工藤鍼灸院・院長のひとりごと2

真岡市(ハローワーク向かい)
電話 0285(83)3182
あなたの街のはり屋さん
お灸もやってます

惜しいなぁ

2007年11月18日 17時58分39秒 | 鍼灸師会・学会・勉強会
本日は東京に来ておりましてね。いつもの如く経絡治療学会関東支部会へ行っておりました。

講師陣が控える事務局には温かいお茶を入れる電気ポットがございまして、これに毎回お茶を用意したり片付けたりするのは主に私達若手講師のお仕事となっております。
本日も無事に講義が終わりいざ片付けようかと思いましたら、なぜか今日は大量にお茶が余っておりましてねぇ。もったいないから容器に移して持って帰りましょうという事になったのであります。
でもね、電気コードをすでに抜いた後だったもので、その状態だとお茶が出ない。仕方がないのでもう一度コードをつないでお茶を移しましたが、もし今、この瞬間に停電にでもなったらお茶は出てこないわけですよね。
便利な世の中も裏を返せば不便に感じるもんだねぇと。昔ながらの手動ポットならこういう時もすぐ使えて便利だよねぇと。先生方とそんなお話しをして参りました。

ようやく片付けも終わって東京駅に向かって歩いておりましたら、何やら警察に先導されたデモ行進に遭遇致しました。
彼らは声高に必死になって、しきりに叫んでおりましたよ。

「原発、はんた~い!!」

「角砂糖五個分のプルトニウムで日本を絶滅させる事ができるのです!!」

「今年の夏は原発がなくても電力は足りていました!!」

「原発でつくった電気なんて、いらな~い!!」

彼らは彼らなりに必死に訴えていたのでしょうけれど、イマイチ何を訴えたいのか伝わってこないんですよねぇ。
あんなに必死な訴えなのに、なぜなのでしょうか?すごく気になって考えてしまいました。

言いたい事はよくわかります。そりゃ誰だって自分の住む地域に原発ができるとなればあまりいい気分はしないでしょう。
しかしね、だからって現状の電力消費量は変わらないわけですし、世の中が便利になればなるほどそれが将来的にものび続ける事はまず間違いない。何しろお茶を出すのにも電気に頼るような世の中ですからねぇ。

ここで私、あ、そうかと閃いたのであります。

例えばね、ひどい肩凝りの患者さんがいたとして、証が肝虚陰虚証だったとします。肝が虚して虚熱が発生し、陽明経に熱が波及したためと判断したとしましょうか。
まず我々は手足の要穴を用いて病の根本的な部分である肝を補います。これを本治法と申します。
肝を補ったところで、今度は肩をしっかりとさわって治療します。これを標治法と申します。
鍼灸の場合、この『標本同治』によって効果的に効率よく治療を進める事ができるわけです。
肩ばかり一生懸命治療しても、陽明経に波及している熱が発生する原因である肝を補わなければすぐにまた肩が凝ってしまいます。ですからね、病の根本を改善する本治法もやはり大切なんです。熱が発生しなければ肩凝りの原因もできないですから、本治法だけで肩が楽になる事も多いんですよ。

閑話休題。

先ほどのデモにしてもね、原発建設の根本的な原因は電力消費量の増加なのですから、ただがむしゃらに「原発反対」を訴えるだけでは効果的なデモにはならないんじゃないかなぁ。ひとりひとりの節電に関する意識改革も叫んでいれば、もっと効率よく原発問題をみんなに訴えられたんじゃないかなぁ。
惜しいなぁ、やっぱり標本同治なんだよと。そんな風に思った次第でございます。

・・・いろいろと深く考えすぎでしょうか?
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする