リタイア暮らしは風の吹くまま

古希を迎えて働く奥さんからリタイア。人生の新ステージで
目指すは悠々自適で遊びたくさんの極楽とんぼ的シニア暮らし

2013年6月~その1

2013年06月10日 | 昔語り(2006~2013)
ただ今ハワイの日焼けを脱皮中

6月3日。午前4時50分、バンクーバー国際空港に着陸。東からアプローチする場合がほとんどなんだけど、今日は反対の西の方から。空港の東側は住宅地なので、24時間営業の空港とは言え、降りて来る飛行機に朝の5時前から頭の上をキ~ンと飛ばれたら迷惑ということで、たぶん市街地を避けて、海が広がる西から入ることになっているんだろうな。上空からは山並みの山頂にキラッと金色の一点が見えた。到着便は私たちだけだったので、入国管理はすいすい。荷物を預けていない私たちはそのまま出口へすいすい。タクシーで我が家に向かう途中で前方に目がくらむような黄金の日の出・・・。

帰宅は午前5時20分。とりあえず寝るのに必要なものをスーツケースから出して、歯を磨いて、顔を洗って、そのまま「おやすみなさ~い」。俗に「red-eye flight」と呼ばれる夜行便でホノルルを飛び立ったのはハワイ時間の日曜日午後8時25分(バンクーバー時間午後11時25分)。すやすや眠れる人もいるけど、たいていの人にとってはある意味で「徹夜便」みたいなもので、目的地に降り立つ頃には寝不足の目が真っ赤・・・。それで、レッドアイ(赤目)便というあだ名がついているわけだけど、普通に午前4時前後に就寝する私たちにとっては1時間かそこら「夜更かし」をしたようなもので、普通に正午過ぎまで眠った。

ホテルで8時過ぎに目を覚ましても、ハワイの時計が午前8時過ぎと言っているだけで、私たちの体内時計はバンクーバー時間で午前11時過ぎ。いつもの起床時間と変わらない。朝食もいつもと同じ(体内)時間。ランチと夕食の順序が入れ替わるけど、食べる時間はあまり変わらない。そして、真夜中過ぎの就寝はバンクーバー時間午前3時過ぎ。体内時計と現地時間の生活のリズムがうまく一致していたおかげで、2人とも時差ぼけにならずに済んだ。わずか1週間の旅行での時差ぼけはつらいもの。

ハワイはカウアイ島もホノルルも連日28度以上。いやあ、暑かったのなんのって、あたりまえの話だけどとにかく暑かった。でも、貿易風が吹き抜けているせいで、蒸し暑さがあまりないのはうれしいな。ただ、2、3日もすると、いつもいつも風が吹いているのが煩わしくなって来る。風だけじゃなくて、お日様マークを判で押したような「天気」が何日も続くのもだんだんうんざりして来る。時たま細かな霧のような「雨」がさ~っと降るけど、あんなの雨のうちに入らないと思うけどね。まっ、やっぱりワタシには、数日からっと晴れて、雨でひと息入れて、時にはいつまで何日も曇り空の下で暮らして・・・そういう変化のある気候の方が絶対的に楽だと思うな。どうやらワタシは、太陽が燦々と輝く「常夏の国」ではうつ病になってしまいそうな体質のなのかもしれない・・・。

そういう日に当たることに慣れいていないワタシなもので、最初に行ったカウアイ島では、ビーチに沿ってのんびりそぞろ歩きしていたら、両腕が速攻で日焼けして真っ赤っか。昔から冗談に「片側15分、ひっくり返して15分で、こんがり日焼け」と言っているけど、元々色白の妹が生まれたときに伯母がワタシを見て「この子は玄米だ」と評したという逸話があるくらい色白の美肌にほど遠いワタシのこと、強い日差しの下に出ると超特急で焼ける。(でも、ヒリヒリと痛くて悲鳴を上げるほどの焼け方はしないかな。)ま、それくらいメラニン色素があるんだったら、ちょっとくらいの日焼けで皮膚がんになる心配もあまりないかも。

カウアイ島でもホノルルでも、何かと小さなハプニングがあった1週間で、ちょっぴり疲れもしたけど、まあ、楽しかったな。写真を整理して、旅のエピソードを整理して、ぼちぼちと書きとめておくことにして、きのうからハワイみやげのこんがり日焼けが剥け始めて、ただ今ワタシは盛大に「脱皮中」・・・。

