本件は、長野県平岡村(現天竜村)に所在した満島俘虜収容所に収容されていた米軍のティーズ一等兵が、1943年3月5日ころ、看守等により暴行を受け、死亡したという傷害致死事件です。
1 横浜裁判1号事件
被告人はT軍属です。軍属とは、軍人以外で軍隊に所属する者。
T軍属は、当時満島俘虜収容所に勤務していましたが、他の者と共同してティーズ一等兵に対して暴行を加えたということ等で起訴されました。
(裁判官)トレッチャー裁判長他
(検察官)ゲッヘン主任検事他
(アメリカ人弁護人)デッキンス中佐以下10名。
(日本人弁護人)渡邊治湟
第1回公判 1945年12月18日
判決日 同月27日
判決内容 重労働終身刑(ティーズ一等兵傷害致死事件につき有罪、他2件につき有罪)(求刑・死刑)
2 横浜裁判75号事件
1号事件ではT軍属のみ起訴されていたが、その他の被告人は75号事件として起訴されたようです。
6名の警備員及び満島分所長が起訴され、分所長以下に絞首刑が言い渡されました。
判決日 1947年2月21日判決
執行 1948年8月21日
参考文献 横浜弁護士会「法廷の星条旗〜BC級戦犯横浜裁判の記録」
(同書の概要は2017年4月の過去記事)