リタイア暮らしは風の吹くまま

古希を迎えて働く奥さんからリタイア。人生の新ステージで
目指すは悠々自適で遊びたくさんの極楽とんぼ的シニア暮らし

2010年12月~その2

2010年12月21日 | 昔語り(2006~2013)
奥様は寒冷前線に低気圧

12月11日。土曜日。めずらしくまあまあ普通の時間に普通に起きた。湿っぽいけどまあまあの天気。夜にはミニサイズのパイナップル特急で少々荒れると言う予報で、またまた大雨注意報。予想雨量は20ミリから30ミリと言うから、けっこうそのつもりらしい。ハワイ方面から雨雲がずうっと延びて来るパイナップル特急は暖冬の風物詩?のはずなんだけど、秋から騒がれていた「55年ぶりの厳冬」はどうも行き先の違う特急に乗ってしまったような感じ。あしたの最高気温にいたっては何と11度だって。まあ、もっと長い先の予報ではクリスマスのあたりに白いものがちらほらという噂もあるけど。

今日は久しぶりにベーコンポテトと卵と言うことになって、刻んだベーコンとポテトを入れたフライパンをレンジにかけ、カレシが取り替える下着がないと騒いでいたので洗濯機を回し始め、キッチンに戻ったところで、カレシが卵のケースを落っことして、床は割れた卵でどろどろ。食べる分は取り出した後だったので朝食に支障はなかったけど、「キミをよけようとして落とした」という言い訳にカチンと来た。手を伸ばしたってぶつかるような距離にいなかったのに、何でワタシのせい?うっかり落とした事故なんだったら、そういってさっさと後始末をすればそれで済むものを、何で人のせいにするの?何がSh*tよ!それはこっちが言いたいことだってば。もう、後始末をしている間にポテトが焦げてしまったじゃないの。ま、カレシのそういうところをわかっているつもりでも、ときどきはこうやって「もうやってられない!」という気持にもなるのだ。

おまけに朝食の後すぐにIGAまで野菜類の買出しに行くはずだったのに、食べ終わったとたんにパン焼き器をセットしてしまった。あのさ、パドルを取り出す時間までには帰って来れないよ。その時間まで待っていたら、買い物はもろにラッシュアワーだよ。「癖になっていて、つい」とカレシ。すぐに買い物に行くと号令したのはカレシなんだけどなあ。今に始まったことじゃないのはわかってるけど、ほんっとに一点集中思考なんだねえ、アナタって。まあ、パドルを入れたまま焼いてしまっても、取り出すときにパンの底に大きな穴があく程度の被害だから、いいんだけどね。いいんだけど、んっとに、あ~あ・・・。

でも、「だけど、だけど」ともやついているうちにふっと「もしもあのとき?」が頭をもたげて来るから、ワタシの心理もけっこうおもしろい。もしもあのとき、10年前、ワタシと別れたカレシは絶対に熱を上げたオンナノコに結婚話を持ちかけたと思う。なにしろ自分自身のめんどうをみられないんだから、おとなしくて優しく仕えてくれるオンナノコは生活の必需品。そんなすてきなお人柄をアピールして来た中から選り取り見取で簡単に「国際結婚」できると思っていたみたいだし。けさみたいにイジワルな気分になったときは、その「もしも」の結果、何かにつけて気が利かない、だらしない、ものぐさ、気遣いができない、と愚痴られてブッちぎれているカレシを想像してしまって、ついひとり笑いになる。もっとも、「もしも」は群がる若い男を退けて、30歳も年上のカレシとケッコンしてくれる奇特なカノジョがいたとしての話だから、最後はつむじを曲げているのがアホらしくなって、「しゃあないやっちゃなあ」で終わり。ワタシって、人がいいのか、悪いのか・・・。

ワタシが横でそんなことを想像しているのを知らないカレシは、今日は何となくていねいな運転。スーパーでも、自分の野菜類を集めた後はいつものように「終わった?まだ?」とうろうろせずにカートを押しておとなしくショッピングのお供。あまりにもしおらしくておかしくなって来たけど、カレシはけっこうまじめにやっているらしいから、コメントは控えておく。カレシのご希望の「まぐろの刺身」に酢だことホッケの開きと大根おろし、七穀粥を加えた変てこ和食の夕食を作っている頃には、どうやらワイフ殿のご機嫌が治ったようだと安心したのか、にこにこ、べたべた、キスのしまくりで、特大マティニの大サービス。ふ~ん、単細胞でいいよなあ、男って・・・?

生活感満点の日曜日

12月12日。日曜日。午前9時くらいにふくらはぎの痙攣で目が覚めて、眠りに戻ったのにしばらくしてまた同じところが痙攣。今度はつり始めで目が覚めて、どうしようもなくなってしまう前に何とか緩めて眠りに戻ったけど、昔はよく足の裏がつったのに、近頃は足の親指だったり、ふくらはぎだったりする。カレシも足がつって目が覚めたと言うから、年と共に体が変化するのかな。脱水症状だという話もどこかで聞いたような気もするけど。外はひと晩中よく降って、いかにも大雨の後というぐしょ~っとした感じの風景。我が家のある地区は30ミリくらい降ったらしい。

オークストリートでギャング絡みの何だか西部劇を思わせるような銃撃事件があって、10人も負傷者が出たというニュースに仰天。場所はアーニャとブライアンと双子が住むコンドミニアムからたった1ブロック。普通の人が寝ている時間帯だったから、けが人はみんなギャングの関係で初めから狙われたんだろうけど、最近はアメリカ系、アジア系、メキシコ系その他のギャング(つまり暴力団)の抗争が激しくなって、貧困地区も高級住宅地も何もあったもんじゃない。ほんとに物騒になって来た。おかげで南北の幹線道路のオークストリートは通行止め。

幹線道路が1本通行止めでも日曜日でよかったじゃないかと思っていたら、今度はマリンドライブで道路が陥没。フレーザーストリートとの交差点近くに小型車が1台すっぽりはまってしまそうな大きな穴がぽっかり。ガス管が破損したかもしれないという話で、マリンドライブは通行止め。ここは事実上の東西のハイウェイで、空港に通じる主要道路。通行止めは火曜日くらいまで続くというから、月曜日の朝のラッシュは大変だろうなあ。南バンクーバーは合併するまでは別の町だったので、老朽化しているバンクーバーの水道管や下水道設備の中でも特に古いものが多いから、いつどこに大穴が開くかわからない。なのに、ファッショナブルにエコな市長は自転車専用レーン作りと市長室の拡大と市役所の改装に夢中で、市の財政は大赤字。おまけに、来年は大火事の焼け跡にバンクーバー市が発足して125周年ということで、700万ドル(約6億円)をかけて派手な大パーティをやるつもりでいる。これだから、ファッショナブルにエコな頭の中お花畑的なヤツは始末が悪い。おい、パーティの最中に水道管が破裂して大噴水が上がったり、大穴が開いてバンドがそっくり落っこちたりしても知らないよ。

今日は金曜、土曜と連続で出かけて疲れたので、骨休めの日。ツリーを飾り始めるのは、仕事が入って来なければ明日あたりかな。今年は徹夜や半徹夜したりしてがんばったから、仕事はもういいよね。ということで、だ~らだ~らと小町散歩。「おうち」という表現がどうのこうの、「おうちカフェ」がどうのこうのと、やたらと「おうち」がトピックになるけど、自分の家を「おうち」というのは、リネンのお洋服にババくさいお団子ヘアで、フレンチカントリーだのなんだの、ナチュラル素材だからエコだとか何とか言っている、流行雑誌を模倣した頭がお花畑の専業主婦のままごと用語かと思っていたけど、gooの編集画面にまで「おうちで過ごす手作りクリスマス」なんてこそばゆいトピックがあるから、うへっ。このままだと「食べる」と同様に「(我が)家」も死語になってしまうのかなあ。赤毛のアンの「おうち」って、アンが何と言うかなあ。

一方で「おうちカフェ」というのは自分の家で家事の合間に自分でちょっといいコーヒーを入れてほっとひと息いれることかな思っていたけど、どうやらここにも相応なファッション性とおしゃれな社交グループが要求されているような感じ。ふむ、何とか風のおしゃれなおうちで、おしゃれなお友だちをお招きして、こだわりの○○製のおしゃれなカップに、ていねいに入れたコーヒーと、手作りのお菓子(あ、スイーツと言わなければダメ?)・・・。なんだか不思議の国のアリスのお茶会みたいな感じがしないでもないけどなあ。はて、ワタシのおうち、リサイクルゴミの類を片付けて、ちょっとばかり整理しないと、ツリーを飾るスペースがないじゃないの。居住感と生活感が溢れていたら「おうち」には認定されないんだろうけど。

借金のし過ぎは危ないよ

12月13日。月曜日。ゆうべは少しだけ早めに寝るつもりだったのに、レミを飲んでいるうちに、びんに少しだけ残ったのをカレシが「飲んじゃえよ」というので、寝酒のやり直し。ついでにトリュフ入りのチーズももうひとかけだけ食べて、しあわせ~な気分でベッドに入った。おかげで、起床は正午過ぎ。う~ん、せめて11時半くらいまでには起きる習慣をつけるはずだったんじゃないのかなあ・・・。

今日は雨は休み。ポーチの気温は10度まで行っていた。最低気温にいたっては平年より数度も高いから、いったい何が厳しい冬なんだと思ってしまう。だけど、北米大陸の中部から東部は大変なことになっているから、この際天気予報の文句は(別にないんだけど)控えておく。ミネアポリスでは競技場の空圧式ドームの屋根が雪の重みで陥没して破れてしまったとか。だいたい雪が降るところにテントみたいな空気圧で膨らませるドーム屋根という発想からしてどうなのかと思うけど、雪が(ほとんど)降らないバンクーバーでも、おととしだったかの大嵐でドームのテフロンが破れてはたはたとひるがえっていた。あれに懲りて今は開閉式ドームに改装工事中で、ブロードウェイの辺りから見るとぐるっと立っているクレーンでまるでおばあちゃんのバースデイケーキみたい。ま、ミネアポリスではフットボールのチームが新しい競技場を作ってくれないならどこかへ引っ越すと言っていたらしいから、新しいのを作ってもらえるかもしれないな。

だけど、競技場のような箱物はプロのスポーツチームにはまかなえないくらいのどえらい資金がかかるから、結局は税金でまかなうことになる。市役所なんてのはどこへ行っても見栄っ張りなもので、最新のスタイルで最新の設備で最新の華々しさを目ざしたがるから、その費用は民間で必要に応じて作るよりもうんと膨らむことが多いだろうな。政治家ってほんとにああいう派手なものを作りたがるな。後世まで残って市民に愛されるものだったらいいんだけど、プロスポーツは好きな人にしかおもしろくないもんだし、営利事業だからすぐに他のチームのと比べてダサいと言い出すだろうし。まあ、将来孫に向かって「ほら、見てみ。あれはワシが市長だったときに作ったんだぞ。じいちゃんはえらいだろ」という自画自賛願望があるのかもしれないけど。

今日のニュースでは、カナダ銀行の総裁が「カナダ人は借金が増えすぎだ」とかなりストレートな警告。家計の負債比率は借金をしての浪費癖?でならしたアメリカ人よりも高くなっているんだそうな。このクリスマスはクレジットカードは使わずにできるだけ現金か銀行のデビットカードで買い物をしなさいというアドバイスだけど、効果のほどはいかに。サブプライムに端を発した金融危機と不況からいち早く脱して、銀行は政府の監督が行き届いてか健在だし、原油価格は上がっているし、カナダドルもアメリカドルとほぼ等価になったし・・・景気が良くなったつもりで財布の紐を緩めてしまう気持もわかるな。ま、欲しいものがあるのに銀行にはそれだけのお金がないからクレジットカード(最新の日本語で「クレカ」と省略されたらしい。借金が一般化した証拠?)を使うわけだし、クレジットカード会社としては請求ごとに全額決済しないで残高を残してくれた方が儲かるわけだしな。クレジットカードのことをよく「プラスチックマネー」というけど、クレジットは決して便利な「現金」じゃなくて、あくまでも当座の「借金」なんだけど、「マネー」の方に注意が行ってしまいがち。ま、サラ金が「キャッシング」と呼ばれることで、あたかも自分が元から持っているお金を引き出すような感覚を持つのと似ているような。ある種の権利意識(sense of entitlement)が根底にあるのかもしれないけど。

新聞を見たら、日本政府が年金の支給額をデフレを反映して減額するというニュース。基礎年金だけらしいけど、これは金額から見てカナダの老齢保障年金にあたるのかな。満額支給でもせいぜい200円くらいだとか。それでも減額は減額で、心理的にはや~な気分になるだろうな。カナダの年金はインフレ調整はあるけどデフレ調整はない。カレシが年金受給開始の申請をしたときに送られてきた説明書には「年金は物価上昇率に応じて引き上げられます。年金の支給額が引き下げられることはありません」とはっきり書いてあった。もっとも、インフレではそれに合わせて年金の支給額が増え、もしもデフレになっても金額は減らないから使えるお金が増えるということで、いつまでそんなおいしい話が続くかはわからない。まあ、カナダ銀行は国民は借金しすぎ!と、金利を引き上げるかもしれない。そうしたら、今度はワタシの老後の蓄えが増えるから悪くはない。まあ、信用は財産だけど、借金は財産・・・は無しにしておきたいな。

便利さに慣れて自然の怖さを忘れるなかれ

12月14日。火曜日。かなりの風があったらしい。標高の高いバーナビーマウンテンでは雪が積もったとか。ここはサイモンフレーザー大学があるところで、ちょっと大雪が降るとバスも車も頂上まで上がれなくなって休講になったりする。ロープウェイを作ったらという話もあるらしいけど、元々何だってあんな交通の便の悪い山の頂上に大学を作ったのかなあ。ずっと昔この大学の通信講座をやっていたときに試験のために仕事が終わってから学校まで行ったけど、帰りはバスが超満員で何台も待たなければならなかった。ま、今日はちょっと寒いから夜になったらふもとのあたりでも白いものがちらつくかな。

テレビをつけたら、オンタリオ州のサーニアの近くで、視界ゼロの暴風雪でハイウェイにトラックや車が何百台も立ち往生して24時間以上も閉じ込められているというニュース。貨物トラックの運転手の中には2日以上も立ち往生の人もいるそうで、知らない人同士が互いの車に身を寄せ合って暖をとったり、手持ちも食べ物を分け合ったり。とにかく、除雪車も出動できない大雪で、スノーモビルやヘリコプターを出動させての救出作戦になり、付近の小さな町の人たちは教会や公会堂に集まって、救出されてバスでやってくる人たちに炊き出し。ある町の10室しかない小さなモテルの経営者は、車を捨ててたどり着いた人たちを自分の居室やスタッフの部屋、はてはオフィスのソファ、さらには両親の家、近所の家にも泊めて、「こういうときはできることは何でもやらなくちゃね」と、フリーザーのありったけの食材で食事の世話をしているという。町民たちも見知らぬ客を自宅に泊めて暖かい食事を出しているそうで、「大鍋にスパゲティをどっさり作って、ワインを飲んで、楽しくやってるわ」と、クリスマス気分。まさにクリスマスシーズンにぴったりの心温まる「隣人愛」の話がたくさんあって、きっとこれから何年も何十年もクリスマスが近づくたびに「2010年大吹雪」の数々のエピソードが語り継がれて行くんだろうな。

