前回、今年のベストテンそのものに触れられなかったので、それを書いておきたい。まず、文化映画から。文化映画だけは、ベストワンしか報道発表されないから、他の作品も紹介。
①沖縄 うりずんの雨(ジャン・ユンカーマン)②戦場ぬ止み(いくさばぬとぅどぅみ、三上智恵)③瀬戸黒-加藤孝造のわざ-(村山正実)④“記憶”と生きる(土井敏那)⑤芭蕉布-平良敏子のわざ-(謝名元慶福)⑥福島 生き物の記録 シリーズ3~拡散~(岩崎雅美)⑦生命の誕生~絶滅危惧種メダカの発生~(豊岡定夫)⑧放射能を浴びたX年後2(伊藤英朗)⑨日本と原発(河合弘之)⑩みんなの学校(眞鍋俊永)
次点には「首相官邸の前で」が入っている。投票者は16人で、過半数を獲得しているのは2位だけ(9人)。そういう点は劇映画と同じである。僕は最近これらの映画をきちんと見ていなくて、見ているのはベストワン作品だけである。でも岩波ホールで公開された時に、この映画の記事は書かなかった。既視感を否めなかったからである。これらをみると、「沖縄」と「原発」が大きなテーマだと判る。また、長編記録映画ばかりでなく、③⑤⑦のような30分程度の伝統工芸や科学をテーマとする短編も選ばれている。これらの映画ももっと一般的に見る機会があればと思う。
次に日本映画。劇映画の監督は簡単に調べられるから省略する。
①恋人たち②野火③ハッピーアワー④海街diary⑤岸辺の旅⑥GONINサーガ⑦この国の空⑧ソロモンの偽証 前編偽証/後編裁判⑨母と暮らせば⑩きみはいい子⑩ローリング
次点以下は、⑫駆け込み女と駆け出し男⑬バクマン。⑭FOUJITA⑮さようなら⑯さよなら歌舞伎町⑰あん⑱百日紅~Miss.HOKUSAI~⑲トイレのピエタ⑳木屋町DARUMA
続いて、お盆の弟、映画「深夜食堂」、バケモノの子、味園ユニバース、映画「ビリギャル」、正しく生きる、天空の蜂、心が叫びたがっているんだ、龍三の七人の子分たち、私たちのハァハァ…が30位までである。以下、注目作を挙げておくと、「海難1890」が34位、「くちびるに歌を」が40位、「杉原千畝」「幕が上がる」が48位、「日本のいちばん長い日」が54位…といった具合になっている。
僕は「母と暮らせば」をまだ見てなくて、「ソロモンの偽証」を見逃している。次点以下では⑬⑮⑲⑳を見てない。でも上位の①②③④⑤⑦⑩(きみはいい子)などは、ここでも記事を書いて紹介したから、まああたりはよかった方だろう。というか、日本映画で高く評価されそうな作品は、長いこと見てれば大体判ると言ってもいいだろう。「恋人たち」は悪くはないけど、エピソードが分裂している感じがする。それを考えると、「ハッピーアワー」が、あれだけ長いのに一気に見られる凄さを1位にしたい。(19日までシアター・イメージフォーラムで再上映中。)
もう一つは「この国の空」で、非常に優れた達成だと思うが、その割に評価が低いと思う。僕は「野火」よりずっと良かった。「野火」はちょっと前に市川崑版を再見したけど、やはり市川版の方が良くて、塚本晋也監督のリメイクより良いように感じた。続いて「海街diary」がいいと思っていて、この3本がベスト3。次が「恋人たち」や「きみはいい子」「岸辺の旅」「FOUJITA」「さよなら歌舞伎町」と続く。
「GONINサーガ」は最近キネカ大森で、20年前の「GONIN」と続けて見たのだが、前作の方が良かったのではないだろうか。癖アリの俳優がそろって、大活劇が石井隆ワールドで展開される。今回はその時の子どもたちによる復讐戦だけど、どうも設定がリアルではないなあと思う。まあ、そこまで世の中が壊れたのかもしれないが。土屋アンナはとても良かったが。「ローリング」はとても面白いシナリオで、昔盗撮でクビになった高校教師とその時の教え子の何年か後の物語。水戸で撮影されているが、「東京に近い地方都市」以上の扱いではない。主人公のナレーションで進行する面白さはあるが、もっと突き放した方が良かったのではないか。設定にも疑問が多い。公立高校で盗撮したら確実に刑事裁判になり、盗撮ビデオは没収されるはずだと思う。が、それでは話が進行しないことになる。
かつて問題作を連発した園子音監督は、なんと一年の4本も作ったけど、「ラブ&ピース」「新宿スワン」「リアル鬼ごっこ」「映画 みんなエスパーだよ!」の中で、「ラブ&ピース」の53位が最高。これは見ているが、あまりのくだらなさに絶句した。北野武の「龍三の七人の子分たち」も、まあその程度だろう。未見作品もあるので、ベストテンは決めないことにする。
個人賞は、特に楕男優部門など票がばらつき過ぎで、これで決めていいのかという感じ。主演は二宮和也だが、58人が投票して、たった6票で決定である。5票獲得が永瀬正敏、4票が浅野忠信、オダギリジョー、塚本晋也、大泉洋で、これで決めていいのかという気がする。助演の本木雅弘も7票で、光石研の6票と一票差。あの昭和天皇で助演賞というのも、納得できない気がする。女優は主演が深津絵里、助演が黒木華で、票差は男優より付いている。監督、脚本はどちらも「恋人たち」の橋口亮輔が獲得した。続いて外国映画だけど、長くなってしまったので、別にする。一回だけのつもりがこうして延びて行ってしまう。
