南斗屋のブログ

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胎児死亡の場合の慰謝料

2008年03月21日 | 未分類
 交通事故により、人が死亡した場合というのは、逸失利益や慰謝料などを請求できるのですが、死亡したのが「胎児」だった場合、つまり、交通事故で死産になってしまったというような場合は、「人」が死亡した場合とは考え方が異なります。

 胎児死亡の場合は、逸失利益を請求することができません。
 慰謝料だけを請求することができます。

 人の死亡の場合は、慰謝料が赤い本などによって、「基準化」されており、だいたいの目安が示されています。

 しかし、胎児の場合は、基準化がされていません。

 赤い本でも、死亡慰謝料の末尾のところに
 「(参考)胎児の死亡など」
という項があるのですが、裁判例があげられているだけであり、基準化がされておりません。

 これまでに胎児死亡の場合で、もっとも高い金額を認めているのは、
  東京地裁平成11年6月1日判決(交通民集32・3・856)
のようです。

 この判決は、妊婦(母)が受傷したことにより妊娠36週の胎児が死亡したケースで、胎児死亡による慰謝料として
 母親 700万円
 父親 300万円
が認められています(総額1000万円)。
 
 この判決とほぼ同じ程度の慰謝料を認めているものとしては、
  高松高裁平成4年9月17日判決(自保ジャーナル994号)
があり、 出産予定日の4日前の事故により死産したことについて、
  母親 800万円
を認めています(父親については、示談していたので、裁判での請求は認められないとしています)。

 この2判決が、飛び抜けて高額であり、他は
 妊娠27週のケース 250万円(横浜地裁平成10年9月3日判決)
 妊娠2ヶ月のケース 150万円(大阪地裁平成8年5月31日判決)
などがありますが、東京地裁や高松高裁判決とはだいぶ差があります。
 

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