旅はホテルに着くまでがタイヘン

6月4日。火曜日。起床はごく普通の午前11時半。きのうの夜のうちにパンを焼いておいたので、普通に朝ごはん。朝帰り?したきのうは1日がかりで洗濯機を回すこと5回。今日は買い出しに行かないと野菜がない。ま、普通の日常か・・・。

ハワイに向けて出発したのは26日の午後。政府同士の取り決めで、アメリカ行きの便はアメリカの入国管理と通関の手続きをバンクーバーで済ませることになっていて、目的地についてから並んだりしなくてもいいのでけっこう便利。離陸後2時間ほどで夕食時間になるので、USターミナルの寿司屋で自前の「機内食」を調達。なにしろ機内で売ってくれる「食事」はまずいなんてもんじゃない。握り6個(ちょっと分厚いサケとまぐろ)と鉄火巻とかっぱ巻のパックを2個とサラダのパック1個、冷たいお茶のボトル2本。ふと横を見たら、客室乗務員の制服を着た人が寿司のパックを選んでいた。な~るほど、会社の食事がいかにまずいかを証明してくれているようなもんだなあ。あはは。

搭乗して、座席に落ち着いて、出発は定刻。いや、座席に落ち着いたのはワタシだけで、カレシはしきりにもぞもぞ、ごそごそ。カレシはいつも大きなスポーツバッグに持ち物を全部詰めて、それを上の荷物入れに格納せずに前の座席の下に押し込みたがる。で、シートベルトの表示が消えるやいなや、消音ヘッドフォンを出し、iPodを出し、ネットブックを出し・・・とにかく、狭いところでもぞもぞ、ごそごそ。gooが「飛行機で隣に座って欲しくない人」のランキングをやったら、「もぞもぞと動いてばかりいる人」は絶対にベスト3入りだよ、カレシ。

窓際の席に落ち着いたワタシはタブレットを出して、しばしゲームでひとり遊び。でも、カレシは狭いテーブルにネットブックと外付けドライブとミニマウスを広げているもので、ときどき肘がワタシのわき腹に当たる。そういうことが何度かあると、ワタシもだんだんイライラして来るんだえkど、文句を言っても消音ヘッドフォンをかけているカレシには聞こえないから始末が悪い。バケーションに出発したばかりなのに、もう微妙に険悪な空気になって来る。ま、いつものことなんだけど。でも、新型の座席らしく、何となく間隔が狭くなった感じがするし、座席の下のスペースも小さくなったようで、カレシもやっとのことで座席で使う小道具は小さいバッグにまとめて、大きいバッグは格納するのが効率的で快適であると悟ったらしく、帰りは2つに分けて持ち歩いていた。もう・・・。

ホノルル到着は午後6時過ぎで、ハワイアン航空のカウアイ島行きに乗り換え。わずか30分なので、おしゃべりをしているうちにリフエ空港に到着。ここでレンタカーを借りてホテルに行くはず・・・なんだけど、レンタカーのオフィスが移動したらしく、シャトルバスに乗せられてしまった。ええ?調べておいた道順が役に立たなくなっちゃったよ~。もう暗いし、これでは迷子になってしまうよ~。でも、しつこく道順を聞いて、そろそろと出発。何とか幹線の「カウムアリイ」ハイウェイに入ったはいいけど、6マイルくらい行って左折する「マルヒア」ロードがないまま10マイル地点まで行ってしまった。いくらなんでも行き過ぎだということで、レンタカー会社がくれたパンフの地図を見たら「520号線」がマルヒアロード。とりあえずUターンして戻ったら、道路標識には「520号線」としか書いてない。もうっ、グーグルに文句を言ってやるっ。

他に車が通らない暗い夜道をゆっくり走って、何とか「ポイプ」ロードに到達。コアケア・ホテルにたどり着いたのはもう午後10時過ぎ。玄関で車を止めたら、駐車係の人が飛んで来て「○○様ですね?」 ふむ、どうやら3泊分を前払いしてあるのにいつまでも現れないので心配してくれていたらしい。部屋に入って、ラナイ(ベランダ)に出たら、暗闇の向こうから波の音が聞こえて来た。ああ、ハワイだ~。

