤回すべきだがどうか。 

A  午睡の必要な子供には保障している。午睡はやめていく方向でいきたい。

Q、いままで通りが合理的だ。眠くならない子供には、本をあたえるとか様々な対策をきちんととってきた、区教委のやり方は強制性があり、午睡廃止はやめていくべきだ。

 保育は人生の「根を育てる」もの性急な「早教育は」はすべきでない

Q、次に5歳児プログラムについて聞く。

保育と幼児教育はどうあるべきかー保育指針と幼稚園教育要領や放送大学「乳幼児の保育と教育」で次のような下りがある

「乳幼児期の教育は「根」を育てる教育だといわれる。この「根」とは、子どもの成長にとっては。生涯にわたる人間形成の基礎に当たるものである。

子どもが自ら選択して行動できるよう、保育士等にはじっくりと待つ姿勢と発達過程への深い理解が求められます。子どもの自立は一直線に進むのではなく、大人への依存と自律を繰り返し、行きつ戻りつしながら成長していくものだと思うがどうか。

 A おっしゃる通り

 Q、乳幼児期の教育において、ともすれば目に見える効果を性急に追い、「早教育」の名の下にこの時期にふさわしいとはいえない教育が行われる場合がある。極端な知的早教育などは、生涯にわたる人間形成の基礎という観点からすれば。まさに枝葉末節の事柄といえよう。」と学校教育と幼児教育のちがいをつかむ重要な指摘だと思うがどうか。

 A、同様に考える。

Q そこで足立区の5歳児プログラムについて聞く。5歳児プログラムの内容はほとんどが保育指針を具体化したもの。小学校教育との接続のための教育と理解している。区教委が2009年に発行した「足立っ子すくすくガイド」がベースである。

すくすくガイドそのものは5歳児プログラムの以前の実践例ですが、保育園から小学校にどうつなげるか参考になるものです。そこで聞くが、実践事例に「いくつといくつ」という内容があり、「1から10までを並べることで10の数ができることがわかるようにする」という指導のポイントが書いてあります。これは何歳の実践事例だと思いますか。

 A たぶん4~5歳立ち思う。

 Q、これはこれは小学校1年生の6月下旬の実践事例です。学校教育の事例なわけです。今年のあだち5歳児プログラムとして、●基本的生活習慣 ●他者とのかかわり ●学びの芽生えの3つの分類にされ、指標が示され、各園に配布されています。そこに「学びの芽生え」に数や形という項目に数の概念がわかるという項目で、1から10までの数を声にして数えたり、数の構成について確認するー7に3を加えて10をつくることができるという先ほど1年生で教えるべきことを先取りして教えている。これ事実ですね。

 A 保育園では遊びを通して子どもが主体的にやっているものだ。

 Q これは小学校の授業よりむずかしいことを保育園の保母さんにやらせている、まさに「早教育」ではありませんか。、しかも、これらの分類ごとに指標と評価を担任の保母さんに子どもひとりひとりにあてはめ4段階に評価させる。教員免許もないひとに学校教育をやらせることになるんじゃありませんか。

 A 小学校の前倒しではなく、学んだことを遊びの中でやっていく。できるできないと評価すべきものではない。

Q、5歳児プログラム 指標がここにある。ここではできる。少しできる、できないなど評価している。まさに園ごとに通過率・到達率を園長に示し、個別指導(次長組織元園長)する。これは先程、指摘した 幼児教育と学校教育とのちがい、子どもたちの成長過程は通過率とか、到達率とかで評価しにくい性質ものものであり、まさに、幼児教育要綱や保育指針で指摘されている「枝葉末節と指導」にあたるものだ。

 同時に次に次長組織・子ども家庭部の複数の課より区立保育園に大量の事務依頼がくるこうした一連の区教委の指導が保母さんの多忙化をつくりだし、保母と園長の多忙化を促進し、職場に混乱や動揺がうまれているのではないか。

 A そんなことはない。この取り組みで園長がよくなったといわれている。

 Q 足立の教育行政は次長制度により、当初のねらいとは大きくはずれてしまい、学校現場も保育園も疲弊していると言わざるを得ない事態がつくられている。

  足立区の教育行政が区民や職場の意見を聞かず、無理無体な学校統廃合を強行したり、学力向上対策と称して公教育の上に大手学習塾をおき、教員に対する管理主義・成果主義をおしつけていることはやめるべきである。

  いじめの提言にあるようにいま、区と教育委員会が行うことは現場の声を聞き、区独自にでも教員を雇い、35人学級を実現すること、また、定員割れを派遣保母で対応するなどの態度は改めるであり、そのためには、1072億円と過去最高規模となった基金を活用して施策の優先度をかえるべき区民生活を支えることを第一義的と転換すべきであることを指摘して質問を終わる。