①沖縄 うりずんの雨(ジャン・ユンカーマン)②戦場ぬ止み(いくさばぬとぅどぅみ、三上智恵)③瀬戸黒-加藤孝造のわざ-(村山正実)④“記憶”と生きる(土井敏那)⑤芭蕉布-平良敏子のわざ-(謝名元慶福)⑥福島 生き物の記録 シリーズ3~拡散~(岩崎雅美)⑦生命の誕生~絶滅危惧種メダカの発生~(豊岡定夫)⑧放射能を浴びたX年後2(伊藤英朗)⑨日本と原発(河合弘之)⑩みんなの学校(眞鍋俊永)
次点には「首相官邸の前で」が入っている。投票者は16人で、過半数を獲得しているのは2位だけ(9人)。そういう点は劇映画と同じである。僕は最近これらの映画をきちんと見ていなくて、見ているのはベストワン作品だけである。でも岩波ホールで公開された時に、この映画の記事は書かなかった。既視感を否めなかったからである。これらをみると、「沖縄」と「原発」が大きなテーマだと判る。また、長編記録映画ばかりでなく、③⑤⑦のような30分程度の伝統工芸や科学をテーマとする短編も選ばれている。これらの映画ももっと一般的に見る機会があればと思う。
次に日本映画。劇映画の監督は簡単に調べられるから省略する。
①恋人たち②野火③ハッピーアワー④海街diary⑤岸辺の旅⑥GONINサーガ⑦この国の空⑧ソロモンの偽証 前編偽証/後編裁判⑨母と暮らせば⑩きみはいい子⑩ローリング
次点以下は、⑫駆け込み女と駆け出し男⑬バクマン。⑭FOUJITA⑮さようなら⑯さよなら歌舞伎町⑰あん⑱百日紅~Miss.HOKUSAI~⑲トイレのピエタ⑳木屋町DARUMA
続いて、お盆の弟、映画「深夜食堂」、バケモノの子、味園ユニバース、映画「ビリギャル」、正しく生きる、天空の蜂、心が叫びたがっているんだ、龍三の七人の子分たち、私たちのハァハァ…が30位までである。以下、注目作を挙げておくと、「海難1890」が34位、「くちびるに歌を」が40位、「杉原千畝」「幕が上がる」が48位、「日本のいちばん長い日」が54位…といった具合になっている。
僕は「母と暮らせば」をまだ見てなくて、「ソロモンの偽証」を見逃している。次点以下では⑬⑮⑲⑳を見てない。でも上位の①②③④⑤⑦⑩(きみはいい子)などは、ここでも記事を書いて紹介したから、まああたりはよかった方だろう。というか、日本映画で高く評価されそうな作品は、長いこと見てれば大体判ると言ってもいいだろう。「恋人たち」は悪くはないけど、エピソードが分裂している感じがする。それを考えると、「ハッピーアワー」が、あれだけ長いのに一気に見られる凄さを1位にしたい。(19日までシアター・イメージフォーラムで再上映中。)
もう一つは「この国の空」で、非常に優れた達成だと思うが、その割に評価が低いと思う。僕は「野火」よりずっと良かった。「野火」はちょっと前に市川崑版を再見したけど、やはり市川版の方が良くて、塚本晋也監督のリメイクより良いように感じた。続いて「海街diary」がいいと思っていて、この3本がベスト3。次が「恋人たち」や「きみはいい子」「岸辺の旅」「FOUJITA」「さよなら歌舞伎町」と続く。
「GONINサーガ」は最近キネカ大森で、20年前の「GONIN」と続けて見たのだが、前作の方が良かったのではないだろうか。癖アリの俳優がそろって、大活劇が石井隆ワールドで展開される。今回はその時の子どもたちによる復讐戦だけど、どうも設定がリアルではないなあと思う。まあ、そこまで世の中が壊れたのかもしれないが。土屋アンナはとても良かったが。「ローリング」はとても面白いシナリオで、昔盗撮でクビになった高校教師とその時の教え子の何年か後の物語。水戸で撮影されているが、「東京に近い地方都市」以上の扱いではない。主人公のナレーションで進行する面白さはあるが、もっと突き放した方が良かったのではないか。設定にも疑問が多い。公立高校で盗撮したら確実に刑事裁判になり、盗撮ビデオは没収されるはずだと思う。が、それでは話が進行しないことになる。
かつて問題作を連発した園子音監督は、なんと一年の4本も作ったけど、「ラブ&ピース」「新宿スワン」「リアル鬼ごっこ」「映画 みんなエスパーだよ!」の中で、「ラブ&ピース」の53位が最高。これは見ているが、あまりのくだらなさに絶句した。北野武の「龍三の七人の子分たち」も、まあその程度だろう。未見作品もあるので、ベストテンは決めないことにする。
個人賞は、特に楕男優部門など票がばらつき過ぎで、これで決めていいのかという感じ。主演は二宮和也だが、58人が投票して、たった6票で決定である。5票獲得が永瀬正敏、4票が浅野忠信、オダギリジョー、塚本晋也、大泉洋で、これで決めていいのかという気がする。助演の本木雅弘も7票で、光石研の6票と一票差。あの昭和天皇で助演賞というのも、納得できない気がする。女優は主演が深津絵里、助演が黒木華で、票差は男優より付いている。監督、脚本はどちらも「恋人たち」の橋口亮輔が獲得した。続いて外国映画だけど、長くなってしまったので、別にする。一回だけのつもりがこうして延びて行ってしまう。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます