リタイア暮らしは風の吹くまま

古希を迎えて働く奥さんからリタイア。人生の新ステージで
目指すは悠々自適で遊びたくさんの極楽とんぼ的シニア暮らし

久しぶりの外食をピアノ奏者が2倍おいしくしてくれた

2023年03月06日 | 日々の風の吹くまま
3月4日(土曜日)☁☂☁。相変わらずぱっとしない空模様だけど、何だか一生懸命に春になろうとしているような感じはする。きのうの朝は寝いている間に大風が吹きまくったらしく、バルコニーの棚に置いてあったプラスチックの有機ごみ入れが吹き落されて転がっているし、一緒にあったビニールシートがプランターと手すりのガラスの間に挟まって、しきりとバタバタ。そういうのを見ると、もしかして知らないうちに手すりを越えて飛んで行ったものがあるんじゃないかと気になって来るけど、なくなっていることさえ知らないってことは、なくなっても困らないものだったんだろうから、心配しても始まらない。

先週1日繰り上げた掃除をまた日曜日に戻したので、久々の外食で晩ご飯がない今日は洗濯とキッチンの掃除だけ。サケの骨缶のサンドイッチでランチをしたら、後は食洗機が回っている間にガスレンジとシンクを磨いてピカピカにして、終了。洗い上がった食器を片付け、乾き上がった洗濯物を畳んで収納したら、後は出かける時間までのんびり。誕生日でもないのにわざわざ予約を取って行く外食って、いったい何年ぶりかなあ。バンクーバーの隣の隣のニューウェストミンスターに引越して来てこの夏で8年になるけど、市内には私たち好みのレストランがないし、バンクーバーの中心街までは車で1時間はかかる上に駐車スポットを見つけるのがめんどうで、自然に特に理由がなければ出かけなくなったんだと思う。それまではほぼ毎週土曜日に気に入ったレストランを回っていたのにね。

コロナで行きたくても行けるところがなかった反動か、バンクーバーのダウンタウンなら、ニューウェストミンスター駅の下の駐車場に車を置いて、電車でグランヴィル駅まで行けば、昔よく行ったレストランはどこも歩いて15分以内だから、月に1回は行きたいねというカレシの提案で、外食を復活させることになって、第1回目はおしゃれなWedgewood Hotelホテルの中にあるBacchus。土曜日なので駐車場はけっこう込んでいて、「小型車のみ」と書いてある隅っこのヘンなスポットに駐車。この頃の車はでっぷりと肥満体だから、普通の車でも止められそうにないけど、我が家のエコー君なら楽々。ショッピングモールは電車の駅がすっぽり収まっていて、おしゃれな買い物をしに行くようなところじゃないので、駐車時間は30分、1時間、2時間、3時間で、その次はいきなり10時間になって料金がどぉ~んとアップ。外食なら4時間もあれば十分なんだけどなあ。



ちょうど予約した5時半に着いて、お気に入りだったラウンジのピアノのそばのテーブルに案内してもらって、前菜(カレシはサラダ、ワタシはマグロのタルタル)とメイン(カレシはムール貝のパスタ、ワタシはきのこのリゾット)をそれぞれ選んで、白ワイン(ゲヴュルツトラミネール)をカラフェで注文。若いピアノ奏者が来たのは6時頃で、紙の楽譜の代わりにタブレットを楽譜台に置いて、ジャズをメドレーで演奏。レストランはラウンジより1段高くなっているので、細長い指の動きがよく見える。ほんとに、いとも軽々と弾けちゃうんだよねえ。ワタシの手は確かに太短く見えるけど、(左手の薬指がやたらと長い以外は)日本人の平均とあまり変わらないみたいなのに、ピアノをうまく弾けないのは広がりが悪いからかな。休憩から戻って来たお兄ちゃんと目が合って、「リクエスト、ありますか」と聞くので、クラシックは弾くのかと聞いたら、「普通はジャズだけど・・・」。カレシがすかさずファッツ・ウォーラーの曲をリクエストして、私たちの方を見ながらいそいそと何曲か弾いてくれて、おお、いいねえ。その後で「クラシックをちょっとだけね」と、サティの『ジムノペディ』第1番を感情たっぷりに演奏してくれて、サティが好きなワタシは大感激。帰るときに楽しいひと時をありがとうとお礼を言って、ピアノの上に置いてあるグラスにチップをたっぷり。エリック・サティが好きだと言ったら、「ボクもです」。何年か前にArts Clubのリハーサルを1ヵ月間毎日見学していた時に、キャストの1人のカトリオーナが「私たちパフォーマーはね、1人でも反応してくれるお客がいるとがぜん気合が入るのよ」と言っていたのを思い出した。バーのラウンジでピアノに耳を傾ける人はほとんどいないから、何だか私たちのために一生懸命に弾いてくれたという感じがしたのは、そういうことかな。




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