ばいばい

妻が大学生の頃から飼っていたパピヨンがいるんですけどね、今は茂木の実家に預かってもらってる（というか飼ってもらっている）状態なんです。パピヨンはオスとメスの2匹おりまして、オスはなつ吉くん、メスはクラリスと申します。何しろ大学生の頃から飼っていた犬ですからねぇ、ずいぶん年をとっておりまして、かなりの老犬となっておりました。

そのなつ吉くんが病気になりまして、昨晩手術をしたんですよ。しかしながら病気がかなり進行していたのか、はたまた手術の際の麻酔も老体には相当負担になったのか、麻酔から覚めた今朝早く、なつ吉くんは天国へ旅立ってしまいました。
私はお仕事があって手伝えませんでしたが、先ほど妻と子ども達でなつ吉くんを葬って来たそうでございます。

栄養が良かったせいか、なつ吉くんは小型犬とは思えないほど巨大化してしまい、一見するとパピヨンにはとても見えない立派な体つきをしておりました。最近は小刻みにプルプルと震えている事もあったようで、あまり体調は思わしくない状態が続いていたようです。
事前に「手術には耐えられないかも知れない」というご説明があったそうですが、まさかこんなにあっけなく逝ってしまうとは夢にも思わず、妻は朝早くから号泣しておりました。

私、妻とは大学時代の同級生なのですが、4年生になるまで話もした事がありませんでした。それまではただの顔見知り程度の同級生でしてねぇ。
「浅野って誰？あ～、あのミニ乗って小っちゃい犬連れて来てる子ね。」
当時はその程度にしか知らなかったので、当然ながら私よりもなつ吉くんの方が妻との付き合いは長かったわけです。
茂木の実家へ結婚の報告に来た時にはもうなつ吉くんは茂木におりましたから、栃木での生活も私よりなつ吉くんの方が長かった事になります。

いつも私より先々を行っていたなつ吉くん。
私は常にどこかで彼に引け目を感じていた、そんな気が致します。

天国には君の大好きだったお義父さんもいる事だし、あっちへ行ったらお義父さんと仲良く散歩するんだよ。
じゃね、ばいばい。