福井の「女子中学生殺人事件」、先に「再審開始が期待される」と書いておいたが、30日に再審開始決定が出た。検察側が今後異議申し立てをするのかもしれないので、まだ確定ではないけど、請求人の前川彰司さんは無実である。この事件についてはあまりよく知らないので、書くのを控えようかと思ったが、やはり書いておくことにする。(ところで、警察が犯人を間違えたことで今でも「女子中学生殺し」と言われて名前が出るのは、被害者の家族にとっては辛いことだろう。地名を取って、単に「福井事件」と呼んだ方がいいのではないかと思う。)
この事件は全国的に大きく騒がれたわけではないので、事件当初も、裁判段階も東京ではあまり報道されていない。冤罪事件に関する新聞切抜は30年以上あるので、一審無罪判決の記事は探せば見つかると思うけど、その後の逆転有罪や再審に関する記事は小さかった。(載ることは載ったので、有罪確定や再審請求の事実自体は知っていた。)この事件に関するノンフィクションの本なども出ていない。だから、僕はよく知らないわけである。
では、何故「無実」と書くかといえば、再審請求の事実自体が「行動証拠」であると考えるからだ。死刑や無期と言った重大事件ではない。懲役7年ですでに服役を終えて出所している。再審請求をしたことで、全国に名前と顔写真が知られてしまった。殺人なのに7年と短いのも、シンナーの影響下にあった犯行とされ減刑されたものである。出所後も心神の体調不良が続き、決定当日も金沢に行けなかった。そういう事情も全国に知られてしまった。殺人事件の犯人として服役したと知られるだけでも大変なのに、そのような個人的事情まで知られてしまうのに、裁判をやり直して欲しいと望むのは、本人が本当に無実だからだとしか僕には思えない。もう出所しているのだから、犯人なんだったらしばらく静かにして他人が忘れるのを待つだろう。確かに再審で無罪になれば補償金が出るわけだが、25年間の苦しみを思えば、本当に無実じゃなかったらお金目的に今さら名乗って出るなんて人がいるだろうか。無罪判決があってもとやかく言う人はいるものだ。それなのに再審をやり抜こうとするのは、本当に無実だからだとしか僕には思えない。本人の行動そのものが、何よりの無実の証拠。僕の人間観からすると、そういう判断をするものである。
ところで、この事件では前川さんは「自白」を取られていない。「知人」が「後輩が血の付いた前川を車に乗せた」と供述したことが有罪の決め手になった。しかし、再審請求審で、数多くの「未開示調書」が新たに開示されて、その供述のいい加減さが証明された。それが再審開始の決め手になるわけだが、この事件の関係者の年齢を知ると驚く。前川さんが46歳。「知人」が47歳。「後輩①」が42歳。「後輩②」が47歳。25年前だから、引くと前川さんが21歳。知人は22歳である。後輩に①②があるのは、「知人」が供述したのは複数いて、最初の人物は逮捕されたが釈放されている。「後輩①」は25を引くと「17歳」になってしまうが、本当に「車に乗せた」という容疑で逮捕されたのだろうか。さて、「知人」と書いているが、「覚醒剤で逮捕・勾留中の暴力団員」である。つまり、捕まえているチンピラに言わせた供述なのである。
この「後輩」証言による証拠構造を考えると、逆転有罪判決の名古屋高裁金沢支部には「見抜けなかった責任」がある。警察、検察は、「殺人事件解決」のためには、他の事件の犯罪者と取引してでも、むりやり「犯人」をつくる。そのような事件は他にもあるが、この事件の本質はそこにある。20歳過ぎたばかりのチンピラをあやつるなんて警察には簡単なことだったろう。異議申し立てをせず、早く再審が開かれることを望む。
この事件は全国的に大きく騒がれたわけではないので、事件当初も、裁判段階も東京ではあまり報道されていない。冤罪事件に関する新聞切抜は30年以上あるので、一審無罪判決の記事は探せば見つかると思うけど、その後の逆転有罪や再審に関する記事は小さかった。(載ることは載ったので、有罪確定や再審請求の事実自体は知っていた。)この事件に関するノンフィクションの本なども出ていない。だから、僕はよく知らないわけである。
では、何故「無実」と書くかといえば、再審請求の事実自体が「行動証拠」であると考えるからだ。死刑や無期と言った重大事件ではない。懲役7年ですでに服役を終えて出所している。再審請求をしたことで、全国に名前と顔写真が知られてしまった。殺人なのに7年と短いのも、シンナーの影響下にあった犯行とされ減刑されたものである。出所後も心神の体調不良が続き、決定当日も金沢に行けなかった。そういう事情も全国に知られてしまった。殺人事件の犯人として服役したと知られるだけでも大変なのに、そのような個人的事情まで知られてしまうのに、裁判をやり直して欲しいと望むのは、本人が本当に無実だからだとしか僕には思えない。もう出所しているのだから、犯人なんだったらしばらく静かにして他人が忘れるのを待つだろう。確かに再審で無罪になれば補償金が出るわけだが、25年間の苦しみを思えば、本当に無実じゃなかったらお金目的に今さら名乗って出るなんて人がいるだろうか。無罪判決があってもとやかく言う人はいるものだ。それなのに再審をやり抜こうとするのは、本当に無実だからだとしか僕には思えない。本人の行動そのものが、何よりの無実の証拠。僕の人間観からすると、そういう判断をするものである。
ところで、この事件では前川さんは「自白」を取られていない。「知人」が「後輩が血の付いた前川を車に乗せた」と供述したことが有罪の決め手になった。しかし、再審請求審で、数多くの「未開示調書」が新たに開示されて、その供述のいい加減さが証明された。それが再審開始の決め手になるわけだが、この事件の関係者の年齢を知ると驚く。前川さんが46歳。「知人」が47歳。「後輩①」が42歳。「後輩②」が47歳。25年前だから、引くと前川さんが21歳。知人は22歳である。後輩に①②があるのは、「知人」が供述したのは複数いて、最初の人物は逮捕されたが釈放されている。「後輩①」は25を引くと「17歳」になってしまうが、本当に「車に乗せた」という容疑で逮捕されたのだろうか。さて、「知人」と書いているが、「覚醒剤で逮捕・勾留中の暴力団員」である。つまり、捕まえているチンピラに言わせた供述なのである。
この「後輩」証言による証拠構造を考えると、逆転有罪判決の名古屋高裁金沢支部には「見抜けなかった責任」がある。警察、検察は、「殺人事件解決」のためには、他の事件の犯罪者と取引してでも、むりやり「犯人」をつくる。そのような事件は他にもあるが、この事件の本質はそこにある。20歳過ぎたばかりのチンピラをあやつるなんて警察には簡単なことだったろう。異議申し立てをせず、早く再審が開かれることを望む。