夜までには延々と続く立ち往生の車をほぼ全部チェックして、誰も残っている人がいないことを確認したそうだし、「帰ってこない」という行方不明の報告も今のところはないそうだから、400人近い人たちはみんな無事どこかにたどり着いたんだろう。大雨と違って大雪は視界全体が白一色になるし、周りの音が聞こえなくなって、方向感覚が失われるから怖い。20年前だったか、ダウンタウンからの帰りに大雪になり、近道のつもりでゴルフ場を突っ切ろうとして危うく迷子になりかけたことがあった。耳を澄ましてかろうじて聞こえる大通りの音を頼りに何とか家の前の道路まで出られたけど、立ち止まってはくぐもった車の音が左手側に聞こえるのを確認しながら歩くことを繰り返して、10分足らずで突っ切れる行程に30分以上。視界の利かない猛吹雪だったら、広いゴルフ場の中をぐるぐると彷徨して、遭難してしまったかもしれない。今思い出してもあれは絶望的に孤独な恐ろしい経験だった。

北海道でも都会の近くで「遭難」する人がいるという話を聞いたことがある。郊外に住んでいて、酔って帰る途中で、バスを降りて歩いているうちに雪の中で動けなくなったり、道に迷ったりして、凍死したというケースだったかな。雪山で遭難するのと同じようなもので、へたをしたらそのまま上に大雪が積もって、春まで見つけてもらえないこともある。根雪と言うのは文字通り地面に根が生えたように春まで解けないからね。せっかく家までたどり着いても玄関先で寝込んでしまって凍死したという悲しい話もある。都会だからといって、北国では冬将軍の力を侮ってはいけないという教訓だけど、公共サービスの行き届いた都会、ハイウェイ、自動車・・・あまりにも便利すぎて、その便利さがあまりにも当然すぎて、つい自然の怖さを忘れてしまうんだろうなあ。

知らない人の中にいる安心感

12月15日。水曜日。曇っているけど、まあまあ。よく眠ったようだけど、よく眠りすぎているのか、起きたときに何となく疲労感があるのはどうしてだろうな。でも、とにかく起きて、朝食を済ませて、まずは郵便局へ。夕方には別の作業があるから、トレッドミル代わりの運動に歩いて行く。雨がぽつん、ぽつん。玄関先でカレシが「帰りに土砂降りになっていたら電話しろよ。迎えに行くから」と。ありがとうね。

地下鉄の駅方面に向かう歩道はがカレッジの学生の列。年末休暇に入る前の試験の時期で、ワタシの後を歩いている男の子と女の子はフランス語の試験だったらしい。「ぼくさぁ、アクセント記号、だいぶ付け忘れちゃってさぁ。すんげぇ減点だよなぁ」と男の子。「そ、そ、そ、アクセント。アタシなんかさぁ、ハイフンまで忘れちゃったぁ。それにさぁ、文法の質問なんてぇ、わかんないじゃん」と女の子。鼻にかかった尻上がりの典型的な若者トークがおかしかったけど、うん、試験の悩みはいずこも同じだな。

デパ地下の郵便局は、クリスマス前で込んでいるかと思ったら、行列ができていない。近頃の人たちはカードを出したりしないのかな。そういえばカードショップの品揃えも昔と比べて少ないような気がするな。若い人たちはきっとEカードで済ませるのか、テキストメッセージですませるのか。国外向けの業務用やワタシ用の大小の封書に小型小包を、ひとつずつ大きさを測って、重さを測って、これはいくら、あれはいくら。切手も買って、しめて70ドル。すべて国際郵便だから、切手以外は税金がかからない。そっか、国内で消費するサービスじゃないもんね。残る送り先はほとんどが国内だから、週末前に投函すればクリスマスに間に合う(つもり)。

週中の午後ということもあるだろうけど、モールも思ったほど人がいない。特に不景気ではないはずだけど、そういえばカナダでは今年のクリスマスは緊縮予算の人が多いとニュースで言っていたっけ。だからかな、カタログ通販はカナダもアメリカもこぞって「送料・手数料無料」。モールのウィンドウには「50%オフ」、「70%オフ」の張り紙がべたべた。ディスカウントが70%というのはすごいけど、よく見ると数字の前に小さく「up to」と書いてあったりする。「最大」70%ということで、どうしても売れ残りそうな不人気品が70%オフなんてことが多い。まさに、fine printを読めってこと。よく虫眼鏡がいりそうな字で印刷してある「但し書き」のことで、たいていは買う人に「ほんとは知って欲しくない」ことが書いてあるから、読まなきゃ損、損。

ウィンドウショッピングは特に趣味じゃないけど、用事が済んだらまっすぐに帰りたがるカレシと一緒ではウィンドウをちらりと見るのが精一杯だから、ひとりで気ままに歩けるのは楽しい。ワタシは子供のときからクリスマスの季節が大好き。教会付属の幼稚園に行っていて、クリスマスの降誕劇では聖母マリアにお告げを届ける大天使ガブリエルの役をするはずだったんだけど、なにしろ蒲柳の質とかで休むことが多く、クリスマスを待たずに退園。舞台デビューは果たさずに終わった。(そのときに家で練習するために渡されたせりふの紙が今でもあるけど、聖書の言葉そのままで、いくらおしゃまなワタシでもちんぷんかんぷんだっただろうと思う。)

それでも、今この年になってもやっぱりクリスマスが大好き。何も買いたいものがなくても、買えるものがなくても、街やモールを往来する人たちの流れを眺めるているだけで楽しい。家族連れがいて、カップルがいて、一人だけの人がいて・・・あんがい、いろんな人がいる中にいて、ちょっと形容できない「安心感」とでも言えそうな感覚にほっとする自分が楽しいのかもしれないな。でも、それが日本にいたときから感じていたことなのかどうかはわからない。子供時代のクリスマスには家族そろっての楽しい思い出がたくさんあるけど、街を歩いていて「クリスマス精神」を感じたかどうかは疑問だな。まあ、自分なりの宗教観を持つようになった今とは違って、あの頃はまだ未熟で単純な「娘」だったから。今、見知らぬ人たちの群れの中にいて安心感があるというのは矛盾しているように思えるけど、自分でもわからない何かが深層心理のどこかにあるのかもしれないな。少しは人間として成長したということならそれでいいんだけど。

結局、ポータブルのDVDプレーヤーを買いたいと思って入った店で、操作が簡単で、使わないときは電子写真立てとして使える8インチ画面のを2つ買った。また5つか6つ注文してしまったレクチャーのDVDを自分のデスクで見るためにひとつ、カレシへのプレゼントにひとつ。しょぼしょぼ雨の中を家に帰って、今年最後になる仕事をさっと仕上げて納品して、いよいよあしたから新年の仕事始めまでほぼ3週間の休み!(でも、仕事したいような気分になったりして・・・。)

とことんショッピングもまた楽し

12月16日。木曜日。雨、ぽちぽち。いよいよ今日から本気で休み。クリスマスイブまでは買い物、買い物の連日かな。午前11時半に起きたけど、案の定、FedExの配達を逃した。追跡サイトには「正午までに」とあったので予想はしていたからいいんだけど。空港に近いから、どうしてもそっち方面から来るものは寝ている時間に来てしまう。ま、空港に近いってことは、デポまで取りに行くのも特にめんどうではないってこと。でも、今回はゲートの中に入れておいてもらえるようにしておこうかな。

今日は、カレシがきのうで終わった英語教室の出席表をオフィスに出すのを忘れたというので、買い物は東方面。(ハウスはこの出席表の人数に基づいて政府から補助金をもらえるらしい。)用事を済ませたら、目指すは前から行こうと言っていたGourmet Warehouse。ローカルテレビで料理番組をやったり、雑誌にレシピを書いているちょっとした地元セレブのおばさんがやっている店で、ヘイスティングスの東の方のちょっとうらぶれた通りにある。調理器具から香辛料から菓子作りの材料から食器や本がごちゃごちゃとあって、かっぱ橋の道具街をミニに圧縮できる限りぎゅうぎゅうに圧縮してひとつの店に詰め込んだような感じがしないでもない。

店の中に入って真っ先に見つけたのが包丁のケース。魚を三枚おろしにするナイフがあった。カレシがプレゼントしてくれることになっていたんだけど、これがどこへ行っても置いていない。同じ細身の形でやや短い骨取り用のナイフ(boning knife)はどこにでもあるけど、魚用のナイフ(filleting knife)は刃が薄くて、値段の高いものは背骨に沿って身をおろせるように弾力性がある。まあ、最近は魚を食べる人が増えたとはいえ、元々は肉食の国だから、魚を丸ごと買ってきて自分でおろす人はそういないだろうな。カレシはさっそく「これ、これ」。鍵のかかったケースから出してもらったナイフはどうやらそれ1本きりだったらしく、奥から出してきた箱に入れて、レジで預かられた。(なにしろ刃物だからね。)ついでに、魚を丸ごとゆでる細長いステンレスの鍋も買ってもらって、めっけものをした感じ。(帰って来たとたんにカレシがナイフと一緒にどこかに隠してしまったけど・・・。)

後はアミューズブーシュ用の小皿2種類を6枚ずつと、ミニのタジン鍋を4個。これはきっと調理用というよりはテーブルに出すものかな。そのうちに調理用のしっかりしたものを買わなくちゃ。(タジン鍋は日本で流行っていると言う話を聞いたような気もするけど・・・。)小皿のコレクションが増えてうれしくなったもので、お客用のテーブルマットとナプキンも買ってしまった。お客を呼ばなくちゃならないなあ、これじゃあ。日本語しか書いていないてんぷらのしき紙まであったので小さい方50枚入りも買って、壁際におしるし程度にあるフリーザーをのぞいて見つけた冷凍のフォアグラも(うんと小さいのを)おまけにバスケットに入れてしまった・・・。

それにしても、きのう見たモールのファッションの店はあまり人がいなかったのに、この店は平日の午後だというのにかなりの人数の客が入っていた。この違いは何なんだろうな。クリスマスのプレゼントはやっぱりファッションよりは道具ってことなのかなあ。でも、カップルで買い物している人が多かった。まあ、ワタシは食べ物以外は趣味的なショッピングはめったにしないもので、きのうと今日と連続でけっこう楽しかったな。もうだいぶ散財したけど、ずっと1年間がんばった自分たちへのプレゼントだもんね。それをやるものクリスマスぐらいのものなんだし・・・。

あしたはダウンタウンへ行くぞ~とカレシが言っている。買い物のほかに、クリスマスマーケットに行って見たいけど、なんだか忙しない午後になりそうな・・・。ま、めずらしく2人そろってどこへも行かずに家で好きなように過ごせるちょっと長めの休みだから、クリスマスイブまでは「shop till you drop(とことん買い物)」と言うことにして、イブから先は年が明けるまで食べて、飲んで、また食べて。うん、何だか今年はいいクリスマスになりそうな、わくわくする予感・・・。