ハワイ日記-カウアイ島その1

6月5日。コアケア・ホテルは両側を2つの大きなホテルに挟まれて、オフィスとレストランのある建物の後ろ、ブールの周りに3階建ての客室棟を3つ配置したこじんまりしたところ。「最もロマンチックなホテル」とかに選ばれたことがあるというだけあって、子連れはほとんどいない。午後10時以降は「お静かに」タイムというルールがあって、ほんとに静かだった。私たちの部屋はEha棟3階の「海が一部見える」部屋。たしかに、朝起きてラナイに出たら、(端っこの部屋なので)外階段の向こうに海が見えた。

ホテルの客筋は、アメリカがメモリアルデイの三連休だったせいか、ほとんどアメリカ人。いやあ、でっかい人たちが多いなあ。人体ってあんなに「拡張」できるもんなんだと感心するくらいのスーパーサイズの人がぞろぞろ。最近ちょっとぽっちゃりになったなあと思っていたワタシなんぞ「やせっぽちのおチビ」に見えてしまう。おまけに、朝食にコンチネンタルのブッフェを注文したら、「朝食込みのプランですが、よろしいんですか」と不思議そうな顔をされた。ジュースとフルーツ、ヨーグルト、オートミールにクロワッサンにコーヒー。それでも普段の朝ごはんより多いんだけど、込みとなるとみんな張り切って盛大な朝ごはんを注文するのかな。それじゃあ「大幅拡張」になるよねえ・・・。

さっそくホテルの後ろにあるビーチに出てみた。休日とあって、サーフボードやウェークボードを持った若い人たちや、家族連れが大勢。リゾート地というのはこういう「抜けるような青空と燦々と輝く太陽と青い海とどこまでも広がる砂浜」を堪能しに来るところなんだろうな。ビーチに下りるにはサンダルが必要ということで、近くの小さなショッピングセンターに出かけて、それぞれビーチサンダルと帽子を調達。さっそく店の外で履き替えて、ホテルまでビーチを散歩。風に帽子を飛ばされて、あわてて引いていく波の中から取り戻したけど、ハワイの海は地中海ほどではなかったにしても、かなり生ぬるかった。

午後はみんなと同じようにごろごろするつもりだったけど、遠くから来て1日ごろごろなんてもったいないと思って、車を出してもらって、カウアイ島名物の「Spouting Horn」という、いわゆる潮吹き岩を見に行くことにした。ホテルで各観光名所への道順を書いたカードをたくさんもらったので、ラウンダバウトの出口さえ間違えなければドライブは簡単。標識を見てぱっとハワイ語の名前の道路を見つけるのはちょっと難しいけど、幹線以外は速度制限が25マイル(40キロ)とか35マイル(55キロ)と低速なので、目を凝らしていればあまり見落とすことはない。波が来るたびに潮を吹く穴とブオォ~ンと唸る大きな穴があって、みんな金網をめぐらしただけの「展望台」から身を乗り出すようにカメラを構えて、その瞬間をキャッチしようと必死。でも、デジカメはタイミングが外れるので難しい。

潮吹き岩の道路向かいにある植物園?に寄って、迷わずホテルに帰還。ランチには遅いけど、夕食には早すぎるから、プールサイドのバー(丸い建物)でちょっと一杯。(ホテルの中のバーはまだ開いていない。)メニューはいかにもプールサイド的なドリンクと軽食。バーのスツールによじ登って、心地よい風に吹かれながらフルーツ満載のカクテルを飲んで、おやつに生春巻きをほおばって、リゾート気分を味わった。

夕食はショッピングセンターまで歩いて、買い物に行ったときに目をつけておいたRoy’s。本拠はホノルルにある、ちょっとおしゃれなレストラン。アペタイザーのメニューに「アヒのポケ」があったので飛びついた。サーバーに「本場のポケ」が食べたかったのと言ったら、いろいろとポケの話をしてくれて、「たまに生きのいいサケが手に入ったときに作るんだ」と、自分の「サーモンのポケ」のレシピをコースターの裏に書いてくれた。

その日のお奨めは「モンチョン」という名の魚をマカダミアナッツのクラストをつけて焼いたもの。後で調べたら、ムーンフィッシュともいい、日本語では「シマガツオ」というらしい。見てくれはこんな不細工な魚らしいけど、しっとりした食感で、味にも癖がなくて実に美味・・・↓

う~ん、カウアイ島はのんびりしていて、いいね!