おうちバケーションは臨機応変で行こう

12月17日。金曜日。早朝の7時過ぎにゴミ収集トラックの往復とリサイクルトラックの音で3度目が覚めて、また眠り直し。11時半に目が覚めたら、外はまぶしい。カレシはとっくに起きてしまったらしい。キッチンに降りたら、何となくむくれた顔つき。早起きしすぎたのかなと思ったら寝る前にFedExの不在通知にサインをして、ゲートの内側にブルーボックスを置いて、ゲートを開けられるようにロックにテープを貼って置いたのに「まだ来ていない」と。あのさあ、不在通知には今日の「午後5時」までに再配達を試みるって書いてあるんだけど。

ダウンタウンに出かけるはずだったのに、またパン焼き器をセットしてしまった。「FedExが来るまで出かけたくないから」と。せっかくのいい天気なのに、また予定が狂ってしまった。おまけに「きのうから腹具合が悪いから、トイレに駆け込めないところには行きたくない」ときた。おやおや。水曜日の英語教室の今年最後の日に、生徒さんたちとポットラックパーティをして食べ過ぎたんだそうな。そういえば持ち寄った料理を並べたテーブルに3回くらい足を運んだよね。中国の料理にベトナムの料理に南米の料理。ワタシも寿司飯とスモークサーモンとネギで即席の渦巻きロールを作って持って行った。何か胃がびっくりするようなものがあったかなあ。それよりも、消化の良い魚に慣れた胃袋に肉やご飯を大量に詰め込んだもので消化不良を起こしたのかな。カレシはしきりに「年のせいかなあ」とぶつぶつ・・・。

まあ、家で過ごす休みというのはこんなもんなのかもしれないけど、せっかくのいい天気なのにもったいないような気がするな。鼻をくじかれたかっこうで、しばしだらだらしていたら、FedExの配達がやって来て、5科目の講義DVDが届いた。箱を開けていると、カレシが「パドルを取る時間が過ぎてしまった」と言って来る。過ぎたといっても高々5、6分。さっと取ってしまえば問題はないのに、パン焼き器のパドルくらい自分で取れないのかなあ。しょうがないからキッチンに駆け上がって、パドルを取り出して、時計を見たら2時を過ぎたところ。

ひとっ走りダウンタウンまで行って来ようと思い立って着替えをしたのはいいけど、ソックスを履く段になって、地下鉄の駅まで歩いて15分、シティセンター駅まで15分だから、往復の時間だけで1時間。ダウンタウンでの移動時間を考えたら、ゆっくりしていられる時間はないも同然。ということで、また着替えをして、今度はクリスマスツリーを飾るために、カレシも動員してまず場所作り。それから玄関下の物置からバケツリレーの要領でガラクタを取り出して、箱からツリーと飾りを入れた段ボール箱2つ。またバケツリレーでガラクタをしまってからツリーをセットして、箱の中の飾りを全部テーブルに並べたところで、もう夕食のしたくの時間・・・。

[写真] 夕食後にツリーを飾り始めて、10時過ぎには完了。あれ、すごく早いなあ、今年は。去年は2日がかりだったような気がするけど、今年はたったの3時間。どういうことだろう、この違い?仕事をしながらじゃないから、五月雨式じゃなくて集中豪雨式にできてしまったのかもしれない。とにかく、我が家もやっとクリスマスムードになったと、ほっとひと息。だけど、だけど、カタログ注文した飾りがまだ届いていない。あと3個、かける枝がもう残っていないかも・・・。

それでも、何を思ったのかカレシが紅茶を入れてくれて、リビングの大きなテレビでMcWhorter先生の言語学の講義を見ながらひと息。ああ、休みっていいなあ。まあ、「おうちバケーション」なんだから、ちょっとくらい予定が狂ったからって慌てることはないか。うん、そこは臨機応変に、あしたの風に吹かれて右往左往するのもまた楽しからずや・・・?

雨の中のクリスマスマーケット

12月18日。土曜日。ものすごい風の音で目を覚ましたのが午前9時半。窓に雨が叩きつけられるような音はしない。ただ風の音がまるで竜巻のようにごごぉ~っと吹き抜けるのが聞こえるだけ。きのうはあんなにいい天気だったのになあと、出かけそこねて損をしたような気分でまた眠りに戻った。11時半に起きてみたら、もう風は止んでいて、雨がぽつり、ぽつり。降るのか降らないのか、決めて欲しいもんだけど、(イギリスの)ロンドンあたりは大雪で大変なことになっているというから、雨くらいで文句を言うとバチが当たりそうだな。

朝食をしながら、窓の外はぽちぽち程度らしいので、ダウンタウンへのお出かけを決行することにして、次はロジスティックスの問題。モールまで車で行っても、今日はクリスマス前の最後の週末で、ショッピングのホームストレッチだから、駐車場に止められる見込みはまずゼロだし、ダウンタウンまで車で行くなんて芸当は考えるだけ時間のむだ。結局、モールにできるだけ近いところに路上駐車して、地下鉄で行くことにした。幸い駐車場からそう遠くない公園の横に時間制限のないスペースがあった。駐車場では空きを探す車がぐるぐる回っているのに、道路を渡っただけで空きがあるというのはおもしろい。寒いから反対側にある駅までモールを抜けて行く。さすがに今日は込んでいる・・・。

ワタシの降る料金の切符とカレシの割引料金の切符を買って、なにしろ「改札口」ってものがない不思議な地下鉄だから、そのままホームに行って、ちょうど入って来た電車に乗る。地下鉄もけっこう込んでいて、バンクーバーカナックスのジャージーを着ている人がかなりいるのは午後4時からトロントメープルリーフスとの試合に行くんだろうな。普通は午後7時に始まるのに、今日は午後4時なのは、それがトロント時間で午後7時で、カナダ国営放送(CBC)が中継をするから。何でトロント時間に合わせなきゃならないのと思うけど、トロントでは自分たちがカナダの中心だと思っているからしょうがない。ま、トロントのチームは靴拭きマット級のへぼチームだから午後の試合だってどうってこないんだけど。

ダウンタウンではまずお目当てのクリスマスマーケットに行ってみることにした。場所はほぼ東の外れの市営の劇場の外で、CBCのバンクーバー局の道路向かい。何でならんでいるのかと思ったら、入場料が週末は5ドル。カレシは4分の1入っているスコットランド人の血が騒いで、「オレはいいよ。買い物が終わったら電話するから」と言って、さっさと自分の買い物に行ってしまった。(たぶんワインなどを試飲させるので入場料がかかるんだろうな。)

入り口で5ドル払って、運転免許証を見せて(成人であることを証明して)、手首に赤いバンドを巻いてもらって、小屋のような店の間を歩いてみる。焼きりんごやアップルパイ、スパイス入りワインのいい匂いが漂っていて、中央ではバンドが(こてこてに北米の)クリスマスソングを演奏していた。まあドイツ語がそこかしこで聞こえるから、ドイツ風なんだろうと思うけど、よくわからない。豚を丸ごと焼いている店があったり、なぜかアルパカのショールを売っている店があったり、アンデスの毛糸の帽子を売っている店があったりして、ますます「これってドイツ風?」と思ってしまう。

どうやら一番の目玉は大きな白いテントで、「Kaethe Wohlfahrt」と書いてある。出口の方から中を透かしてみたら、ある、ある。すてきなクリスマスの飾りがどっさりで、人もどっさり。入り口に回ったら、行列ができていて、しんがりは?と見ると、ロープに「ここから30分待ち」という札が下がっていた。中を見たいと思ったけど、雨が本気になって降って来たので、30分も並んでいたらずぶ濡れになってしまう。クリスマスに近い週末だから込んでいるんだろうし、しかたがないからあきらめて、ワインやサイダーの試飲もせずに出口へ。まあ、盛況だったら毎年恒例にするという話だから、来年までお預けにしておこう。

TIME誌だったか、最近北米で「ヨーロッパ羨望」という風潮が高まっているという記事があった。元々ヨーロッパから移民が来て定着したところだから、北米人がヨーロッパに憧れるのは今に始まったことじゃないんだけど、定期的に「ヨーロッパ」が流行するような傾向はある。ファッショナブリーにエコなバンクーバー市長にいたっては、何というと二言目には「ヨーロッパでは~」の出羽の守。ひょっとしたらヨーロッパ系以外のマイノリティ移民が増えたせいなのかな。それとも、高級化志向が王侯貴族の伝統があるヨーロッパへの憧れを呼ぶのかな。北米文化は基本的に「成金」文化なんだけど、それが新興中国の「成金文化」に押されつつあるような危機感が出てきたのかな。それとも、北米経済の大黒柱だった中流階級が衰退を続ける中で、日本のポストバブル心理のような、漠然とした閉塞感のようなものがあるのかな。それとも、市民の心理の潮流が、余裕があった頃の「東洋の神秘」への憧れから、ヨーロッパの「伝統」への回顧的な憧れに変わったと言うことなのかな。よくわからないけど、Europe is inということらしい。

クリスマス飾りの店を見られなかったのは残念だけど、まあ、今年はもうツリーは飾ってしまったから、来年はオープン早々を狙うことにして、雨の中、その足でHマートへ。雪が降っていたら、風情が違っていたのかなあ・・・。

現実は2人きりのクリスマス

12月19日。日曜日。今日は天気がいい。どうして出かけない日ばかり天気がいいんだろうな。まあ、今日は2人ともちょっと疲れた気分だから、どっちでもいいんだけど、天気予報は夜半から雪がちらついて、月曜日の朝はみぞれ。また雪かきの心配をするのかと思ったら、午後には「雨」ということで、朝からシャベルを持って飛び出す殊勝な人はまずいないだろうな。せっかくの思いつきの「思いやり」条例、せいぜい「24時間以内」くらいにしておけばさしたる問題もなかっただろうに。クリスマスまでずっと雨、雨、雨の予報だから、条例の効力を試してみる機会はたぶん来年までお預けだろうな。ま、市役所の方も雪が積もらないようにと祈っているかもしれないけど。

のんびりしていたら、ゲートのチャイム。「カナダポストで~す。小包2つで~す!」。ええ?今日は日曜日じゃなかった?ゲートまで出て行って、通販の大きな箱と日本からの小包を受け取って、「日曜日ですよね、今日?」と言ったら、「間違いなく日曜日で~す」と元気なお兄さん。曰く、「いやあ、今年は小包がすご~く多くて手が回らないので、こうしてヘルプしてま~す」。ヘルプしてるって、つまり自発的に日曜日に出勤してるわけ?「日曜日だと配達先に人がいることが多いですから~」。へえ、昔はストばっかりやっていたあのカナダポストがねえ。民営化というのはすごい威力だな。そういえば、州営の酒屋なんか、民営化する話が出ただけで(れっきとした公務員の)店員の態度もサービスもびっくりするくらい良くなったっけ。ふむ、いっそのこと市役所も民営化しちゃったらどうなんだろう・・・?