ハワイ日記-カウアイ島その2

カウアイ島での2度目の朝。あれ、曇り空かなと思うけど、すぐに燦々たる熱帯の日差し。前の日1日で両腕が真っ赤に日焼けしてしまった。元々浅黒い方だから、ヒリヒリするほどのものではないけど、剥けるなあという予感。またまた「少食」なコンチネンタル式の朝ごはんを心配された。「メニューからどんどん注文していいんですよ」と言われても、幅が1メートルもありそうなおじさん、おばさんの後姿を目の前に見せつけられるとねえ・・・。

短いカウアイ島滞在最後の日。1日がかりで反対側のノースショアまで遠出。観光の交通の便は良くないようで、観光バスもついぞ見かけなかった。レンタカーを借りて正解だったな。ホテルでもらった道案内を片手に、まずは「ワイルア滝」へ。ポイプ・ロードに出て、左折する代わりに右折。左折してアラキノイキバイパス。な~んだ、空港からの近道があったんだ。グーグルの道順はすごい遠回り。ほんとに怒るよ、グーグル。滝への道はくねくねとした山道を行く感じ。めったに他の車とすれ違わないので、「この道でいいのかなあ」と心配になっても、道を確認する人がいない。アイルランドの僻地ディングル半島を走ったときのことを思い出した。心配しいしい車を走らせて、目の前に開けたのが2本の真っ白な水流がなだれ落ちるワイルア滝。(なぜか人がたくさんいる・・・。)

人がたくさんいるのに途中で会わなかったのは、列を成して行くという時期ではないからかもしれない。元の道を辿ってクヒオハイウェイに戻って、今度はオパエカア滝を目指す。580号線(クアモオ・ロード)の途中に駐車場と展望台があって、遠くに滝を望む。(ちょっとズームインして、こんな感じ。)近くまで行くのは大変なハイキングになるらしい。わりと交通のある道路を渡って反対側の展望台からは、ワイルア川がゆったり流れる谷間の風景。白い平べったい船は「Fern Grotto(シダの洞窟)」へ行く観光船。

またクヒオハイウェイに戻って、一路ノースショアへ。途中の町でマーケットか何かのイベントがあったのか、のろのろ運転。急にスピードアップしたと思うと、車の影もまばらなクヒオハイウェイが延々と続いて、制限時速40マイル(65キロ)。30分以上も走ってやっと「キラウエア灯台」の標識が見えた。またぞろくねくねした道に入ってしばらく行くと、目の前に海が開ける。国立野生動物保護区なので、断崖に海鳥が巣を作り、華麗に舞っている。灯台は修復作業が進められているとかで、そばまで行くには車でさらに細い道を行って、入場料?を払って、歩かなければならない。でも、灯台のそばで育ったワタシからすれば、灯台というのは、広い空と海を背景にして岬の突端に凛と立っているのを、少し遠くから全体像として眺めるのが一番絵になると思うんだけどな。

クヒオハイウェイに戻って、そのまま一路ハナレイの町へ。途中にハナレイ川を渡る1車線きりの橋がある。大雨が降ると通行止めになるところだそうだけど、幸い天気はかんかん照りで、冷房をガンガンかけていないと蒸し焼きになりそう。橋のたもとまで来ると、大きな看板に「5~7台がローカルマナー」と書いてあった。つまり、自分の前に多くて7台くらいいたら自分は止まって、反対方向の車を5台~7台通し、向こう端で車が止まったら、自分が渡る番ということになる。見ていたら、みんなちゃんとマナーを守って、実にスムーズに流れが交代していた。

ハナレイが近づいて来て、なぜかついピーター、ポール&メアリーの『Puff the Magic Dragon』の歌を口ずさんでしまったけど、魔法のドラゴンのパフが住んでいたのは「Honah Lee」で、ここはHanalei。でも、どっちも英語的には「ハナリー」に聞こえるせいで、歌が出てきたんだろうな。鼻歌を歌いながら入って来たハナレイの町はいかにも観光地的で、みやげ屋やレストランがずらり。かっては映画のロケ地にもなったそうで、世界からサーファーが集まってくるという話だった。でも、私たちは遅いランチを食べるのが先決・・・。

ノースショアのハナレイから、サウスショアのポイプビーチまでは約1時間半のドライブ。ここで試しにタブレットのGPSをオンにして見たら、WiFiに接続していなくても機能することがわかった。画面の地図の上を進む青い三角矢印を追って、はい、次の分かれ道で右に入って、次の交差点で左に曲がって・・・と、ナビゲータの仕事は楽々。もっと早くに知っていたら、迷子にならずに済んだのになあ。途中で見えたおもしろい形の山・・・何に見えるかなあ。

これでカウアイ島でのバケーションは終わり。西側のワイメアキャニオンには行きそびれたけど、丸2日しか予定を取らなかったからしょうがない。景色はすばらしいし、のんびりさが大いに気に入ったから、また来ればいいよね。

ハワイ日記-ホノルルその1(ホテル騒動)

6月6日。5月29日にカウアイ島を後にして、会議の開催地ホノルルへ移動。リフエ空港はセキュリティが建物の入り口にあって、中に入ると空港というよりはちょっとした地方都市の「駅」のような感じがする。オープンで風が通るようにできているのは、冷房しなくてもいいようにするためかな。でも、誰でもひょいとどこからでも入れそうで、セキュリティ検査をやる意味があるのかな。

会議のオフィシャルホテルは「クィーン・カピオラニ」。ワイキキのホテル群の東端にあって、道路の向かい側はホノルル動物園。ワイキキの目抜き通り「カラカウア・アベニュー」はすぐそこ。ロビーに修学旅行らしい日本人の中学生の集団がたむろしていて、思わず「ん~?」と言う怪しい予感。会議参加者用の部屋数が足りなくなったのかどうか、私たちは頼みもしないのに「ジュニアスイート」とやらに格上げされてチェックイン。冷蔵庫と流しと電子レンジとトースターと食器類があって、自室で朝食や軽食を食べられる。だけど、だけど・・・。

何なんだ、この騒音は?ガーガー、ゴーゴー、ピーコピーコとひっきりなし。窓が冷房システムがなかった時代さながらのルーバー式だから、遮音効果はゼロ。いったい何十年アップグレードせずに来たんだろうな。とっくの昔に賞味期限が切れたままで戸棚に残っていた乾燥食品みたいなもんだな。腐ってはいないけど、とにかく古い。「ジュニアスイート」は高い部屋のはずなのに、バスルームは古めかしいし、トイレはすんなり流れない。会議の組織委員会は「格安」という理由で選んだんだろうけど、これから4泊するのに、だいじょうぶか、このホテル?

案の定、カレシが「こんなところで寝られるわけがない」と文句。実はカレシは前夜トイレに起きたときに何かにつまずいて転び、足の指を挫いて、朝には2番目の指が目に見えて脹れていた。そのせいで少々機嫌が悪いところへして、この騒音。部屋を変えてもらおうとフロントに談判しに行って、反対側の「安い部屋」は満杯だと言われ、重機の騒音は下水道工事のもので、5時には終わるとの説明に、「下水工事はホテルのせいじゃないもんな」と一応は納得。たしかに、ホテルの外のことはホテルの責任じゃないよね。夜間工事はやらないようだし、昼間は外へ出ているだろうから、まっ、いいか・・・。

ところが、夕方になって、今度は真下のラナイのステージでハワイアンダンスのショーが始まった。カレシはまたフロントへ直行。ショーは8時には終わるという説明で、その間に外に食事に出かけることで一応の解決。午後偵察に出かけて目をつけてあったイタリアンレストランに夕食にでかけた。人気スポットらしく、空席待ちの行列ができている。テーブルは25分待ちということで、私たちはバーのカウンターへ。食事に満足してホテルに戻ったらショーは終わっていた。おお、静かになった・・・と思ったら、部屋に据え付けられたクーラーが重機に負けず劣らずの騒音。薄いシーツ1枚を残してカバーを剥ぎ取り、クーラーを止めてやっと何とか浅いながらも眠りにつくことができた。

朝食はプールサイドのレストラン(ショーをやっていたところ)。特に安くもないコンチネンタル式のブッフェは、何これ?今どきの「機内食」並みにお粗末で、まずいよ、正直・・・。「こんなところにいたくない」と寝不足と足指の痛みでご機嫌斜めのカレシ。他のホテルに移りたいなら異存はないよと言ったけど、「お前がはっきり賛成しないなら移らない」とダダをこね始めた。異存はないと言ったのに。ははあ、他のホテルに移ったとして、そこもダメだったら決定者の責任を感じてしまうから、自分では決断したくないんだなあ。(まさに小町横町的思考・・・。)ああだこうだと言っているうちに2人ともけんか腰。27年前にもホノルルでけんかしたっけね。ホノルルは鬼門なのかな?