通販の箱にはおしゃれ着のTシャツが3枚、雪だるまのモチーフのクリスマスツリー飾り3個セット、衝動買いしたインテリア飾りの置き物セットが2つ。置き物と言っても、房のついたアンデスの毛糸の帽子を被った小鳥の4個セットと、スケートを履いた雪だるまの4個セットで、ひとつひとつがちょうど手のひらに乗るサイズ。マントルピースのクリスマス飾りのつもりで買ったんだけど、ユーモアのあるポーズがそれぞれに違うから、並べ方次第で愉快なお話ができるかも。

我が家もだんだんにクリスマスらしくなって来た。2人だけのクリスマスもほぼ10年近くなるのかな。元から家族連れでやってくる子供がいないから、ほんとに老夫婦2人だけのゆったり、まったり、(たぶん)ほっこり?のクリスマスとお正月。カレシや、これからもいつかどちらかに「そのとき」が来るまではほんっとにワタシと2人だけの暮らしなんだってこと、ゆめゆめ忘れるなかれ。年が年だから、オンナノコに萌えるくらいは「いつまでたってもアホやなあ」と大目に見てあげるけど、もしも「そのとき」が先にワタシに来ても、「次」はなさそうだという現実は心に留めておいた方がいいよ。いつまでも親がいると思うなと言うでしょうが。女房だっていつまでもいてくれると思うな・・・なんだから、男の人生ってのは。

そろそろ冬眠しようかな

12月20日。月曜日。のんびりと正午過ぎに起きて外を見る。ふむ、ぜんぜん白くないじゃないの。ニュースを見ると「パイナップル特急」が来ると言う天気予報。予報サイトを見ると、あ~あ、来週の月曜日までず~っと雨。ま、ロンドンやパリの空港には大雪で立ち往生している人たちがたくさんいるんだから、文句は言いっこなし。バンクーバーの空港でもロンドン行きが欠航になって困っている人たちがたくさんいるらしい。今夜は皆既月食だそうだけど、まずダメだろうなあ。

今日は郵便や小包の配達が一番忙しい日なんだそうな。ゆうべのうちに残りのクリスマスカードを全部書き終わって、午前2時半に2ブロック先の郵便ポストまで、ボディガードのカレシと2人で駆け足。(気温は1度だった。)ポストにどんと放り込んで、もうひとつクリスマス業務が終了というところ。夕食後に長いうたた寝をして目が冴えてしまったカレシと、ジャズのCDを聞きながらのんびりと寝酒。どういうわけかここのところやたらとおなかが空くから困る。いつもの時間に朝食、夕食、ランチと食べているんだけど、午前3時を過ぎるともう腹ペコで、そのままでは眠れない。はて、仕事で座りっぱなしの時と違って、けっこうちょこまかと動いているからなのかな。それにしては、朝食後に測った血圧は下が59しかなかったなあ。先週の英語教室のパーティの後2日ほどなぜか血圧がすごく上がっていささか心配になったけど、これじゃあ下がりすぎ。

今日は午後いっぱい、注文してあった食材をピックアップして、セイフウェイで必需品を買って、青果屋で野菜や果物を買っての買出しツアー。これにてクリスマスからお正月までの「冬眠」になくてはならない(ま、なくてもいいことはいいんだけど)食品類の買出しは完了。野菜やきのこ類が溢れて、夏に買った冷蔵庫が初めていっぱいになった。フリーザーもほぼ満杯で、これ以上食べるものを買っても、要冷凍・冷蔵だと貯蔵場所がないから、そろそろ食べる方にかからないと・・・。

夕食後には、カレシがトイレに入っているのを見届けて、それっとプレゼントを包んでツリーの下に置いた。ないしょ、ないしょのプレゼント。後は(なぜか舞い降りてきた小さめの仕事があるんだけど、納期まで余裕があるから)のんびりジグソーパズルをやる。絵柄はチャーリーブラウンの何ともしょぼいクリスマスツリー。星空を埋めるだけのところまで来て、そういえば、今日は通販の注文の残るひとつの配達予定日だったことを思い出した。来たのかな?来なかったのかな?発送元のサイトでチェックしたら「配達済み」。ええ?午後はほとんど出かけていたから、また「不在通知」?それともゲートの外に置いて行った?

あわてて外へ出てゲートを開けて見たけど何もない。不在通知らしいものもぶら下がっていない。さては盗まれちゃったのかな。あるいは通知を郵便受けに入れてくれたのか。とりあえず郵便受けの蓋を開けてみたら、大きなバッグがぎしっと詰め込まれていたからびっくり。我が家の郵便受けは本の小包が入るように作ってあるからデカイ。衣類だから柔らかいとはいえ、そのでかい郵便受けにぎゅ~っと押し込んで行ったわけで、反対側から引っ張り出すのにひと苦労。それでも、これでネットショッピングも完了で、いろいろと気ぜわしかったけど後はほんとに冬眠するばかり。(仕事はあるけど・・・。)

あしたは冬至。予想最高気温は摂氏6度。雨。クリスマスイブとクリスマスの予想最高気温は何と9度。公式に「冬」が始まるのに、これじゃあホワイトクリスマスどころじゃない。冬至と皆既月食が重なるのは400年ぶりだとかで、おまけに春のアイスランドの火山噴火の影響で、地球の影に覆われた月が血のように赤くみえるかもしれないというのに、曇り空には月の影も形もない。う~ん、残念・・・。