部屋に戻って、トイレにこもったカレシ。ワタシはタブレットをオンにして、近くにあるヒルトンの空室状況をチェック。(便利だね、タブレットって。)ビーチと反対側に標準タイプの部屋があって、1泊30ドルほど高くなるだけ。よ~し、決定だ。うじうじ考えてないで、行動しなきゃ何にも解決しないのだ。トイレから出て来たカレシを引っ張ってすぐにヒルトンへゴー。ビーチサンダル履きで、荷物を持っていない異人種カップルがいきなり「部屋、ありますか?」と聞くもので、フロントの人はうさん臭そうに「地元の方ですか?」 いやいや、観光客なんだけど、静かな部屋が欲しいとああちゃら、こうちゃら。

やっと「あります」という返事をもらって、カレシが「見せてもらっていいですか?」(やるじゃん、カレシ。)臨時のカードキーをもらって見に行ったのは18階のどん詰まりの部屋。ドアを開けたら、おおっ、静かだあ~。しかも、私たち好みの設備の部屋(ヒルトン標準仕様というところかな)。速攻でフロントに戻って、チェックイン。すぐ引っ越していいと言うので、元のホテルに戻って、フロントでチェックアウトする理由をああちゃら、こうちゃらと説明。ペナルティなしで残り3泊をキャンセルできることになり、大急ぎで荷物をまとめて、ヒルトンにお引越し。ああ、忙しい。ワイキキって、遊ぶところじゃなかったの?

ハワイ日記-ホノルルその2

ホノルル。金曜日の朝。静かな、静かな部屋でしっかり寝て、すっかりリフレッシュした気分で目が覚めた。カーテンを開けたら、あら、いかにも南国的な雨もよう・・・。

外を歩いていると、ときたま青空からさぁ~っと霧のような雨が通り過ぎて、むき出しの肌がちょっと濡れるけど、すぐに乾く。こういうのを通り雨という言うのかな。いつまでもしつこくしとしと降るバンクーバーの雨とは大違いの、あっけらかんとした雨。南国なんだなあ、やっぱり。ヒルトンの部屋から見えるのは山の斜面を登って行く住宅地。2つの高層ホテルがワイキキの眺望を遮っているけど、ビーチ方面からの騒音も遮ってくれているらしく、信じられないくらいの静けさ。年を取っての旅は、飛行機の座席の狭さは我慢できるとしても、快適に眠れるホテルは何にも代えがたい。

会議前の「自由時間」の最後の日は、ハナウマベイまで足を伸ばす計画だったけど、カレシの足指の腫れがひどくなって来たので、取りやめ。のんびり過ごすことにして、インターナショナルマーケットまでそぞろ歩き。買い物といっても派手なハワイアンドレス2枚と冷蔵庫につけるマグネットなど数品。クリスマスショップがあったので、「ご当地」のクリスマス飾りも2個。

でもやっぱり、私たちにはワイキキはつまらないかな。前の日は引越しの後でアラモアナ・センターまでタクシーで行ってみたけど、北米のショッピングセンターのひとつに変わりはなくて、ドラッグストアでカレシの足指の手当のために医療用テープを買い、フードコードの雑踏の中でテイクアウトのランチ(ポケとカルビのコンボはおいしかった!)。まあ、年次会議で同業の古だぬきたちと旧交を温めるのが目的で来たわけで、木曜日の夜はクライアント主催の会食、金曜日は恒例になった前夜祭パーティ、土曜日は宴会と、パーティ続き。こっちの方はめちゃくちゃ楽しいのひと言に尽きるから、いいか。

会議初日の土曜日は午前6時半に起床。緯度の低いホノルルではこの時刻でもまだあまり日が高くない。日の出の時刻を標準時で比べると、ホノルルとバンクーバーではなんと1時間40分も違う。昼間の長さはバンクーバーで16時間で、ホノルルは14時間以下。もっとも、常夏の国で16時間も日が照っていたら、焼け死んでしまうかもしれないな。ルームサービスの朝食が予約の7時に届いて、曇り空が晴れて行くのを見ながら、ゆったりと朝食。ハワイでは朝起きるといつも灰色っぽい雲が広がっているのに、朝ごはんが済む頃には抜けるような青空に真っ白な雲。どうしてそうなるのかなあ。

会議の会場はハワイ大学マノア校のキャンパスにあるハワイ移民国際会議場。歩いて行ける距離ではないので、タクシーで行く。まずは大きな会議場で開会式。基調講演はアメリカで初のアジア系州知事になった日系二世のジョージ・アリヨシ元ハワイ知事。今年87歳。きれいな白髪に凛とした風格。船員だった父親が上陸して船に戻らず、そのまま居ついた「不法移民」だった話はおもしろかったな。続いてサトウキビやパイナップル農園の労働者として移民して来た日系人の厳しい生活の口述証言を集めて記録している移民史の研究者が講演。写真花嫁として渡って来た一世の女性の証言は感動的だった。貧困の中で農場や工場で低賃金で働いて子供たちを育て、血のにじむような苦労の末に築いたアメリカでの老後を「Life is good(人生はいいものよ)」と。講演者はその言葉を3回繰り返した。人生はいいものよ。生きることはいいものよ。いい生活よ・・・涙が出そうになった。

初日の日程が終わって、タクシーの便が悪いので、ほとんどの参加者が会議場前のバス停から13番のバスでワイキキへ。わいわい、がやがやと、まるでスクールバスみたいな騒々しさ。ふと見上げたら、バスでやってはいけないことのポスターがあって、ありふれた「ダメ」の他に、なんと「うんこ・おしっこはダメ」(下段左から2つ目)とあったからびっくり仰天。マナーの問題も、ところ変われば何とやら・・・。

宴会はワイキキビーチにあるホノルル水族館でのガーデンパーティ。展示の魚を見て、広い芝生に出て、ワインを片手に、中華とハワイ料理のブッフェ。気持のいい風に吹かれて、あっちでおしゃべり、こっちでおしゃべりするうちに、空はハワイアンサンセット・・・。

アクシデントやら何やらとあった1週間だった、終わり良ければすべて良しということで、27年ぶりのハワイ旅行、けっこう楽しんだよね!

ハワイ日記-番外編(植物)

ハワイではいたるところに鮮やかな色の花が咲いていて、それがみんな大きいのは、さすが南国というところ。ハワイで撮った名前も知らない植物の写真の数々。あちこちを調べまくって、初めて知ったものもあるし、知ってはいたけど「へえ、こんな風になってるんだ~」と言うのも多いし、100%確信はないけど、「これかな~?」と言うものもある。あれこれまとめて順不同で・・・。

[写真] 足元に巨大な(は少々大げさかもしれないけど)口を開けていたブロメリア。室内での鉢植え観葉植物として見慣れて来たけど、こんな大きいのはの中には置けないな。
[写真] カウアイ島のホテルの玄関横に咲いていたジンジャー。普通の生姜の木なんだそうで、島のあちこちに当たり前のように咲いていた。
[写真] まだ熟していないパパイヤが鈴なり・・・。
[写真] こっちはマンゴーが鈴なり・・・。
[写真] Spouting Hornの展望台のみやげもの屋の外にあったマンゴスティンの木。
[写真] 同じ展望台の駐車場の端にあった木。どうやらマカダミアナッツの木のようだけど・・・。
[写真] 椰子の木のようでもあるけど、椰子の実には見えない不思議なもの。「ハラ」という名前の実だそうな。
[写真] これまた不思議な形の実。「ノニ」といって、何か薬効があるという話だった。
[写真] 鳥の巣でヒナがいっせいに口をあけてコーラスをしているようで、ちょっとユーモラス。何だろうな、これ。ククイナッツの抜け殻だという人もいるけど、はて・・・。
[写真] みごとに真っ赤な花。ロイヤルポインシアナというらしい。南国の情熱の炎かな?
[写真] ハワイ移民国際会議場の日本庭園の隅にあった竹。Golden striped bambooという札があったけど、日本名はキンシダケというのかな。筍は濃い緑色・・・。
[写真] ピカケの花・・・だと思う。
[写真] ホノルルの大きなホテルの庭にあった樹齢100年余りの巨大なバニヤンツリーの幹をよく見てみると・・・。
[写真] ハワイの州花ハイビスカス。こんな大きいのを髪に飾ったら、アスコット競馬の貴婦人の帽子のようかも。       


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